この記事では「性に合う」について解説する。

端的に言えば性に合うの意味は「その人の性格に合うこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は日本語学を中心とし、文学・語学を専門的に学んでいるライターのイオリを呼んです。一緒に「性に合う」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/イオリ

日本語学を専門に学び、趣味は読書と小説執筆という日本語漬けの毎日を送るライター。日本語オタクとして言葉の意味や内容、その面白さを丁寧に解説していく。

「性に合う」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「性に合う」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「性に合う」の意味は?

「性に合う」には、次のような意味があります。

その人の性格や好みに合う。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「性に合う」

「この仕事は性に合っている」などという使い方で馴染み深いこの言葉、意味は「その人の性格や好みに合う」というものです。「性」という部分がキーワードで、「性格や好み」という意味を表していることがわかりますね。「性」という単語には「人が本来そなえている性質、気質」というような意味があるため、「性質に合う」というふうに考えるとよりわかりやすいかもしれません。

ちなみに「性に合う」と書くこの慣用句は、「しょうにあう」と読むのが正解です。「性」は「せい」とも読むことが出来るため、間違えてしまわないように気を付けておきたいですね。馴染み深い言葉ではありますが、意外と複雑な部分も持ち合わせているため、ここで改めて確認しておきましょう。

「性に合う」の使い方・例文

それでは「性に合う」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「性に合う」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.彼は文章を扱うタイプの仕事が性に合っていたようで、サイトやアプリの運営において責任ある役職を任されている。
2.友人からおすすめされた動画だったが、投稿者の雰囲気が性に合っていたので会員登録までしてスマホで常にチェックしてしまうようになった。
3.性に合う仕事を見つけるために様々な方法で情報収集しているが、なかなか簡単には条件に一致した仕事が見つからない。

1の例文は「性に合う」の最もスタンダードな使い方であると言えそうですね。冒頭にも例文として示しましたが、この慣用句は「仕事が性に合う」という文章で使われることが多い言葉なのです。ここでは「仕事の性質と自分の性質が合致している」というような意味になるでしょう。「性に合う」はポジティブで良い意味であるため、性質に合っており物事がうまく進むというような意味まで関連して表されることもあります。

2の例文も使い方で言うと1と同じです。「仕事が性に合う」という使い方が最も多くはありますが、その他の文言も自然に使うことが出来るため押さえておきましょう。

3の例文は「性に合う」を物事を表す単語の前につけて使用している例です。「性に合う仕事」「性に合う役職」などというようにも扱うことができますね。この「性に合う〇〇」ですが、どちらかというと大きいくくりのものが当てはまり、「性に合う漫画」「性に合う服」などとはあまり言わないため気を付けておきましょう。

「性に合う」の類義語は?違いは?

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では次に「性に合う」の類義語を確認していきましょう。意味は「その人の性格や好みに合う」でしたね。

「向いている」

「君は〇〇に向いているね」というような言い回しをすることが多いこの言葉ですが、意味は「適していること、似つかわしいこと」を表します。「性質や好みに適している」と言うことで、「性に合う」という慣用句とも類似していると言えそうです。

「性に合う」との違いとして、「向いている」は「向き不向き」というような派生もあり、「性に合う」よりもさらに総合的で自由な使い方ができるという点が挙げられますね。性質や好みだけでなく、漠然とした意味で「適している」と言うニュアンスが表せることもポイントです。

「うってつけ」

これは「物事がぴったりと当てはまること」を意味する慣用句です。実際の使用場面でいうと「君にうってつけの仕事だ」などというセリフが思い浮かぶ方もいるかもしれません。「性質や好みに合う」という「性に合う」の意味にも共通点が見出せそうですね。

一方相違点として、「性に合う」は性質に合っていて適切であるという意味をそのまま表しているようなニュアンスですが、「うってつけ」は性質に丁度ぴったりでおあつらえ向きだという喜ばしいニュアンスを含む慣用句です。意味自体は同じですが少しニュアンスが異なるため、この違いによってさまざまな場面で言葉を使い分けていきましょう。

\次のページで「「性に合う」の対義語は?」を解説!/

「性に合う」の対義語は?

類義語を確認したところで、次は「性に合う」の対義語を確認していきましょう。

「反りが合わない」

これは「そりがあわない」と読み、「考えや性質が一致せず協調出来ないこと」を表す慣用句です。「反り具合が異なる刀と鞘」が語源となっており、その様子を想像するとわかりやすいかもしれません。「性に合う」の「性質や好みが合う」とは全く異なる言葉だということがわかります。どちらも自分側の物事に関しても自分以外の物事に関しても使うことができる言葉ですね。

ただ注意しておきたい点としては、言葉の対象の違いが挙げられます。「反りが合わない」は「あの人とは反りが合わない」というように他人に対して使うことが多い慣用句ですが、「性に合う」は反対に「仕事が性に合う」と物事に対して使うことが多い慣用句です。意味がきっちりと対義語を表していてもその対象の違いなどで使う場面が異なってくることもあるため、気を付けておきましょう。

「性に合う」の英訳は?

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では最後に「性に合う」の英訳を確認しておきましょう。

「have a bent for」

「bent」は「方向、好み、性向」というような意味を持つ単語で、「have a bent for」で「~が性に合う」という意味を表すことができます。「性に合う」だけでなく「生まれつき〇〇が好きである」「気の向くままにする」という意味として使用することもできる英語表現であり、日本語より自由に扱えると言えそうです。

「性に合う」という単語の意味・ニュアンスもきっちりと押さえられているため、英訳としては使いやすいものですね。

「性に合う」を使いこなそう

この記事では「性に合う」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「性に合う」は「その人の性質や好みに合う」という意味を表し、「仕事が性に合う」という使い方をされることが多い慣用句でしたね。「しょうにあう」という読み方もきっちり確認しておきましょう。「向いている」「うってつけ」など細かくニュアンスが異なる類義語も数多くあるため、「性に合う」のみにこだわらず場面に合わせて適切なものを判断し、便利な使い分けを目指したいですね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「性に合う」の意味や使い方は?例文や類語を日本語オタクライターがわかりやすく解説!

この記事では「性に合う」について解説する。

端的に言えば性に合うの意味は「その人の性格に合うこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は日本語学を中心とし、文学・語学を専門的に学んでいるライターのイオリを呼んです。一緒に「性に合う」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/イオリ

日本語学を専門に学び、趣味は読書と小説執筆という日本語漬けの毎日を送るライター。日本語オタクとして言葉の意味や内容、その面白さを丁寧に解説していく。

「性に合う」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「性に合う」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「性に合う」の意味は?

「性に合う」には、次のような意味があります。

その人の性格や好みに合う。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「性に合う」

「この仕事は性に合っている」などという使い方で馴染み深いこの言葉、意味は「その人の性格や好みに合う」というものです。「性」という部分がキーワードで、「性格や好み」という意味を表していることがわかりますね。「性」という単語には「人が本来そなえている性質、気質」というような意味があるため、「性質に合う」というふうに考えるとよりわかりやすいかもしれません。

ちなみに「性に合う」と書くこの慣用句は、「しょうにあう」と読むのが正解です。「性」は「せい」とも読むことが出来るため、間違えてしまわないように気を付けておきたいですね。馴染み深い言葉ではありますが、意外と複雑な部分も持ち合わせているため、ここで改めて確認しておきましょう。

「性に合う」の使い方・例文

それでは「性に合う」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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