この記事では「自己憐憫」について解説する。

端的に言えば自己憐憫の意味は「自分自身を可哀想だと思うこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

文学が得意なwebライターのユリを呼んです。一緒に「自己憐憫」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ユリ

大学、大学院ともにイギリス文学を専攻し、修士課程を卒業。無類の本好き。日本語だけでなく英語に関する知識も生かして、難解な単語もわかりやすく解説。

「自己憐憫」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「自己憐憫」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。「自己憐憫」は「じこれんびん」と読みます。漫画や小説などで見かけたことのある人もいるのではないでしょうか。

ここでは、「自己憐憫」の類義語や対義語のほか英訳まで紹介していきます。「自己憐憫」はあまり良い言葉ではありませんが意味や語源、使い方を覚えておけば、学校のテストや自分自身の状態を表現することに役に立ちますよ!

「自己憐憫」の意味は?

「自己憐憫」には、次のような意味があります。

1.自分で自分をかわいそうだと思うこと。
2.自分に対して憐憫の情を抱く事。

出典:実用日本語表現辞典「自己憐憫」

自己憐憫」は「自己」と「憐憫」の二つから成り立つ四字熟語です。「自己」は「自分自身のこと」であり、「憐憫」は「不憫に思いあわれみの感情を持つ」という意味があります。「憐憫」が少し難しい漢字を使うので注意してください。

この二つを合わせて、「自己憐憫」は自分自身を可哀想で不幸だと思う気持ちのこと示しています。「憐憫」の「憐」は気の毒に思うという意味もありますので、全体的に自分をあわれんでいる言葉だといえますね。

「自己憐憫」の語源は?

次に「自己憐憫」の語源を確認しておきましょう。「自己憐憫」の語源は「憐憫」の言葉から来ています。「憐憫」は「憐」と「憫」に分けて読み、「憐」は上記で述べたように気の毒に思う気持ちを意味しますが元々の意味はまた違いました。

元々「憐」は隣人の気持ちという意味を持ち、「憫」は便りがなく悲しがるという意味を持っていたのです。この二つを合わせて同情やあわれむという意味が出来あがりました。そして「自己」という言葉と組み合わせることで「自分自身を可哀想と思う」意味の「自己憐憫」という四字熟語が生まれたのです。

\次のページで「「自己憐憫」の使い方・例文」を解説!/

「自己憐憫」の使い方・例文

「自己憐憫」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.依存心が強いから自己憐憫に陥る。
2.ストレスが溜まっている場合は自己憐憫になりやすい。
3.自己憐憫の特徴は自分を他人よりも特別な存在だと思っていることだ。

例文1は「自己憐憫」になる原因について述べています。自分自身が悪いわけではなく、依存している環境のせいで自分に不幸が訪れたと思っている可能性が高いのです。「自己憐憫」を克服するには周りの環境への依存心を改善させましょう!

例文2も「自己憐憫」の原因について述べています。「自己憐憫」になる理由は何も依存心だけではありません。人間関係によるストレスや相手からの心ない言葉に傷ついた結果として「自分自身を可哀想だ」思ってしまうのです。

例文3は「自己憐憫」に陥る人の特徴を示しています。「自己憐憫」を感じている人は「自分は特別だ」というナルシストな意味合いを持っていることが多いです。「自己憐憫」は自分を守る手段でもありますが、度が過ぎると被害妄想が強くなり中々抜け出せなくなりますので注意しましょう!

「自己憐憫」の類義語は?違いは?

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それでは、「自己憐憫」の類義語について見ていきましょう。似ている部分もありますが、少し異なる部分もあり興味深いですよ。

「自己嫌悪」

「自己憐憫」の類義語として最初にご紹介するのは「自己嫌悪」です。読み方は「じこけんお」になります。この言葉は知っている人も多いのではないでしょうか?

意味は「自分自身が嫌になり、疎ましく思うこと」です。自分を悪く思うことに関しては「自己憐憫」と似ていますね。しかし、「自己嫌悪」は自分を不幸だと嘆き悲しむのではなく、自分を責めて嫌いになる意味合いが強いです。この部分が「自己憐憫」とは異なりますね。

\次のページで「「自己否定」」を解説!/

「自己否定」

自己否定」も「自己憐憫」の類義語です。「自分自身を否定してそれ以前の自分をやめること」を意味します。こちらも自分自身に対してマイナスの感情を持っていることが「自己憐憫」と似ていますね。

異なる点は「自分自身に被害者意識があるかどうか」です。「自己憐憫」は誰かに助けてもらいたいという被害者意識が強いですが、「自己否定」は被害者意識は少なくばっさりと自分自身を否定します。誰かに頼る前に自分で解決してしまうのです。

「自己憐憫」の対義語は?

