理科生物細胞・生殖・遺伝

5分でわかる「シャルガフの規則」塩基の数が合うのは偶然?現役講師が解説!

よぉ、桜木建二だ。この記事では「シャルガフの規則」というキーワードを解説していこう。

「シャルガフの規則」はDNAを構成する塩基の数についての重要な規則だ。それぞれの塩基数にみられるルールが興味深いところだな。この発見はのちのDNA研究に重大な影響を与えたので、丁寧に内容を理解したい。

大学で生物学を学び、現在は講師としても活動しているオノヅカユウに解説してもらおう。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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ライター/小野塚ユウ

生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。

「シャルガフの規則」とは?

シャルガフの規則(Chargaff’s rule)は、「DNAに含まれている塩基のうち、アデニン(A)とチミン(T)の数、シトシン(C)とグアニン(G)の数が等しくなっている」という規則です。

一例として、全部で50個の塩基(50個のヌクレオチド)からなる二本鎖DNAを考えましょう。これに含まれるAの個数が13個だったとすると、Tの個数はAと同じ13個、CとGの数は、残りの24個の塩基の半数ずつとなり、Cが12個、Gも12個となるのです。

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全体の塩基の数に加え、4種類の塩基のうちの1つでも存在している個数や割合が分かれば、他の塩基の数が分かるんだ。

なぜそうなるのかは、後ほど解説しましょう。先ほどの例をよく考えると、シャルガフの規則からは次のような規則も考えることができます。

「プリン塩基であるアデニン(A)とグアニン(G)の数の合計と、ピリミジン塩基であるチミン(T)とシトシン(C)の数の合計は等しくなる」

どうでしょうか?前述の例では、プリン塩基であるAとGの数を合わせると25個、ピリミジン塩基であるTとCの数を合わせると25個です。見事に、同じ数字になりましたね。これは、AとT、CとGの数が同じであれば、必然的な結果です。

image by iStockphoto

この規則は「塩基の数」について等しい数値がみられるというものなので、全塩基を100%としたうちの存在割合(存在率)としても同様のことが言えます。先の例でいえば、AとTの存在割合はそれぞれ26%、CとGの存在割合はそれぞれ24%。全部足し合わせれば100%となります。

なお、このシャルガフの規則は、「シャルガフの法則」や「シャルガフの経験則」などとよばれることもあるので覚えておきましょう。

なぜ「シャルガフの規則」は成り立つ?

では、なぜ「Aの数=Tの数」「Cの数=Gの数」という関係が見いだされるのでしょうか?一見不思議なように見えますが、実はこの関係、DNAの塩基に相補性があり、二本鎖になっていることを考えると、当たり前のことだとわかるのです。

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