化学物質の状態・構成・変化理科

二重結合ってどんな結合?科学館職員が5分でわかりやすく解説!

よぉ、桜木建二だ。今回のテーマは「二重結合(にじゅうけつごう)」キーワードは共有結合だ。

物質は原子同士が結びつくことでできている。原子の結びつきのうち、非共有元素同士が電子を共有する結合を共有結合といい、共有結合してできるのが皆もよく知っている分子だ。しかし同じ共有結合によってできた分子でも、酸素分子と水素分子ではその結合の仕方が異なっている。これは原子が持つ電子の数が大きく関わっているからで、共有する結合のペアの数で単結合、二重結合、三重結合に分類される。

そこで今回は二重結合について、その結合の特徴や代表的な物質を解説する。解説はいつかイギリスやアメリカでミュージアム巡りをしてみたいという化学系科学館職員、たかはしふみかだ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

たかはし ふみか

ライター/たかはし ふみか

高校は化学部、大学は工学部化学系出身のリケジョ。最近ビタミン摂取に余念のない科学館職員。

二重結合とは?単結合や三重結合との違いは?

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二重結合とはどんな結合なのでしょうか。コトバンクによると二重結合とは「多原子分子において、2個の原子が互いに2つの原子価(他の原子といくつの電子を共有できるのかという数)によって結合している」結合のことです。

原子は電子を共有することで分子を作ります。この時共有される、最外殻の電子を価電子と呼ぶのです。そしてこのように原子の間で電子を共有しあう結合のことを共有結合とよびます。共有結合は電子の共有する数によって単結合、二重結合又は三重結合となるので覚えておいてくださいね。

image by Study-Z編集部

分子は構造がわかるように構造式で表すことができます。構造式とは同じ種類の原子が同じ数だけ化合してできている物質(異性体)でも違いが分かるよう、その組み合わせが分かるようにした式のことです。そして結合の様子が分かるよう、結合の種類に合わせて原子を結びつけて書くこともできる化学式となっています。

では構造式を書くとき、二重結合はどのように表されるのでしょうか。二重結合は2本の線で表すことができます。また電子式では2個の点で表わされ、共有結合に係る電子のペア(電子対)を共有電子対というのです。付加反応しやすいというのが二重結合の特徴で、特にアルケンのような炭素-炭素二重結合は付加反応が起きやすくなっています。アルケンに水素を付加すると飽和化合物(アルカン)となるので覚えておきましょう。

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ここでアルケンの一種、エチレンを例に考えてみましょう。エチレンの化学式は CH2=CH2で、二重結合をひとつ持つ物質です。ここに水素を付加すると、エチレンはエタンCH3=CH3となります。ちなみにエチレンといえば無色で甘い香りのする気体で、エタンといえば可燃性の気体です。化学結合について学ぶ上で知っておきたい原子や結合についてはこちらの記事を参考にして下さいね。

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共有結合は握手をイメージすると理解しやすい。例えば水素分子は2つの水素原子がそれぞれ手を1本差し出し、握手している状態だ。二重結合は両手で握手だな。

分子を作るのは共有結合で、非金属元素同士が結合している。一方、金属結合するのは金属元素同士で、イオン結合は非金属元素と金属元素がする結合だ。共有結合は電子を共有しあうが金属結合では余った電子が原子の間を飛び回り、イオン結合は電子を失って陽イオンとなった原子と電子を得て陰イオンとなった原子がする化学結合だ。

この3つの化学結合の違いは混乱しやすいからよく覚えておくように。

単体の分子から見る二重結合

単体の分子から見る二重結合

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それでは水素分子、酸素分子、窒素分子を例に二重結合について解説していきます。

水素原子は電子を1つ持つ原子です。水素の最外殻はK殻で、K殻には2つの電子が入ります。そのため水素原子は1つずつ電子を出し合って水素分子を作るのです。

一方、酸素原子は8つの電子を持っています。そして酸素原子の電子の配置はK殻に2つ、最外殻であるL殻に6つです。L殻は8つの電子が入ると安定しますが、酸素原子のL殻には6つしか電子が入っていません。そのため、酸素は分子を作るときに2つずつ電子を出し合います。この時の結合が二重結合です。

さらに酸素よりも1つ電子の少ない窒素の場合、電子を3つずつ出し合って分子を作ります。この時にするのが三重結合です。

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単結合、二重結合、三重結合の違いは原子同士が共有する電子が何組かと言う事だ。水素は1つずつ出し合って1ペアの電子対を作る単結合、酸素は2つずつ出し合って2ペアの電子対作をる二重結合、そして窒素は3ずつ出し合って3ペアの電子対を作る三重結合なんだ。二重結合は単結合よりも原子同士の距離が短く、強い結合だ。

一歩踏み込む二重結合、混成軌道

元素は結する時に混成軌道を作ります。混成軌道とは、化学結合するときに作られる軌道のことです。単結合のみで構成され当た分子はsp3混成軌道、二重結合はsp2混成軌道、そして三重結合はsp混成軌道を作ります。

この混成軌道は大学で習う内容ですが、さらっと言葉だけでも覚えておくといいかもしれません。

二重結合の化合物

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それではここからは、二重結合を持つ物質を紹介していきます。

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たかはし ふみか