この記事では「ベネフィット」について解説する。

端的に言えばベネフィットの意味は「利益」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「ベネフィット」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル

某国立大で現代日本語学を専攻。以前エッグベネディクトを「エッグベネフィット」と勘違いしていた。なのでパンケーキっぽいものではなく、養鶏業者が卵で何かもっと儲けることだと思っていた時期あり。

「ベネフィット」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ベネフィット」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ベネフィット」の意味は?

「ベネフィット」には、次のような意味があります。

利益。恩恵。また、慈善事業。「ベネフィットコンサート」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ベネフィット」

ベネフィット」は、利益恩恵という意味がある言葉です。会社や個人が得た利益などを指します。また、その利益を元手にして行うことができる援助慈善活動といった意味もあるのは見逃せません。慈善事業として行われる演奏会をベネフィットコンサートというのがその一例です。チャリティーコンサートとも言いますよね。

「ベネフィット」の語源は?

次に「ベネフィット」の語源を確認しておきましょう。

「ベネフィット」は、ラテン語の「benefactum」が語源です。「bene」が「良い」「factum」が「行為、事実」という意味となります。良い行いという意味がまず「慈善」となり、やがて良いことを行った見返りである「恩恵」が「ベネフィット」の意味として派生しました。その後会社や個人にとっての良い行いは儲けを出すことという考えから、「利益」も「ベネフィット」の意味となったのです。

\次のページで「「ベネフィット」の使い方・例文」を解説!/

「ベネフィット」の使い方・例文

「ベネフィット」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.このカーテンのベネフィットは、UVカットもできることです。
2.食後にこのカプセルを1錠飲むだけで、せきやくしゃみ、鼻水などを止めるベネフィットがある。
3.GO TOトラベルキャンペーンは、旅行会社や交通業界をはじめ旅館やホテルに土産物店などがベネフィットを得られるとの期待が寄せられ、満を持して開始された。

現代の日本で、「ベネフィット」という言葉が使われている分野は3つに大別されます。それぞれの使われ方を1つずつ例文にしました。

1はマーケティング分野です。この商品を買えばこんな利益がある、恩恵を受けるという意味となります。2は医薬品で、それを飲むなどして得られる効能やその安全性という意味です。

3の意味が国会でも登場しますので、ぜひ覚えましょう。公共事業を行った際、それが有効に機能しているかを表すときに「ベネフィット」が使われます。ベネフィット(便益)がコスト(予算)を上回れば、その公共事業は無駄ではなかったということです。公共事業は税金でまかなわれますが、もちろん税金を有効に使ってほしいですよね。よって現代ではそういった指標を厳しくチェックしており、「ベネフィット」は頻出の言葉となります。

「ベネフィット」の類義語は?違いは?

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では、「ベネフィット」の類義語は何でしょうか。違いも合わせて見ていきましょう。

「メリット」

メリット」にも、「利点」や「価値」という意味があります。「この仕事をすることでメリットが~」などと言いますよね。

しかし、特にマーケティングビジネスの世界では、「メリット」と「ベネフィット」を分けて考えなければなりません。枕を例にすると、寝るときに頭を乗せておくのが「メリット」、深い睡眠を得られるのが「ベネフィット」です。つまり、商品の特徴や機能が「メリット」使用することで得られる恩恵が「ベネフィット」となります。

顧客に満足してもらうためには、ただ商品の「メリット」を伝えるだけでは十分と言えません。「多方面での活用が可能」「会員限定特別割引が使える」「購入者特典サービスが利用できる」などといった「ベネフィット」があることを理解してもらい、顧客が納得したうえで商品を買ってもらう必要があるのです。

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「ベネフィット」の対義語は?

さらに、「ベネフィット」の対義語は何でしょうか。

「ロス」「マイナス」

「ベネフィット」が利益や恩恵だとすれば、その逆は簡単です。「ロス」は損失という意味ですし、「マイナス」も損失や損害の意味で使われます。

カタカナ語ばかりじゃイヤだという人もいるでしょうか。それでしたら、「損失」「損害」の他にも「損益」「無益」「欠損」「赤字」などがあります。

「ベネフィット」の英訳は?

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ところで、「ベネフィット」は英語でもベネフィットなのでしょうか。

「benefit」

「ベネフィット」はそもそも英語由来なので、英語でもそのまま「benefit」です。和製英語ではありません。

ただし、利潤や儲けという意味で「ベネフィット」という言葉を使うと、本来の「benefit」の意味から外れます。「benefit」はどちらかと言えば利便性や満足感を表しますので、金銭的な利益を示すのであれば「profit」(プロフィット)という言葉を用いた方がいいでしょう。

「ベネフィット」を使いこなそう

この記事では「ベネフィット」の意味・使い方・類語などを説明しました。

カタカナ語であふれている現代の日本ですが、今や「ベネフィット」を無視して生活できません。たとえば、通販サイトで欲しいものを探すときは、この商品の便利さや使いどころなど多くの「ベネフィット」があるのかを考えます。また、市町村長選挙で候補者が公約として発表した公共事業は、地方自治体の財政に見合う「ベネフィット」を得られるのかを有権者が判断しなければなりません。特に中高年の人には「ベネフィットなんて聞いたことなかった」なんて言われそうですが、むしろ中高年になってからが薬の「ベネフィット」を気にしなければいけないのです。

このように、「ベネフィット」は身近な言葉であると言えます。しっかりと言葉の意味を覚えて、日々「ベネフィット」に気を配りつつも、言葉としてもうまく使いましょう。

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国語言葉の意味

「ベネフィット」の意味や使い方は?例文や類語を雑学大好きwebライターがわかりやすく解説!

この記事では「ベネフィット」について解説する。

端的に言えばベネフィットの意味は「利益」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「ベネフィット」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル

某国立大で現代日本語学を専攻。以前エッグベネディクトを「エッグベネフィット」と勘違いしていた。なのでパンケーキっぽいものではなく、養鶏業者が卵で何かもっと儲けることだと思っていた時期あり。

「ベネフィット」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ベネフィット」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ベネフィット」の意味は?

「ベネフィット」には、次のような意味があります。

利益。恩恵。また、慈善事業。「ベネフィットコンサート」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ベネフィット」

ベネフィット」は、利益恩恵という意味がある言葉です。会社や個人が得た利益などを指します。また、その利益を元手にして行うことができる援助慈善活動といった意味もあるのは見逃せません。慈善事業として行われる演奏会をベネフィットコンサートというのがその一例です。チャリティーコンサートとも言いますよね。

「ベネフィット」の語源は?

次に「ベネフィット」の語源を確認しておきましょう。

「ベネフィット」は、ラテン語の「benefactum」が語源です。「bene」が「良い」「factum」が「行為、事実」という意味となります。良い行いという意味がまず「慈善」となり、やがて良いことを行った見返りである「恩恵」が「ベネフィット」の意味として派生しました。その後会社や個人にとっての良い行いは儲けを出すことという考えから、「利益」も「ベネフィット」の意味となったのです。

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