この記事では「衣鉢を継ぐ」について解説する。

端的に言えば「衣鉢を継ぐ」の意味は「弟子が師匠から学問や芸術などを受け継ぐこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「衣鉢を継ぐ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「衣鉢を継ぐ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「衣鉢を継ぐ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「衣鉢を継ぐ」の意味は?

「衣鉢を継ぐ」には、次のような意味があります。辞書などで正確な内容を確認しましょう。

1.宗教・学問・芸術などの各流派で弟子が師から奥義を授けられる。また、先人の業績を受け継ぐ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「衣鉢を継ぐ」

「衣鉢を継ぐ」とは「学問・技芸などで師匠から奥義を授けられ後継者になること」の意。読み方は「いはつをつぐ」です。日常会話では目にする機会が少ない慣用句ではないでしょうか。

迫力満点の歌舞伎・思わず手に取りたくなるような美しい漆器・ベンベンと心に響く三味線。日本には古くから受け継がれてきた伝統文化が数多く存在します。今日、素敵な日本文化を味わえるのはものごとが途切れることなく師匠から弟子へ受け継がれてきたおかげですね。このように、「師匠から弟子へ大切に受け継がれる様子」を示した言葉が「衣鉢を継ぐ」なのです。

「衣鉢を継ぐ」の語源は?

次に「衣鉢を継ぐ」の語源を確認しておきましょう。「衣鉢」という言葉。初めて耳にするという方が多いのではないでしょうか。

「衣鉢」の「衣」は「仏教で僧が着る服・袈裟(けさ)」のこと。「鉢」は「僧が托鉢(たくはつ)という生活に最低限必要な食べ物を乞うときに使う入れ物」を指しますよ。

「弟子に奥義を授けても大丈夫だという実力を認めた証し」として「衣=袈裟」と「鉢=托鉢」を師匠が弟子に授けたことから派生して「衣鉢を継ぐ」という慣用句が誕生したと伝えられているのです。

\次のページで「「衣鉢を継ぐ」の使い方・例文」を解説!/

「衣鉢を継ぐ」の使い方・例文

「衣鉢を継ぐ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この用語は、たとえば以下のように用いられます。

1.父は地元で慕われる開業医だった。彼は亡き父の衣鉢を継ぎ、医者となり地元住民の健康を支えている。

2.お母さんは有名なパティシエでケーキ屋を営んでいる。娘は母の衣鉢を継ぐことができるように去年からフランスで修行をしている。

3.生け花の先生が亡くなられて3年が経った。先生の衣鉢を継ぐ人がおらず、お稽古はまだ再開されていない。

例文1は、「父の教えを継いで開業医となり地元住民の健康を支えている様子」が感じられるでしょう。素敵なこころざしを持つ息子ですね。例文2は、「母に認めてもらえるように日々修行に励んでいる場面」が浮かんでくるでしょうか。きっと、母の技術を受け継ぎ素晴らしいパティシエになるのでしょうね。例文3は、「先生の教えを受け継ぐことができると認められた人がいない様子」を示しています。後継者がいないという寂しさが感じられますね。

例文のように、「衣鉢を継ぐ」は「先生と生徒・親と子」のような信頼や愛情のある密接な関係で使われることが特徴ですよ。正しい使い方をマスターしましょう。

「衣鉢を継ぐ」の類義語は?

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「衣鉢を継ぐ」の類義語にはどのような言葉があるのでしょうか。一緒に確認しましょう。

「師資相承」

「衣鉢を継ぐ」の類義語には「師資相承(ししそうしょう)」が考えられるでしょう。「師資相承」とは「師から弟子へと法・道を伝えていくこと」を示す四字熟語です。「師資」の「師」とは「師匠と弟子」の意。「資」には「たすけをかりるもの=弟子」という意味がありますよ。「相承」は「学問・技芸・法などを伝える」を意味します。ここから、「師資」+「相承」=「師匠が弟子に法や教義を相次いで伝えること」となるのですね。

例文1は、「母からの教えを守り今は後継者を育てている様子」が伺えますね。例文2はきっと、日々の努力が報われたのでしょう。「師から認められ技術を受け継ぐことができるさま」を示しています。例文1.2のように「師資相承」は「衣鉢を継ぐ」と似た意味で使うことができるでしょう。途切れないように「伝える」・「受け継ぐ」。どちらも言葉にすると簡単ですが、ここには大変な努力が必要なのでしょう。

\次のページで「「衣鉢を継ぐ」の対義語は?」を解説!/

1.彼女は生け花の先生だ。彼女の師である母から師資相承された奥義を守り、今は弟子の育成に力を入れている。

2.彼は料亭で修行している。真面目な仕事ぶりが認められ、師匠から秘伝のレシピを師資相承された。

「衣鉢を継ぐ」の対義語は?

