この記事では「口が重い」について解説する。

端的に言えば口が重いの意味は「口数が少ないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「口が重い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「口が重い」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「口が重い」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「くちがおもい」です。

「口が重い」の意味は?

「口が重い」には、次のような意味があります。まずは国語辞典で正確な意味をチェックしたあと、さらに詳しい意味まで見ていきましょう。

1.口数が少ない。寡黙である。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「口が重い」

「口が重い」は口数が少ないということですが、詳しい状況や内容について確認しおきましょう。状況としては、人数に関わらず相手と会話していたり、大勢の人前であるなど複数の人がいる場についてのことです。内容としては、会話の中で話す回数が少ないことや話をする言葉数が少ないということを表しています。

その理由としては、その人のもともとの性格や性質が影響していることもありますし、言いにくいことが話題となっている場合などもありますよ。

「口が重い」の語源は?

次に「口が重い」の語源を確認しておきましょう。「口が重い」の「口」は口で言うことや口ぶりのこと、「重い」には動作が軽快でないことという意味があり、そこから口数が少ないことやあまりしゃべらないことという意味合いにつながっています。

また、18世紀に書かれた上田秋成の『諸道聴耳世間猿(しょうどうききみみせけんざる)』という物語などにも登場しており、古くから使われている表現になっていますよ。

\次のページで「「口が重い」の使い方・例文」を解説!/

「口が重い」の使い方・例文

「口が重い」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼は口が重く営業には向かないという人もいたが、専門用語を駆使し情報通でもあるため研修期間で現在もっとも評価が高い営業マンとなっている。

2.売上高も経常利益も前年四半期の同期比を割り込んだ上、何百万円もの損失に転じる可能性も考えられる状況になっているため、社長が株主会議で口が重くなるのは当然だ。

3.会社の業績が悪いと皆の口が重くなるが、累計販売数が多い商品を割引して市場活性化を狙うなどできることをやっていくしかない。

いずれの例文も、状況などには違いがあるものの、口数が少ないようすを表している文になっています。例文1.では、性格的に口数が少ないという人が、仕事においてその他の能力や努力によってカバーして高い評価を得ているという文です。

例文の2は、会計や経理の面から見て状況が厳しい状況にあって、前年と比較しながら株主に状況を説明しなければならず、気が重くなっているようすが伝わります。最後の例文については、会社の苦境で意見が出ない状況にあり、少しでも業績を改善するためには実際にすぐにでもできることから手を付けようという内容です。

「口が重い」の類義語は?違いは?

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それでは、「口が重い」の類義語についての説明です。似た意味の慣用句やことわざについて、一緒に詳しく見ていきましょう。

「口が堅い」

「口が重い」の類義語には、「口が堅い(くちがかたい)」があります。意味は、言うべきでないことをむやみに他言しないことです。「口が堅い」の「堅い」は、うわついたところがなく信用がおけるということを表しています。

「口が堅い」は常に口数が少ないということではなく、言うべきでないことや秘密にしていることを軽々しく他に漏らさないという意味合いです。

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「言い渋る」

もう一つの類義語には、「言い渋る(いいしぶる)」があります。ためらってなかなか言わないという意味です。「渋る」のすらすらと事が運ばないということを表していることから、「言い渋る」でなめらかに言葉が出てこないという意味合いにつながっています。

「言い渋る」のほうも、いつも口数が少ないということではなく、口に出しにくい状況や事情がある場合に言葉がスムーズに出てこないということです。

「口が重い」の対義語は?

次に、「口が重い」の対義語についての説明です。口数が少ないという意味の反対を表す表現について、一緒に見ていきましょう。

「口が軽い」

「口が重い」の対義語には、「口が軽い(くちがかるい)」があります。意味は、物言いが軽率であることや多弁であることです。「軽い」の浮ついていることや軽率であるという意味から、言ってはいけないことを言ってしまうほどおしゃべりであること、また、よくしゃべるということにつながっています。

よくしゃべるという意味では「口が重い」の対義語として、物言いが軽率であるという意味では「口が堅い」の対義語として使うことができる表現です。

「口まめ」

もう一つの類義語には、「口まめ(くちまめ)」があります。口数が多いことのほか、よくしゃべっているようすや人という意味です。「口まめ」は漢字で「口忠実(くちまめ)」と書くことがあるように、「まめ」は「忠実」の勤勉であることや物ごとに励むという意味があります。

「彼は口まめな人だ」「よくもまあ口まめによくしゃべることだ。」など、文中では名詞や形容動詞として使うことができる表現です。

「口が重い」の英訳は?

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最後に、「口が重い」の英訳についての説明です。キーワードとなるような英単語や関連する表現を使って、「口が重い」の意味を表してみましょう。

「a man of few words」

「口が重い」の英訳には、「a man of few words」があります。直訳すると「ほとんどしゃべらない人」です。人を主語にして、「He is a man of few words.(彼は口が重い)」としてよく使われます。

その他、「taciturn」も口が重いという意味で使うことができますが、とくに、控えめで打ち解けにくいというニュアンスがある単語です。こちらも、人を主語にして「He is taciturn.(彼は無口だ)」として使うことができます。

\次のページで「「口が重い」を使いこなそう」を解説!/

「口が重い」を使いこなそう

今回の記事では「口が重い」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「口が重い」の基本の意味は、口数が少ないことや無口なことです。この意味には、性格的に口数が少ないということと状況や場面によって口数が少なくなっているということと大きく二つあります。どちらでも使う表現なので、場面に合わせて使うといいですね。

" /> 【慣用句】「口が重い」の意味や使い方は?例文や類語などを現役塾講師がわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「口が重い」の意味や使い方は?例文や類語などを現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「口が重い」について解説する。

端的に言えば口が重いの意味は「口数が少ないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「口が重い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「口が重い」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「口が重い」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「くちがおもい」です。

「口が重い」の意味は?

「口が重い」には、次のような意味があります。まずは国語辞典で正確な意味をチェックしたあと、さらに詳しい意味まで見ていきましょう。

1.口数が少ない。寡黙である。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「口が重い」

「口が重い」は口数が少ないということですが、詳しい状況や内容について確認しおきましょう。状況としては、人数に関わらず相手と会話していたり、大勢の人前であるなど複数の人がいる場についてのことです。内容としては、会話の中で話す回数が少ないことや話をする言葉数が少ないということを表しています。

その理由としては、その人のもともとの性格や性質が影響していることもありますし、言いにくいことが話題となっている場合などもありますよ。

「口が重い」の語源は?

次に「口が重い」の語源を確認しておきましょう。「口が重い」の「口」は口で言うことや口ぶりのこと、「重い」には動作が軽快でないことという意味があり、そこから口数が少ないことやあまりしゃべらないことという意味合いにつながっています。

また、18世紀に書かれた上田秋成の『諸道聴耳世間猿(しょうどうききみみせけんざる)』という物語などにも登場しており、古くから使われている表現になっていますよ。

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