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フランクリンとウィルキンスって誰?DNAの構造解明に貢献した2人の科学者について現役講師が5分で解説!

優秀な女性科学者、フランクリン

ロザリンド・フランクリンは1920年にうまれたイギリスの物理学者です。男性の研究者が多い中にもかかわらず、女性であるフランクリンは大学をトップクラスで卒業するほどの優秀な科学者でした。

フランクリンが専門としていたのは、様々な物質の結晶にX線を照射し、その解析結果をもとに結晶の構造を予測する”X線結晶学”という分野です。

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MRC Laboratory of Molecular Biology – From the personal collection of Jenifer Glynn., CC 表示-継承 4.0, リンクによる

DNAの分子構造解析を研究テーマとしていたフランクリンはその腕を生かし、1953年に件の写真の撮影に成功しました。彼女は自力で研究成果をだそうとしていたのですが…。

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DNA構造の解明者はワトソンとクリックだとされているな。フランクリンの写真はなぜ彼らの手元に届いたんだ?

なんと、フランクリンが自身の成果として発表する前に、この大事な写真を”無断で”ワトソンとクリックに見せてしまった人物がいたのです。それが、フランクリンと同じ研究をしていたウィルキンスでした。

フランクリンの同僚、ウィルキンス

モーリス・ウィルキンスはフランクリンよりも少し年上の1916年生まれ。ニュージーランドで生を受けましたが、6歳のころにイギリスへわたりました。

ウィルキンスはもともと核物理学を専門とし、戦争時にはあのマンハッタン計画にも参加していた人物です。戦争が終わってからは研究を転向し、フランクリンらとともにX線によるDNAの解析を行っていました。

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オリジナルのアップロード者はドイツ語版ウィキペディアC. Goemansさん – de.wikipedia からコモンズに LeyoCommonsHelper を用いて移動されました。, パブリック・ドメイン, リンクによる

ウィルキンスとフランクリンの間柄は、決して良好ではなかったといいます。いろいろなすれ違いがあり、ほとんど険悪といってもよい関係だったようです。

そんな彼が、ワトソンとクリックにフランクリンの未発表の研究成果を見せたこと…この行為は後年、問題視されることとなります。

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User:Schutz. The stained glass was designed by Maria McClafferty and installed between 1992 and 1993. – 自ら撮影, CC 表示-継承 2.5, リンクによる

いずれにせよ、ワトソンとクリックはフランクリンの撮影した写真を見て、DNAがらせん構造をとっている分子であることをひらめき、分子構造のモデルを作成。自分たちの理論を補強したうえで、論文をまとめ上げ、発表しました。

4人の科学者のその後

ワトソンとクリック、そしてDNAの構造解明に貢献したウィルキンスは、1962年にノーベル生理学・医学賞を受賞します。

構造が解明されて以降、DNA研究や遺伝学の展開は日進月歩です。あっというまに、DNAの複製や、DNAからタンパク質が合成されるまでのしくみが解明され、それを応用して自由にDNAを増幅、合成することすら可能になりました。また、DNAの変化と遺伝や進化の関係も研究が進むなど、生物学の広い分野に多大な影響をもたらしたのです。

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yu_onozuka