理科生物細胞・生殖・遺伝

5分でわかる「シャルガフの規則」塩基の数が合うのは偶然?現役講師が解説!

塩基の相補性

DNAを構成しているのはヌクレオチドという分子です。DNAのヌクレオチドは糖(デオキシリボース)、リン酸、塩基からなります。基本的にDNAは二本のヌクレオチドの鎖が平行に並ぶようにしてくっついた二本鎖とよばれる状態で存在していますが、二本の鎖を結合させているのはそれぞれの鎖の塩基間にある水素結合です。

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US Department of EnergyDOE Human Genome project, パブリック・ドメイン, リンクによる

塩基はA、T、C、Gの4種類ですが、これらには「相補性」とよばれる関係があります。水素結合は、AとT、CとGの組み合わせで効率的に行われるのです。これは、塩基の分子間で見られる化学的な特性といえます。

つまり、一方のDNA鎖のある塩基がTだった場合、もう一方の鎖の同じ場所にはAが位置し、水素結合を形成しているのです。

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AとTの間では2つの水素結合が、CとGの間では3つの水素結合がつくられているんだ。DNAの複製をするときには、この水素結合をほどかなくてはならないんだ。

「Aの数=Tの数」「Cの数=Gの数」

一方の鎖にあるAの数の分だけ、もう一方のDNA鎖にはTがあります。反対に、一方の鎖にあるTの数の分だけ、もう一方のDNA鎖にAが存在することになりますね。すると、2本のDNA鎖全体で見たとき、Aの数とTの数は一緒になるしかなくなるのです。これは、CとGの間にも同じことが言えます。

image by Study-Z編集部

つまり、シャルガフの規則が見いだせるということは、「DNAが二本鎖であり、塩基には相補性がある」という証明に他ならないのです。

仮にDNAが1本鎖では、シャルガフの規則は成り立ちません。A、T、C、Gの数に偏りがあっても、もう一方のDNA鎖がなければ、その数がそのまま反映されてしまうからです。

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一本鎖のDNAについては、シャルガフの規則が成り立たない。これは、DNA中の塩基の数や存在配列を比較する問題で問われることのある知識だ。

「シャルガフの規則」から「DNAの構造解明」へ

前述の通り、『シャルガフの規則は「DNAが二本鎖であり、塩基には相補性がある」ことから成り立つ』のですが…歴史的な経緯を見ると、『シャルガフの規則が発見されたからこそ、DNAが二本鎖であるということが分かった』のです。

DNAが二重らせん構造(=二本鎖が、さらに”らせん状”になっている)ということを発見したのは、アメリカの科学者であるワトソンとクリック。彼らはX線で撮影されたDNAの結晶構造の写真を見て、DNAがらせん状になっていることを見出しました。それに加えてヒントになったのが、シャルガフの規則です。

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yu_onozuka