「ノスタルジー」と言えば昭和?
前節ですこし触れましたが、2022年現在の日本で「ノスタルジー」というと、高度成長期の「古き良き日本」を連想する方が多いでしょう。これはメディアや行政が見栄えのいい印象を与えるコンテンツを作成し、負の面に光をあてない広め方をしたためだという指摘もあります。
そうはいっても、昭和ノスタルジーには心に平穏がもたらされる効果があることも事実。当時の人付き合いや素朴な町中の風景などは、やはり引き付けられるなにかがあります。
「ノスタルジック」な風景
のどかな里山や下町の風景は、「想像や推測」に起因する「ノスタルジー」を感じやすいものとして真っ先に挙げられるでしょう。さらに季節でみると夏の風景はノスタルジーの巣窟。これは長期休暇により子どものころの思い出が残りやすく、虫の鳴き声・繁茂する植物の匂い・鮮やかに照り付ける太陽と海など、五感を刺激する情報にあふれているからだと言われています。
「ノスタルジック」な音楽
青春時代に聞いていた音楽は、「自分の記憶」に起因するノスタルジーを感じるトリガーによくなります。「想像や感情移入」によってノスタルジーを得やすい曲としては、John Denverの「Take Me Home, Country Roads」(※映画「耳をすませば」のテーマ曲)などが有名ですね。
筆者個人としては、SIBERIAN NEWSPAPERの楽曲(インストルメンタル)とはっぴいえんどの「風をあつめて」「暗闇坂むささび変化」がおすすめです。特にはっぴいえんどの歌詞は言葉による風景描写においてほかに類をみません。
それでも安らぐ「ノスタルジー」
この記事では、「ノスタルジー」について解説しました。「ノスタルジー」は生み出されてから今日に至るまでの時代背景で、さまざまな扱われ方をされてきた、歴史のある言葉です。
ここ20年くらい「ノスタルジー」は昔を懐かしむ1つのブームとして、日本の文化に定着しています。しかし、映画にしろアニメにしろ博物館の展示にしろ、ただ美しい過去としての描き方しかされていないことがしばしば。集客目的では仕方のないことですが、自分の知らない過去を正しく認識するためには、現実の汚い側面にも目を配ることが大切です。
ともあれ「ノスタルジー」に浸ることで、いっときの安らぎを得られることは間違いありません。ふと一息つきたいときなどに、「ノスタルジック 画像」などで検索してみてはどうでしょうか。