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次に「自己憐憫」の対義語について解説していきます。どのように異なっているのか詳しく見ていきましょう!

「自信満々」

「自己憐憫」の対義語として最初に挙げられるのが「自信満々」です。「自分は優れているという自信に満ち溢れている様子」を意味します。「自己憐憫」とは対称的な言葉ですね。

「自己憐憫」では自分は可哀想な存在で被害者であるという心理が強いですが、「自信満々」な気持ちでは自分は素晴らしいと強い自信を持っています。こうして比較してみると「自己憐憫」は卑屈な意味合いがあり、「自信満々」は少し傲慢さが垣間見えますね。健やかな人間関係を築くには「自己憐憫」と「自信満々」の中間くらいの気持ちが大切なのかもしれません。

「自己満足」

自己満足」も「自己憐憫」の対義語として挙げられます。意味は「自分が行った行為に対して他者ではなく自分自身だけが満足すること」です。自分自身に満足していない「自己憐憫」とは対義的な意味ですね。

しかし、「自己満足」はある部分においては「自己憐憫」と共通するものがあります。それは「客観性がないこと」です。「自己憐憫」と「自己満足」も自分でしか判断しておらず他者の気持ちを無視しています。

正反対のように見えますが、「自己満足」も決して良いことではありません。くれぐれも何かを行うときは「自己満足」な結果にならないよう気をつけましょう!

「自己憐憫」の英訳は?

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最後に「自己憐憫」の英訳をご紹介します。「自己憐憫」について英語で会話することは少ないかもしれませんが、自分のことを誰かに相談するときの表現方法として知っておいて損はないでしょう!

「Self-pity」

「自己憐憫」の英訳には「Self-pity」という英単語があります。「Self」は自分自身のこと、「pity」はあわれみや気の毒という意味です。二つを組み合わせて「Self-pity」で「自己憐憫」と訳します。

例文を見てみましょう。

\次のページで「「自己憐憫」を使いこなそう」を解説!/

1. She is Self-pity.

(彼女は自己憐憫になっている)

2. Have you ever been Self-pity?

(あなたは自己憐憫になった経験がある?)

「自己憐憫」を使いこなそう

この記事では「自己憐憫」の意味・使い方・類語などを説明しました。「自己憐憫」は自分自身を可哀想だと思うことです。依存心や被害者意識が強い人に多くみられますね。

「自己憐憫」のままでいることは自分をいじめることと一緒です。「自信満々」とまではいかなくても、周りを気にせず自分自身を素直に認められるように努めましょう!

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国語言葉の意味

「自己憐憫」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「自己憐憫」について解説する。

端的に言えば自己憐憫の意味は「自分自身を可哀想だと思うこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

文学が得意なwebライターのユリを呼んです。一緒に「自己憐憫」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ユリ

大学、大学院ともにイギリス文学を専攻し、修士課程を卒業。無類の本好き。日本語だけでなく英語に関する知識も生かして、難解な単語もわかりやすく解説。

「自己憐憫」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「自己憐憫」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。「自己憐憫」は「じこれんびん」と読みます。漫画や小説などで見かけたことのある人もいるのではないでしょうか。

ここでは、「自己憐憫」の類義語や対義語のほか英訳まで紹介していきます。「自己憐憫」はあまり良い言葉ではありませんが意味や語源、使い方を覚えておけば、学校のテストや自分自身の状態を表現することに役に立ちますよ!

「自己憐憫」の意味は?

「自己憐憫」には、次のような意味があります。

1.自分で自分をかわいそうだと思うこと。
2.自分に対して憐憫の情を抱く事。

出典:実用日本語表現辞典「自己憐憫」

自己憐憫」は「自己」と「憐憫」の二つから成り立つ四字熟語です。「自己」は「自分自身のこと」であり、「憐憫」は「不憫に思いあわれみの感情を持つ」という意味があります。「憐憫」が少し難しい漢字を使うので注意してください。

この二つを合わせて、「自己憐憫」は自分自身を可哀想で不幸だと思う気持ちのこと示しています。「憐憫」の「憐」は気の毒に思うという意味もありますので、全体的に自分をあわれんでいる言葉だといえますね。

「自己憐憫」の語源は?

次に「自己憐憫」の語源を確認しておきましょう。「自己憐憫」の語源は「憐憫」の言葉から来ています。「憐憫」は「憐」と「憫」に分けて読み、「憐」は上記で述べたように気の毒に思う気持ちを意味しますが元々の意味はまた違いました。

元々「憐」は隣人の気持ちという意味を持ち、「憫」は便りがなく悲しがるという意味を持っていたのです。この二つを合わせて同情やあわれむという意味が出来あがりました。そして「自己」という言葉と組み合わせることで「自分自身を可哀想と思う」意味の「自己憐憫」という四字熟語が生まれたのです。

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