
1.彼は文章を扱うタイプの仕事が性に合っていたようで、サイトやアプリの運営において責任ある役職を任されている。
2.友人からおすすめされた動画だったが、投稿者の雰囲気が性に合っていたので会員登録までしてスマホで常にチェックしてしまうようになった。
3.性に合う仕事を見つけるために様々な方法で情報収集しているが、なかなか簡単には条件に一致した仕事が見つからない。
1の例文は「性に合う」の最もスタンダードな使い方であると言えそうですね。冒頭にも例文として示しましたが、この慣用句は「仕事が性に合う」という文章で使われることが多い言葉なのです。ここでは「仕事の性質と自分の性質が合致している」というような意味になるでしょう。「性に合う」はポジティブで良い意味であるため、性質に合っており物事がうまく進むというような意味まで関連して表されることもあります。
2の例文も使い方で言うと1と同じです。「仕事が性に合う」という使い方が最も多くはありますが、その他の文言も自然に使うことが出来るため押さえておきましょう。
3の例文は「性に合う」を物事を表す単語の前につけて使用している例です。「性に合う仕事」「性に合う役職」などというようにも扱うことができますね。この「性に合う〇〇」ですが、どちらかというと大きいくくりのものが当てはまり、「性に合う漫画」「性に合う服」などとはあまり言わないため気を付けておきましょう。
「向いている」
「君は〇〇に向いているね」というような言い回しをすることが多いこの言葉ですが、意味は「適していること、似つかわしいこと」を表します。「性質や好みに適している」と言うことで、「性に合う」という慣用句とも類似していると言えそうです。
「性に合う」との違いとして、「向いている」は「向き不向き」というような派生もあり、「性に合う」よりもさらに総合的で自由な使い方ができるという点が挙げられますね。性質や好みだけでなく、漠然とした意味で「適している」と言うニュアンスが表せることもポイントです。
「うってつけ」
これは「物事がぴったりと当てはまること」を意味する慣用句です。実際の使用場面でいうと「君にうってつけの仕事だ」などというセリフが思い浮かぶ方もいるかもしれません。「性質や好みに合う」という「性に合う」の意味にも共通点が見出せそうですね。
一方相違点として、「性に合う」は性質に合っていて適切であるという意味をそのまま表しているようなニュアンスですが、「うってつけ」は性質に丁度ぴったりでおあつらえ向きだという喜ばしいニュアンスを含む慣用句です。意味自体は同じですが少しニュアンスが異なるため、この違いによってさまざまな場面で言葉を使い分けていきましょう。
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