この記事では「舌がもつれる」について解説する。

端的に言えば舌がもつれるの意味は「うまく口が回らず、上手に喋れないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

小説や記事の執筆など、言葉に多く携わっている中低青黄を呼んです。一緒に「舌がもつれる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/中低青黄

大学生ライター。大学生活を送る傍ら、PR会社にて記事の添削・校正などを担当。また、高校生の頃から小説をはじめとした書籍を多数通読。小説の執筆や記事の作成なども行っている。

「舌がもつれる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「舌がもつれる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「舌がもつれる」の意味は?

「舌がもつれる」には、次のような意味があります。

・舌がもつれたようになって、すらすらしゃべれないこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「舌縺れ」

「舌がもつれる」という慣用句は、すらすらと喋れないことを表す慣用句です。この慣用句を正確に理解するために、「もつれる」という単語の意味も見ていきましょう。「もつれる」の意味は以下の通りです。

  1. 線状のものがからまり合って解けなくなる。「髪が―・れる」

  2. 足・舌などが思うように動かず、言語・動作に支障をきたす。「足が―・れる」

  3. 事柄が入り組んで決着のつかない状態になる。「交渉が―・れる」「試合が―・れる」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「縺れる」

もつれるには上記のように、3つもの意味があります。そのすべての根本には、「絡まり合う」ようなニュアンスがあると言えますね。絡まり合い、解けないことから転じて二進も三進もいかない状態やうまくいかないことを表しています。

その中でも、「舌がもつれる」の「もつれる」は2の意味です。舌は一本しかありませんが、それがうまく回らないことで「喋る」という動作が満足に行えなくなってしまう。そう考えれば納得できるのではないでしょうか。

「舌がもつれる」の使い方・例文

「舌がもつれる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.緊張のせいか舌がもつれてうまく喋れなかった。

2.ハキハキと喋りたかったのに、舌がもつれてしまった。

人には緊張すると噛んでしまったり、言葉を間違えてしまったり、はたまたどもってしまったりとうまく喋れなくなることがあります。このようなうまく喋れなかったことを総称して「舌がもつれる」と表現することができるのです。

「舌がもつれる」は例文1のように「舌がもつれてうまく喋れなかった」というように「喋れない」とセットで使われることが多くあります。しかし、必ずしもそのように使用しなければならないわけではなく、例文2のように「舌がもつれた」あるいは「舌がもつれてしまった」のようにそれ単体でも使用することが可能です

「舌がもつれる」の類義語は?違いは?

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うまく言葉が喋れないことを表す「舌がもつれる」。同様の意味をもつ単語にはどのようなものがあるのでしょう。

\次のページで「「呂律が回らない」」を解説!/

「呂律が回らない」

読み方は「ろれつがまわらない」。舌がよく動いておらず、言っていることがはっきりと聞き取れないことを指す慣用句です。

「呂律」という単語に耳馴染みのない方もいらっしゃるかもしれません。「呂律」とは言葉やセリフを言うときの調子を表しています。それが回らないと表現することで舌がうまく動いていない、つまり舌がもつれるに似た意味を表すことができるのです。ただ、この呂律が回るという表現は舌がもつれるとは違い、酔っ払っている時やあるいは幼子が喋る時などに用いられることが多いという特徴があります。状況に併せて使い分けるようにしましょう。

「滑舌が悪い」

読み方は「かつぜつがわるい」。こちらも喋っている内容あるいは言葉がうまく聞き取れない際に用いられる慣用句です。もしかすると「舌がもつれる」より使用される頻度は高いかもしれませんね。

とはいえ、「滑舌」とは何なのかを理解している人はそれほど多くはないのではないかと思います。実は「滑舌」とは本来、アナウンサーや俳優などが口の動きを滑らかにするために行う発音の練習を指しているのです。そこから転じて、発音や発声がはっきりとしていて滑らかなことや滑らかな喋り方自体を表してます。「舌が滑らか」と書いて「滑舌」なので納得ですね。

そのような滑らかに喋れることが「良い」と仮定するならばそれが「悪い」状態なわけですから、うまく喋れていないことを表しているということになるわけです。

「舌がもつれる」の対義語は?

