

端的に言えば雨降って地固まるの意味は「悪いことが起こったあと、かえって元の状態より良くなること」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んだ。一緒に「雨降って地固まる」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/Hata
以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。
「雨降って地固まる」の意味は?
「雨降って地固まる」には、次のような意味があります。
もめごとなど悪いことが起こったあとは、かえって基盤がしっかりしてよい状態になることのたとえ。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「雨降って地固まる」
いざこざや揉め事と言うのは、普通は避けたいイヤなことですよね。ですが悪い出来事のおかげで、かえってもとより良い状態になることもあります。
「雨降って地固まる」とはそのような状況を指した言葉で、“いやな物事の後、かえって良い結果につながる”時に使うことわざです。トラブルやアクシデントも悪いばかりではなく、時には必要なものだ、という意味でも使われます。
「雨降って地固まる」の語源は?
次に「雨降って地固まる」の語源を確認しておきましょう。「雨降って地固まる」とは名の通り、雨が降った後の地面の様子が由来です。
雨が降ると、地面も水分を含み柔らかくぬかるんだ状態になります。ぬかるんだ土はすべりやすく歩きにくく、イヤな思いをすることもあるでしょう。ですが雨が止み晴れた後は、地面の水分が太陽の陽射しで蒸発するため、むしろもとの地面より堅く安定した地盤となります。
この状況を比喩的にたとえたのが「雨降って地固まる」です。具体的にいつ頃から使われているのかは定かではありませんが、古くは江戸時代初期の俳諧論書『毛吹草』でもこのことわざが見られます。
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