「衣鉢を継ぐ」は「奥義を師匠から弟子に伝える」でしたね。反対の意味では「続くことなく途切れる」という意味が考えられるでしょう。では、このような言葉を解説しますね。

「断絶」

「衣鉢を継ぐ」の対義語には「断絶(だんぜつ)」が考えられるでしょう。「断絶」とは「 続いてきたものごと・受け継がれてきたものが途絶えること」の意。「断」も「絶」も「たちきる・なくなる」という意味を示す漢字ですね。

ニュースなどで聞いたことのある言葉ではないでしょうか。「国交断絶」や「一家断絶」という表現でなじみがあるかもしれませんね。今まで長い間続いていた関係が途切れることや歴史あるものごとが引き継がれることなく終わってしまう様子を表現する言葉ですね。

「衣鉢を継ぐ」の英訳は?

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「衣鉢を継ぐ」は英語でどのように表現するのでしょうか。キーワードとなる単語を一緒に確認しましょう。

「take over」

「衣鉢を継ぐ」は「take over」を使って英訳できるでしょう。「take over」は「引き継ぐ」という意味を示す熟語ですね。「take」は「持っていく」という意味で馴染みがあるかもしれません。ここでは、「権利を取得する・相続する」の意。「over」は「他方に」を表しています。ここから、「相手に伝えられ引き継がれる」という意味合いを示していますよ。

使い方を例文で確認しましょう。例文1では、「take over」の後ろに「his project」を置いていますね。例文2では、「took over」の後ろに「the business」を置いています。例文1と2のように「take over」の後ろには「引き継ぐものごと」を置くことがポイント。また、例文2のように、誰から引き継いだのかを示すときは「from~」を使うと良いでしょう。ぜひ、参考にしてくださいね。

1. I will take over his project.
(私は彼のプロジェクトを引き継ぐつもりだ。)

2. I took over the business from my father.
(私は父から店を引き継いだ。)

\次のページで「「衣鉢を継ぐ」を使いこなそう」を解説!/

「衣鉢を継ぐ」を使いこなそう

この記事では「衣鉢を継ぐ」の意味・使い方・類語などを説明しました。あなたには身につけたい知識・学問・技術はあるでしょうか。「衣鉢を継ぎたい」。このような明確な目標を持って取り組むことでより早く・正確に技術や学問を身につけることができるのかもしれませんね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「衣鉢を継ぐ」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「衣鉢を継ぐ」について解説する。

端的に言えば「衣鉢を継ぐ」の意味は「弟子が師匠から学問や芸術などを受け継ぐこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「衣鉢を継ぐ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「衣鉢を継ぐ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「衣鉢を継ぐ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「衣鉢を継ぐ」の意味は?

「衣鉢を継ぐ」には、次のような意味があります。辞書などで正確な内容を確認しましょう。

1.宗教・学問・芸術などの各流派で弟子が師から奥義を授けられる。また、先人の業績を受け継ぐ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「衣鉢を継ぐ」

「衣鉢を継ぐ」とは「学問・技芸などで師匠から奥義を授けられ後継者になること」の意。読み方は「いはつをつぐ」です。日常会話では目にする機会が少ない慣用句ではないでしょうか。

迫力満点の歌舞伎・思わず手に取りたくなるような美しい漆器・ベンベンと心に響く三味線。日本には古くから受け継がれてきた伝統文化が数多く存在します。今日、素敵な日本文化を味わえるのはものごとが途切れることなく師匠から弟子へ受け継がれてきたおかげですね。このように、「師匠から弟子へ大切に受け継がれる様子」を示した言葉が「衣鉢を継ぐ」なのです。

「衣鉢を継ぐ」の語源は?

次に「衣鉢を継ぐ」の語源を確認しておきましょう。「衣鉢」という言葉。初めて耳にするという方が多いのではないでしょうか。

「衣鉢」の「衣」は「仏教で僧が着る服・袈裟(けさ)」のこと。「鉢」は「僧が托鉢(たくはつ)という生活に最低限必要な食べ物を乞うときに使う入れ物」を指しますよ。

「弟子に奥義を授けても大丈夫だという実力を認めた証し」として「衣=袈裟」と「鉢=托鉢」を師匠が弟子に授けたことから派生して「衣鉢を継ぐ」という慣用句が誕生したと伝えられているのです。

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