
端的に言えば、やぶさかではないの意味は「喜んでする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んです。一緒に「やぶさかではない」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/ヒマワリ
今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「やぶさかではない」についてわかりやすく丁寧に説明していく。
「やぶさかではない」の意味や語源・使い方まとめ

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「やぶさかではない」は良く耳にする言葉ですが、一方で意味を間違えて覚えている人も少なくないようです。使い方を誤ってしまうことが無いように、「やぶさかではない」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「やぶさかではない」の意味は?
まず初めに「やぶさかではない」の正確な意味を辞書からの引用で確かめてみましょう。
1.そうすることに努力をおしまない(何のためらいもない)の意を表す。
出典:新明解国語辞典(三省堂)「やぶさかでない」
2.…する努力を惜しまない。喜んで…する。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「…にやぶさかではない」
上記のように、「やぶさかではない」は、進んで何かをする、そのことをするのに努力を惜しまない、ということです。「やぶさか」は漢字で「吝か」と書き、ためらうことや、気が進まないことを意味しています。そして「やぶさかではない」と「吝か」を否定していますから、喜んでする、と言う意味になるのですね。とても、前向きな意味の言葉なのですが、実は、しぶしぶやること、やりたくないこと、などと意味を間違って覚えている人がとても多いそうです。全く反対の意味になってしまいますから、気をつけましょう。
「やぶさかではない」の語源は?
次に「やぶさかではない」の語源を確認しておきましょう。先ほど、「やぶさかではない」は「やぶさか」の否定形だと説明しました。この「やぶさか」と言う言葉の語源は古く、平安時代の「やふさがる」と言う言葉が由来であると考えられています。 「やふさがる」の意味は、「やぶさか」と同じく、物惜しみする、躊躇すると言うことです。そして、この言葉が後の鎌倉時代には「やふさか」と変化し、そのまた後に濁点がつけられて現在の「やぶさか」となったと推測されています。そして現在では、「やぶさかではない」と言う否定形をとり、惜しみなく努力する、喜んでやる、と言う意味になったのです。
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