
端的に言えば身も蓋もないの意味は「含みがないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は日本語学を中心とし、文学・語学を専門的に学んでいるライターのイオリを呼んです。一緒に「身も蓋もない」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/イオリ
日本語学を専門に学び、趣味は読書と小説執筆という日本語漬けの毎日を送るライター。日本語オタクとして言葉の意味や内容、その面白さを丁寧に解説していく。
「身も蓋もない」の意味は?
「身も蓋もない」には、次のような意味があります。
言葉が露骨すぎて、潤いも含みもない。にべもない。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「身も蓋もない」
文字からはあまり意味が想像できない言葉ですが、「身も蓋もない言い方」というような使われ方をしている場面は見たことのある人も多いのではないでしょうか。これは「みもふたもない」と読み、「言葉が露骨で含みがない」という意味を持った慣用句です。表現や言葉、言い方について使われる言葉で、含みのない言動に対して苦言を呈するようなニュアンスも持っています。 露骨過ぎると本質は突けるかもしれませんが、円滑なコミュニケーションのためには時として婉曲表現を用いたり含みを持たせたりすることも求められますよね。このことを指摘するような言葉であるため、どちらかと言えばネガティブな言葉に分類されるでしょう。
「身も蓋もない」の語源は?
次に「身も蓋もない」の語源を確認しておきましょう。 これは文字からそのまま考えると「身」と「蓋」が共にない、と言うことになります。まずこの「身」とは、何か物を入れる容器本体のことを指しているのです。そして「蓋」はそのまま容器に封をする「蓋(フタ)」のことを表しています。容器の本体も蓋も無いと容器に入れるべき中身を隠すことが全くできず、何もかも曝け出している状態になってしまいますよね。この様子から、「露骨すぎて含みがない、情緒がない」といった意味を表すようになったのです。
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