
端的に言えば世話が焼けるの意味は「手助けが必要で手数がかかること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は日本語学を中心とし、文学・語学を専門的に学んでいるライターのイオリを呼んです。一緒に「世話が焼ける」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/イオリ
日本語学を専門に学び、趣味は読書と小説執筆という日本語漬けの毎日を送るライター。日本語オタクとして言葉の意味や内容、その面白さを丁寧に解説していく。
「世話が焼ける」の意味は?
「世話が焼ける」には、次のような意味があります。
他人の手助けが必要で、手数がかかる。面倒である。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「世話が焼ける」
「面倒をみる」という意味を持つ「世話」ですが、「世話が焼ける」という慣用句になると「他人の手助けが必要で手数がかかる」という意味を表します。中でも「他人の手助け」という部分に「面倒をみる」のニュアンスがうかがえますね。
名詞として扱い、何かと他人の手助けをしたがる人のことを「世話焼き」と言い表すこともあります。同じ「世話」という単語を使った慣用句はその他いくつかあり、日常的にもかなり汎用性の高い言葉であると言えそうです。
「世話が焼ける」の語源は?
次に「世話が焼ける」の語源を確認しておきましょう。ここでは一度、「世話が焼ける」を「世話」と「焼ける」に分けて語源を見ていきたいと思います。
まず「世話」ですが、元々の古い意味は「世間でよく言われる言い草」でした。これが転じて「日常的なもの」という意味を持ち、江戸時代頃からは現在の「面倒をみる」という意味が生まれ始めたのです。そして「焼く」にはこれだけでも「あれこれと気を配る」という意味を持っており、これが「面倒をみる」という意味を持つ「世話」と組み合わさって「世話が焼ける」という慣用句が完成したのですね。この慣用句自体は江戸後期には使われており、かなり古い歴史も持っています。
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