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「DNAは相補的な塩基が向かい合うような二本鎖として存在しているため、傷つきにくく安定している。DNAの複製がなぜ正確に行われるのかというと、二本鎖のほどけた部分に相補的な塩基が位置するように並ぶためだ。シャルガフの規則が成り立つのも、DNAが二本鎖として存在しているためであろう…」
DNAの安定性や、複製の仕組み、シャルガフの規則など、さまざまなDNAの特性がすべて矛盾なく説明できるのが二重らせん構造だったのです。

ワトソンとクリックは1953年にDNAの二重らせん構造を提唱し、1962年にはノーベル賞を受賞したんだ。
提唱者シャルガフ
シャルガフの規則を提唱したのは、その名称に名前の残るエルヴィン・シャルガフ(Erwin Chargaff)です。どんな人物だったのか、少しだけご紹介しましょう。
シャルガフがうまれたのは1905年。オーストラリア=ハンガリー帝国(現ウクライナ)のブコヴィナという地方に生まれました。第一次世界大戦が起きたころ、一家はウィーンへ移り住み、エルヴィン・シャルガフはウィーン大学に入学します。

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化学を学び、博士号も取得したシャルガフは、大学などで研究生活を送った後、1935年にアメリカ・ニューヨークへ移住。コロンビア大学では生化学分野の研究をしながら教鞭をとり、1970年から4年間は学科長も務めました。
シャルガフの規則を発見したのは、このコロンビア大学に在籍していた1950年ごろのことです。1952年にこの発見をワトソンとクリックに伝えたといわれています。シャルガフが自身の研究から見出したこの規則をワトソンとクリックに伝えていなければ、DNAの構造解明はもう少し遅れていたかもしれませんね。
シャルガフの規則を使いこなそう!
高校生がシャルガフの規則について知るのは、生物基礎という科目のなかでDNAについて勉強する単元です。シャルガフの規則を利用した簡単な計算問題などは、テストなどでもよく出題されます。
この規則の内容や、これが成り立つ仕組みをしっかりと確認しておきましょう。練習問題を解くほど、シャルガフの規則が便利なものだということが実感できてくると思いますよ。