
端的に言えば人を呪わば穴二つの意味は「人に悪事を働くと自分にも返ってくること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「人を呪わば穴二つ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル
某国立大で現代日本語学を専攻していた。穴といえば、若い頃にビリヤードがブームとなっていた世代。ナインボールではコンビネーションで早く9番を落としたいタイプだった。うまくいった試しはない。
「人を呪わば穴二つ」の意味は?
「人を呪わば穴二つ」には、次のような意味があります。
他人を呪って殺そうとすれば、自分もその報いで殺されることになるので、墓穴が二つ必要になる。人を陥れようとすれば自分にも悪いことが起こるというたとえ。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「人(ひと)を呪(のろ)わば穴(あな)二つ」
「人を呪わば穴二つ」(ひとをのろわばあなふたつ)とは、人を陥れようとすると自分自身にも災いが返ってくることの例えです。当然のことですが、やはり悪いことはできません。
辞書にも書いてありますが、この「穴二つ」とは墓穴のことです。つまり、陥れようとする他人ばかりでなく、自分も命を落とす羽目になるというとになります。恐ろしい意味がありますよね。
「人を呪わば穴二つ」の語源は?
次に「人を呪わば穴二つ」の語源を確認しておきましょう。墓穴を2つ用意する状況とは何か気になりますよね。
平安時代には、陰陽師(おんみょうじ)と呼ばれる人が活躍していました。加持祈祷(かじきとう)を専門としていて、占いや怨霊退散などを行う職業です。映画などでイメージをつかんでいる人は多いのではないでしょうか。陰陽師の仕事には、人を呪い殺すという物騒なものまでありました。その際に、陰陽師は呪い返されることも覚悟して、呪う相手の分と自分のものと合わせて2つの墓穴を用意したのです。仕事とはいえ人を殺めるわけですから、相当な覚悟が必要だったと考えられます。
呪いにはどんな種類があるの?丑の刻参りから陰陽道・黒魔術・呪い返しの方法などオカルト好きの筆者が解説 | Mistory[ミストリー]
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