この記事では「能ある鷹は爪を隠す」について解説する。

端的に言えば能ある鷹は爪を隠すの意味は「才能のある人は、それを見せつけない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「能ある鷹は爪を隠す」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/要

塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。

「能ある鷹は爪を隠す」の意味や語源・使い方まとめ

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「能ある鷹は爪を隠す」は、耳にする機会の多いことわざですね。それでも、正しく意味を知っている人は、あまり多くありません。今回は、「能ある鷹は爪を隠す」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「能ある鷹は爪を隠す」の意味は?

「能ある鷹は爪を隠す」には、次のような意味があります。

1.才能や実力のある者は、軽々しくそれを見せつけるようなことはしないというたとえ。

出典:故事ことわざ辞典「能ある鷹は爪を隠す」

「能ある鷹は爪を隠す」とは、才能や実力を持っている人は、それを軽々しく他人に見せつける事はしないという意味です。普段、態度に出していなくても、いざという時には本当の実力を発揮する人。能力や実力は、他人にアピールしたいという願望は誰にでもあるものです。それでも、自慢や見せつけをしないという例えがこのことわざには表れています。

また、「才能や実力は必要な時に見せる事が重要」という意味も込められているのです。一般的に知られている意味だけでなく、ことわざに込められた裏の意味にも注目してみると良いでしょう。

「能ある鷹は爪を隠す」の語源は?

次に「能ある鷹は爪を隠す」の語源を確認しておきましょう。ことわざにある通り、実際の鷹がモデルになっています。鳥にとって、獲物を獲る事は生きるために絶対必要な手段です。獲物を確実に捕らえるために、狩りをしていると相手にバレないよう爪を隠します。獲物を獲るために爪を隠すという知恵が、鷹にはあるのです。爪を隠して、相手が油断した隙に確実に獲物を仕留めます。

鷹については、昔のことわざ集「北条氏直時分諺留(ほうじょううじなおじぶんことわざとめ)」に記載がありました。鷹は、爪・鋭い目・獲物までのスピードが大切。しかし、本当に獲物を捕まえるために必要な「爪」を、隠しているのです。ことわざの通り、鷹は「いつもは実力を隠している鳥」ということですね。

「能ある鷹は爪を隠す」の使い方・例文

「能ある鷹は爪を隠す」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「能ある鷹は爪を隠す」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.彼は追い詰められた時ほど、実力を発揮する。まさに能ある鷹は爪を隠すだ。
2.能ある鷹は爪を隠すというが、能力をアピールしない人の方が好印象だな。
3.自慢のし過ぎはやめたら?「能ある鷹は爪を隠す」だよ。

「能ある鷹は爪を隠す」は、褒め言葉として用いられる事もあります。例えば、1つ目の例文は、いざという時の実力を評価している使い方です。また、「能ある鷹は爪を隠す」には、「本当の実力を普段は見せるべきではない」という意味もありましたね。その意味で用いると、2つ目の例文になります。本当の能力をアピールし過ぎない方が良く、そうする事で相手からは良い印象を持ってもらえるという事です。

さらに、3つ目の例文では、「能ある鷹は爪を隠す」ということわざを用いて、実力や能力をアピールする人に苦言を呈しています。あまり見せつけ過ぎず、実力を隠しておいた方が良いという事でしょう。

「能ある鷹は爪を隠す」の類義語は?違いは?

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「能ある鷹は爪を隠す」の類義語には、以下のようなものがあります。

・食い付く犬は吠え付かぬ
・上手の鷹が爪隠す
・大賢は愚なるが如し
・大賢は愚に近し
・大巧は巧術なし
・大巧は拙なるが若し
・大才は愚の如し
・大知は知ならず
・鳴かない猫は鼠捕る
・鼠捕る猫は爪隠す
・能ある猫は爪隠す
・深い川は静かに流れる
・猟する鷹は爪隠す

同じような意味を表すことわざが、たくさんあるのです。ここでは「深い川は静かに流れる」について見ていきましょう。

「深い川は静かに流れる」

「深い川は静かに流れる」は、次のような意味になります。

\次のページで「「能ある鷹は爪を隠す」の対義語は?」を解説!/

1.分別のある人や思慮深い人は、ゆったりとしていてやたらに騒がないというたとえ。
2.中身がある人は悠然としていて、出来ていない人ほど騒々しいものだということ。

出典:故事ことわざ辞典「深い川は静かに流れる」

水深が深い川ほど、水音を立てずに流れますね。一方、浅い川は水音を立てるので、深い川の方が静かなのです。そんな川の様子から、「深い川は静かに流れる」ということわざが生まれました。

これは、よく物事を考える人は、穏やかで騒ぐ事はないという意味です。一方で、人として出来ていない人ほど、騒がしいという事も表します。人の性格や言動について用いられる事が多いです。具体的には、「周りにどんな事を言われようと、彼女は深い川は静かに流れる如く、毅然とした態度だった。」というように使われます。

「能ある鷹は爪を隠す」の対義語は?

