体の仕組み・器官理科生物

3分で簡単「大脳の機能」大脳辺縁系や大脳基底核などについて医学系研究アシスタントがわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。「頭」の入る表現は日常生活でよく使われているな。「頭が切れる」、「頭に血が上る」、「頭を捻る」など、他にもたくさんあると思う。この「頭」は「脳」のことを指す。このように「頭」が入る慣用句が多いことからも、いかに私たちにとって生命維持や人として生きていくために頭、とりわけ脳が必要かわかるだろう。そこで今回は、脳の中でも様々な機能を担う大脳の機能について生物に詳しいライターmimosa(ミモザ)と一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/mimosa

もともと文系出身で、独学で生物学、生化学を勉強し、現在医学系研究所の研究アシスタントとして理系の世界へ飛び込んだ。理科が苦手な方へも興味を持ってもらうべくわかりやすい説明を心掛けている。

中枢神経系

image by iStockphoto

脊椎動物の中枢神経系は、脳と脊髄から成り立っています。今回は、その中で脳について説明してきますね。脳は、大脳、間脳、中脳、小脳、延髄の5つの部分に分かれていますよ。その中でも大脳はおよそ1300gあって、脳の大部分の質量や容積を占めますが、それ以外にも人たらしめる重要な働きを大脳は司っていますよ。次に大脳の構造について説明しますね。

機能局在論

解剖学的区分(肉眼)では、ヒトの大脳皮質は不規則なしわに覆われていて、大脳は同じ一塊のものに見えるので、神経内科医のコルビニアン・ブロードマンによって脳の地図ができる前までは大脳の部位、働きについて詳しくわかっていなかったのですよ。ブロードマンによって、大脳皮質は細胞構築の差により、1~52の番号を振って分けられています。大脳はこんなにも細かく分かれているのかと驚かされますね。ヒトの大脳皮質は機能局在は、中枢神経系の各部位が様々な領域に細分類され、それぞれ異なる働きを担っていること指しますよ。

大脳の構造と機能

大脳の構造と機能

image by Study-Z編集部

大脳あるいは終脳(大脳半球)は中枢神経系の一部であり、ヒトでは非常に発達した部分なのですよ。大脳は中枢神経系の大部分を占めていています。大脳は、大きく分けると、大脳皮質白質大脳基底核の3つの構造に分けられます。大脳皮質は表面の灰白質、白質は大脳皮質の下にある神経線維が集まったもの、大脳基底核は、大脳の中心部で間脳の周囲を囲むように神経細胞が集まっていますよ。

1.大脳皮質

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前脳で最も大きい大脳皮質は、左右2つの半球から成り立っています。左脳、右脳と言えばわかりやすいでしょうか。これらは脳梁によって接続されていますよ。大脳皮質は中心溝外側溝によって、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉に分けられます。前頭葉は記憶や思考、計画、意思決定など、頭頂葉は運動・感覚や記憶、言語など、そして後頭葉は主に視覚や色彩の認知に関与していますよ。また、中心溝も前部、後部と分けられて、前部の中心前回は運動野を、後部の中心後回は体性感覚野を含んでいます。前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の位置は、次の章の図2をご参照くださいね。

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大脳皮質と呼ばれる部分は、ヒトにおいて最も特に発達した領域だぞ。下等生物では小さく、ヒトのような高等生物は大きい傾向がある。ちなみに、大きさは、ヒトでは中脳と間脳を覆ってしまうほど大きいのだ。厚さはほんの2mmほどの皮質上組織で、灰白色で6層構造だ。

\次のページで「2.大脳基底核」を解説!/

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