この記事では「アドバンテージ」について解説する。「アドバンテージ」は場面を問わず出てくる言葉で、業界などを問わない使いやすい言葉です。言い換えると、どこで出てきてもおかしくない言葉ということだから、知っておいた方が良いぞ。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「アドバンテージ」の意味や使い方、言い換えなどを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「アドバンテージ」ってどういう意味?

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「アドバンテージ」は以下のような意味になります。

有利な立場、条件。優位。利益。

出典:コトバンク「アドバンテージ 意味」

相手に対して差を付けている状況や、差そのものに対して「アドバンテージ」を使用します。業界や状況を問わず、有利不利は大小さまざまに生じるものであるため、自然と「アドバンテージ」も業界や状況を問わず使用されることがあるということです。

「アドバンテージ」の使い方

「アドバンテージ」は以下のように使用します。

1.君には彼と比べると、知識の量で「アドバンテージ」がある。
2.他社にはないわが社の「アドバンテージ」について、考えてみた。
3.勝負においては、先手を取れるというだけですでに「アドバンテージ」になるものだ。

上記のいずれも、「優位性」「有利」に置き換え可能であることがわかります。「差がある」という言い方をする場合もありますが、「差」という単語だけでは有利側に働くか不利側に働くかわからないため、置き換えとしてはあまり適切ではありません。また、状況や場面を問わず使いやすい単語です。

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スポーツ界の「アドバンテージ」

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「アドバンテージ」はどのような状況・場面であっても基本的に「優位性」という意味ですが、場面によっては少々意味が付加されることもあります。例えばスポーツの場面では、「アドバンテージ」とは特定の状況を指す言葉になるのです。

その1:テニスにおける「アドバンテージ」とは?

テニスにおいての「アドバンテージ」は以下のような意味です。

テニスで用いられるアドバンテージとはゲーム中3ポイント(15・30・40)ずつ取り合いデュースになった後、先に1ポイントリードすることをいいます。

出典:テニス用語辞典「テニス アドバンテージ」

テニスを知らない人にはわかりづらいかもしれませんが、本来テニスは自分か相手のどちらかが4ポイント先に取ると、そのゲームの決着がつき一区切りとなります。しかしお互い3ポイントづつ取り点差が0になると、そこから先はどちらかが2ポイント差を付けなければゲームが終わりません。このようなときに、ポイントをリードしている側を指し示す言葉が「アドバンテージ」です。

単純に「現在どちらが勝っているのか」という意味とはやや外れるため、注意してください。

その2:サッカーにおける「アドバンテージ」とは?

サッカーにおいての「アドバンテージ」は以下のような意味です。

サッカーにおいては、守備側の反則が発生したものの、試合を止めず続行した方が攻撃側のチームに有利になる場面で反則を取らないことを指します。

出典:サカイク「サッカー アドバンテージ」

サッカーに詳しくない人にはピンときにくいかもしれませんが、反則が起こってなお被害者側が有利にゲームを進めていた場合、せっかく有利なのだからそのまま続けさせてあげるというルールです。反則を見逃すわけではなく、プレイがひと段落すると反則はしっかり取られます。

テニスと同じく、「アドバンテージ」というルールの名前なのであって、どちらがより勝っているかという話ではありません。

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ビジネス界の「アドバンテージ」

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「アドバンテージ」という言葉はビジネス界にも出てきます。ビジネスには有利・不利が存在するため、優位性という意味を持つ「アドバンテージ」が使用されるのも頷けるでしょう。しかし、ビジネス界で使用される「アドバンテージ」は他にもあります。少々意味が複雑ですが、押さえておきましょう。

 

「アドバンテージマトリクス」って何?

「アドバンテージマトリクス」とは以下のような意味になります。

アドバンテージ・マトリックスとは、コンサルティング会社のボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が考案した、業界の競争環境を分析する手法。「競争上の競争要因(戦略変数)が多いか少ないか」「ある事業の中で優位性を構築する可能性が大きいか小さいか」という2つの軸で、世の中の業界を4つのタイプに分類する。

競争要因が少ないということは、競争手段が少ないことを意味し、勝ち負けが単純に決まるということである。優位性構築の可能性が大きいということは、その競争要因によって他社に対して明らかな競争優位を獲得できることを意味する。

出典:創造と変革のMBA グロービス経営大学院 MBA(経営学修士)とは MBA用語集 アドバンテージ・マトリックス「アドバンテージマトリクス」

経済用語であるため意味がピンときにくいかもしれませんが、「競争要因が多いか少ないか」とは「他社がどうしても模倣できないオリジナリティを出すことが容易か困難か」ということです。これが困難であるということは、シェアを広げる以外競合他社に勝つ方法がないということになります。「優位性構築の可能性が大きいかどうか小さいか」ということは、「その事業において押しも押されぬ大企業になれるのか」ということです。これが小さいということは、その事業において他社を突き放せるような大企業など生まれないということになります。

「アドバンテージ」の対義語は何がある?