「能ある鷹は爪を隠す」の対義語には、以下のようなものがあります。

・空き樽は音が高い
・浅瀬に仇波
・鳴く猫は鼠を捕らぬ
・能無し犬の高吠え
・能無し犬は昼吠える
・能無しの口叩き
・光るほど鳴らぬ
・吠える犬は噛みつかぬ
・痩せ犬は吠える

類義語と同様に、対義語にも様々なものがあります。ここでは、「鳴く猫は鼠を捕らぬ」について見ていきましょう。

「鳴く猫は鼠を捕らぬ」

「鳴く猫は鼠を捕らぬ」の意味は、次のようになります。

1.おしゃべりな者は、口先だけで実行力がないことのたとえ。

出典:故事ことわざ辞典「鳴く猫は鼠を捕らぬ」

「鳴く猫は鼠を捕らぬ」は、『口では大きな事を言っていても、実力が伴っていない』という意味です。これは、よく鳴いている猫はあまりネズミを捕らない様子から生まれました。一方で、ネズミを捕る猫はあまり鳴かないという意味も持っています。

「能ある鷹は爪を隠す」は鷹がモデルですが、「鳴く猫は鼠を捕らぬ」は猫をモデルに逆の意味を表すことわざです。人の振る舞いや実力に対して、用いられます。ただ、「実力が伴わない」というマイナスな意味を含むので、使う相手に失礼にならないよう注意して使ってください。

「能ある鷹は爪を隠す」の英訳は?

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「能ある鷹は爪を隠す」を直訳できることわざは、英語にはありません。英語ならではのことわざがあるので、2つご紹介します。

「He who knows most, speaks least」

「He who knows most, speaks least」は、最も知っている人が、最も語らないという意味です。「能ある鷹は爪を隠す」と同じように、「実力を普段は隠している」というニュアンスで使われます。

外国の人は、日本人とは違って、何でも思ったことや感情を表現する事が多いです。そのため、何でも相手に伝える事を大切にしているというイメージを持っている人もいます。ただ、このことわざからわかるように、実力があっても多くを語らず、肝心な時に発揮するべきというのが世界で共通した認識なのです。

「Cats hide their claws.」

「Cats hide their claws.」は、能ある猫は爪を隠すという意味です。英語圏では、鷹ではなく猫がモデルになっています。

海外では、猫は身近にいる一般的な動物です。そのため、ことわざに親しみを持たせて日常的に使えるよう、猫が用いられています

「能ある鷹は爪を隠す」を使いこなそう

この記事では「能ある鷹は爪を隠す」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「能ある鷹は爪を隠す」は、「実力がある人ほど、普段その実力を隠している」という意味です。実力をアピールし過ぎるなという教訓でもあります。

海外では鷹ではなく、猫を用いたことわざに変わっていましたね。世界のことわざも調べてみると、各国の文化や習慣を知るきっかけになるかもしれませんね。

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国語言葉の意味

「能ある鷹は爪を隠す」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「能ある鷹は爪を隠す」について解説する。

端的に言えば能ある鷹は爪を隠すの意味は「才能のある人は、それを見せつけない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「能ある鷹は爪を隠す」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/要

塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。

「能ある鷹は爪を隠す」の意味や語源・使い方まとめ

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「能ある鷹は爪を隠す」は、耳にする機会の多いことわざですね。それでも、正しく意味を知っている人は、あまり多くありません。今回は、「能ある鷹は爪を隠す」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「能ある鷹は爪を隠す」の意味は?

「能ある鷹は爪を隠す」には、次のような意味があります。

1.才能や実力のある者は、軽々しくそれを見せつけるようなことはしないというたとえ。

出典:故事ことわざ辞典「能ある鷹は爪を隠す」

「能ある鷹は爪を隠す」とは、才能や実力を持っている人は、それを軽々しく他人に見せつける事はしないという意味です。普段、態度に出していなくても、いざという時には本当の実力を発揮する人。能力や実力は、他人にアピールしたいという願望は誰にでもあるものです。それでも、自慢や見せつけをしないという例えがこのことわざには表れています。

また、「才能や実力は必要な時に見せる事が重要」という意味も込められているのです。一般的に知られている意味だけでなく、ことわざに込められた裏の意味にも注目してみると良いでしょう。

「能ある鷹は爪を隠す」の語源は?

次に「能ある鷹は爪を隠す」の語源を確認しておきましょう。ことわざにある通り、実際の鷹がモデルになっています。鳥にとって、獲物を獲る事は生きるために絶対必要な手段です。獲物を確実に捕らえるために、狩りをしていると相手にバレないよう爪を隠します。獲物を獲るために爪を隠すという知恵が、鷹にはあるのです。爪を隠して、相手が油断した隙に確実に獲物を仕留めます。

鷹については、昔のことわざ集「北条氏直時分諺留(ほうじょううじなおじぶんことわざとめ)」に記載がありました。鷹は、爪・鋭い目・獲物までのスピードが大切。しかし、本当に獲物を捕まえるために必要な「爪」を、隠しているのです。ことわざの通り、鷹は「いつもは実力を隠している鳥」ということですね。

「能ある鷹は爪を隠す」の使い方・例文

「能ある鷹は爪を隠す」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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