
「齟齬」の使い方・例文
「齟齬」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.取引の内容をお互いに誤解して認識していたという齟齬が生じたため、相手側もこちら側も業務に支障が出てしまった。
2.仕事の取引先との打ち合わせの中で、こちら側の主張が誤って認識されてたようで事実と異なる情報が出回ってしまったので、齟齬があるという抗議の連絡をした。
3.子供の頃親友だった二人は、目上の人との会話の中で使う敬語やマナーに対する意見に相違がありずっと仲違いしていたが、両者とも大人になって確認してみると認識に齟齬が生じていたことが分かり、和解した。
「齟齬」は相手側にも自分側にも勘違いや誤解があったときなどの、お互いに非がある時に用いられます。正しい事実に対して自分だけが間違った認識をしていた場合、「齟齬がある」と主張するのは相手側に対して失礼に値するので、気を付けましょう。
「齟齬」は、ビジネス上においてお互いの認識のすれ違いや意見がかみ合わない場合に、丁寧に抗議を申し込むことが出来る言葉です。「意見がかみ合っていないのでもう一度打ち合わせをさせていただけませんか」というよりも、「齟齬が生じているようなのでもう一度打ち合わせをさせていただけませんか」という方が丁寧であることは一目瞭然ですね。「齟齬」をビジネス用語としてマスターして、丁寧な仕事に磨きをかけてみましょう。
「軋轢」
「軋轢」は個人同士の仲が悪い様子や、内輪で意見が揉める様子を表現する言葉です。「齟齬」は意見がすれ違うということだけを意味しましたが、「軋轢」は意見がすれ違ったり性格の不一致の結果その間柄が亀裂した状態のことも含みます。すなわち過程だけを指すのが「齟齬」、過程と結果を同時に表現するのが「軋轢」ということです。
同じ意見のすれ違いであったとしても、「齟齬」はそこから改善に向かうことが出来ますが、「軋轢」に関してはもう手遅れの状況ということになりますね。
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