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優位性を意味する「アドバンテージ」には「不利」という意味の対義語がいくつかあります。「アドバンテージ」と合わせて適宜使用することで、よりスムーズに相手に意志を伝えられるでしょう。場面に応じて使用できるよう、整理して覚えましょう。

「ディスアドバンテージ」

「ディスアドバンテージ」とは以下のような意味です。

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不利.不利な立場・条件.不利益.損失

出典:イミダス「ディスアドバンテージ 意味」

「ディスアドバンテージ」とは打消しの「ディス」を「アドバンテージ」の頭に付けた対義語です。意味は「不利」を示しており、「対等」ですらないということになります。

「アドバンテージ」の対義語において「有利ではない」という言い方をしてしまうと、互角という状況を内包してしまうため、意識して使い分けしましょう。

「ビハインド」

「ビハインド」は以下のような意味になります。

後ろに、残って、残して、後ろの、隠れて、陰で、遅れて
対象が何かの背後に隠れている場合にbehindが使われやすい

出典:weblio辞書「ビハインド 意味」

「差がある」という意味の「不利」を示す「ディスアドバンテージ」とはやや異なり、こちらは「遅れをとっている」という意味の「不利」を示します。野球などスポーツやゲームでよく使用されるので、聞いたことがある人も居るでしょう。

例えば野球で1対3で負けている場合、「2点ビハインド」という言い方をします。不利側は相手がそうしたのと同じように、2点目3点目を刻まなければ不利を解消できません。このように、相手を出し抜くには同じ道を辿るしかないという際に「ビハインド」が使用されます。

誰もが使える「アドバンテージ」

「アドバンテージ」はいついかなる状況であっても、使用する可能性があります。どのようなことでも有利・不利は存在しますし、常に自分が不利側であると限っているわけでもありません。人はさまざまな場面で、相手に対して「アドバンテージ」を持っていたり、持っていなかったりします。「自分には縁のない言葉だ」などと思わずに、ぜひ覚えて使ってください。

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国語言葉の意味

意味を明確化するとより使いやすい!「アドバンテージ」の意味・使い方・対義語を徹底わかりやすく解説!

ビジネス界の「アドバンテージ」

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「アドバンテージ」という言葉はビジネス界にも出てきます。ビジネスには有利・不利が存在するため、優位性という意味を持つ「アドバンテージ」が使用されるのも頷けるでしょう。しかし、ビジネス界で使用される「アドバンテージ」は他にもあります。少々意味が複雑ですが、押さえておきましょう。

 

「アドバンテージマトリクス」って何?

「アドバンテージマトリクス」とは以下のような意味になります。

アドバンテージ・マトリックスとは、コンサルティング会社のボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が考案した、業界の競争環境を分析する手法。「競争上の競争要因(戦略変数)が多いか少ないか」「ある事業の中で優位性を構築する可能性が大きいか小さいか」という2つの軸で、世の中の業界を4つのタイプに分類する。

競争要因が少ないということは、競争手段が少ないことを意味し、勝ち負けが単純に決まるということである。優位性構築の可能性が大きいということは、その競争要因によって他社に対して明らかな競争優位を獲得できることを意味する。

出典:創造と変革のMBA グロービス経営大学院 MBA(経営学修士)とは MBA用語集 アドバンテージ・マトリックス「アドバンテージマトリクス」

経済用語であるため意味がピンときにくいかもしれませんが、「競争要因が多いか少ないか」とは「他社がどうしても模倣できないオリジナリティを出すことが容易か困難か」ということです。これが困難であるということは、シェアを広げる以外競合他社に勝つ方法がないということになります。「優位性構築の可能性が大きいかどうか小さいか」ということは、「その事業において押しも押されぬ大企業になれるのか」ということです。これが小さいということは、その事業において他社を突き放せるような大企業など生まれないということになります。

「アドバンテージ」の対義語は何がある?

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優位性を意味する「アドバンテージ」には「不利」という意味の対義語がいくつかあります。「アドバンテージ」と合わせて適宜使用することで、よりスムーズに相手に意志を伝えられるでしょう。場面に応じて使用できるよう、整理して覚えましょう。

「ディスアドバンテージ」

「ディスアドバンテージ」とは以下のような意味です。

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