
その通り!生息場所によっては白変種の方が生存に有利にはたらくことがあるのです。
ホッキョクグマやホッキョクウサギは、生まれる個体のほとんどが白い個体であるため、わざわざ白変種とよぶことは少ないですが…毛を白くする遺伝子が発現して白くなる、という点では、白変種と同じ仕組みといえます。
雪の降らないような環境に住む動物でも白変種がうまれるのは、白変させる遺伝子が存在しているからです。この説明として「動物にとって白変が有利にはたらく可能性があるために、白変させる遺伝子も潜在的に脈々と受け継がれているのではないか」と考える研究者もいます。白変させる遺伝子がのこっていれば、急に氷河期が来た時にも、種が存続できるかもしれませんからね。
それが紛らわしいのですが…実は、アルビノと白変種は異なる仕組みでおきる、まったく別の現象なのです。
白変種≠アルビノ
白変種は前述の通り、正常な遺伝子のはたらきによって生じます。一方、アルビノはメラニンという色素をつくる遺伝子が突然変異によって機能しなくなることで起きるのです。からだのすべての組織でメラニンがみられないため、白い肌、白い毛になります。
白変種とアルビノの見分け方
一見同じような形質に見える白変種とアルビノですが、その違いがはっきりと表れるのが”眼”です。白変種の個体では、メラニンをつくる色素は正常に機能しているため、眼の瞳孔(瞳)はその色素の沈着により黒くなります。アルビノ個体ではメラニンがつくられません。すると、瞳孔部分の血管の色が見えるようになるため、赤っぽい眼になるのです。

image by iStockphoto
なお、ヒトでもアルビノの形質をもって生まれてくる人がいますが、必ずしも「眼が赤い」とは言い切れないようです。虹彩(いわゆる黒目)の部分は、灰色や青色系など様々であることが多いのだといいます。メラニン色素の量だけでなく、他の色素や光の散乱などの具合で虹彩の色は決まってくるので、単純に「アルビノ=赤目」と考えてしまうのには注意が必要かもしれませんね。
\次のページで「よく知られる白変種」を解説!/