

白変種の動物は、動物園や水族館、ときには野生下でもみることができる。「どんな仕組みで白変種がうまれるのか」や、「白変種とアルビノのちがい」などの気になる点を学んでいこうじゃないか。
大学で生物学を学び、現在は講師としても活動しているオノヅカユウに解説してもらうぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/小野塚ユウ
生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。
白変種とは?
白変種(はくへんしゅ)とは、からだの色素が少ないために、毛や羽、肌などが白色に近くなっている個体のことをさします。英語ではLeucism(リューシズム)。これはギリシャ語で「白」を意味する「leukos」からきている用語です。
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白変種が生じるしくみ
白変種になるかどうかを決めるのは、それぞれの個体がもつ遺伝子です。毛や羽、皮膚などを白くする遺伝子を親から受け継いだ子どもで、条件がそろうと白変種になります。
このような遺伝子は生物種によっていくつか存在するため、ひとつの遺伝子の話で説明できるものではありません。

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多くの場合、毛や羽、肌などを白くする遺伝子は劣性(潜性)形質であるため、両親から偶然その遺伝子をもらわないと、白変種にならないようです。白変種の数が決して多くないのはそのためでしょう。

白変種同士の子どもであれば、両親から白変の要因となる遺伝子を受け継いでいる可能性が高くなるな。
ただ、自然界において白い羽や毛をもった個体というのは、目立ちやすいことが多いのが実情です。野生の厳しい環境下では捕食者に真っ先に狙われてしまう対象になりがちなため、生き残るのが難しい形質とも考えられます。
その一方で、白変という形質が有利にはたらく環境もありますね。

雪や氷の上か。そういえば、北極にはホッキョクグマやホッキョクウサギなど、白い毛の動物がみられるな。