では反対に、「舌がもつれる」の対義語にはどのような単語があるのでしょう。ご紹介します。

「滑舌がいい」

先ほど「舌がもつれる」の対義語でご紹介した「滑舌が悪い」。その「悪い」を「良い」に変えることですらすら喋れることを表せます。

併せて覚えておけば便利なので把握しておきましょう。

「立て板に水」

こちらもすらすらと淀みなく話すことを表す表現です。壁などに立てかけてある板に、水をかけるとどこかで滞ることなく重力で水は下に落ちていきますよね。そのことから転じてこのような意味を表しています。「無意味であること」と誤用されてしまいがちな慣用句ではありますが、そのような意味はないので注意しましょう。以下例文になります。「立て板に水のよう」と使用する場合が多いので、是非とも使い方をしっかり把握してください。

・彼は普段は寡黙だが、いざディベートとなると立板の水のように喋り出す

\次のページで「「舌」を使った慣用句」を解説!/

「舌」を使った慣用句

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ここまで「舌がもつれる」に関連してさまざまな慣用句をご紹介してきました。「舌がもつれる」以外にも「滑舌」など。喋り方に関する言葉において「舌」の一文字は大きな意味を持つことがわかりましたね。しかし、喋り以外にも舌を用いた慣用句があるのです。喋り以外に「舌」が出てくるシチュエーションは「味覚」に関する場面。最後にそのような慣用句をふたつ紹介します。

「舌が肥える」

味覚が発達したすることを表すこちらの慣用句、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。「肥える」には太る以外にも、経験から感覚が研ぎ澄まされていくような意味があります。

舌は味覚を味わう器官ですので、それが研ぎ澄まされるということで、味に対しての感覚が豊かになる、つまり味覚が発達したのだと表せるのです。また、口も食べ物を食べる場所ですので「口が肥える」とも表せます。

「舌鼓を打つ」

読み方は「したつづみをうつ」。美味しい食べ物を食べることを表します。舌はまだしも鼓という言葉に耳馴染みのない方は多いのではないでしょうか。鼓とは木製で中央部のくびれている胴の両端に革を張った楽器、つまり太鼓のようなものを表しています。

美味しいものを食べた時に思わず舌の音を鳴らすことからこのような表現になったようですよ。とはいえ舌の音が鼓に聞こえるかは怪しいところだなと個人的には思うところではありますが…。

「舌がもつれる」を使いこなそう

この記事では「舌がもつれる」の意味・使い方・類語などを説明しました。「舌」「もつれる」どちらの表現も他の慣用句で使用される単語です。それらをしっかり把握することで別の慣用句を理解する助けにもなるのではないでしょうか。しっかり意味を把握して、より表現を豊かにしましょう。

 

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【慣用句】「舌がもつれる」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「舌がもつれる」について解説する。

端的に言えば舌がもつれるの意味は「うまく口が回らず、上手に喋れないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

小説や記事の執筆など、言葉に多く携わっている中低青黄を呼んです。一緒に「舌がもつれる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/中低青黄

大学生ライター。大学生活を送る傍ら、PR会社にて記事の添削・校正などを担当。また、高校生の頃から小説をはじめとした書籍を多数通読。小説の執筆や記事の作成なども行っている。

「舌がもつれる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「舌がもつれる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「舌がもつれる」の意味は?

「舌がもつれる」には、次のような意味があります。

・舌がもつれたようになって、すらすらしゃべれないこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「舌縺れ」

「舌がもつれる」という慣用句は、すらすらと喋れないことを表す慣用句です。この慣用句を正確に理解するために、「もつれる」という単語の意味も見ていきましょう。「もつれる」の意味は以下の通りです。

  1. 線状のものがからまり合って解けなくなる。「髪が―・れる」

  2. 足・舌などが思うように動かず、言語・動作に支障をきたす。「足が―・れる」

  3. 事柄が入り組んで決着のつかない状態になる。「交渉が―・れる」「試合が―・れる」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「縺れる」

もつれるには上記のように、3つもの意味があります。そのすべての根本には、「絡まり合う」ようなニュアンスがあると言えますね。絡まり合い、解けないことから転じて二進も三進もいかない状態やうまくいかないことを表しています。

その中でも、「舌がもつれる」の「もつれる」は2の意味です。舌は一本しかありませんが、それがうまく回らないことで「喋る」という動作が満足に行えなくなってしまう。そう考えれば納得できるのではないでしょうか。

「舌がもつれる」の使い方・例文

「舌がもつれる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.緊張のせいか舌がもつれてうまく喋れなかった。

2.ハキハキと喋りたかったのに、舌がもつれてしまった。

人には緊張すると噛んでしまったり、言葉を間違えてしまったり、はたまたどもってしまったりとうまく喋れなくなることがあります。このようなうまく喋れなかったことを総称して「舌がもつれる」と表現することができるのです。

「舌がもつれる」は例文1のように「舌がもつれてうまく喋れなかった」というように「喋れない」とセットで使われることが多くあります。しかし、必ずしもそのように使用しなければならないわけではなく、例文2のように「舌がもつれた」あるいは「舌がもつれてしまった」のようにそれ単体でも使用することが可能です

「舌がもつれる」の類義語は?違いは?

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うまく言葉が喋れないことを表す「舌がもつれる」。同様の意味をもつ単語にはどのようなものがあるのでしょう。

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