理科生態系生物

5分でわかる「赤潮」どんな現象?現役講師が解説します!

よぉ、桜木建二だ。今回の記事では「赤潮」という現象について学習していこう。赤潮は、海や大きな湖の近くに住む人にとっては身近な現象だが、そうでなければあまり詳しく知らないかもしれない。環境に関する問題の一つとして、理科や生物の教科書で紹介されていることもあるから、どんなものか確認しておこう。大学で生物学を学び、現在は講師としても活動しているオノヅカユウに解説してもらおう。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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ライター/小野塚ユウ

生物学を中心に幅広く講義をする理系現役講師。大学時代の長い研究生活で得た知識をもとに日々奮闘中。「楽しくわかりやすい科学の授業」が目標。

赤潮とは

赤潮(あかしお)とは、ある種のプランクトンが異常発生することで、海などの色が変わったように見える現象をいいます。名前の通り赤っぽい色になることがよくありますが、プランクトンの種類によっては、オレンジ色っぽかったり、茶色っぽい色になることもあるんです。

海だけでなく、湖などの淡水でも赤潮が起きることがありますが(淡水赤潮)、今回は海でおきる赤潮に着目して学んでいきましょう。

image by Study-Z編集部

赤潮の原因になるプランクトンはいくつも知られています。なかでも、珪藻(けいそう)渦鞭毛藻(うずべんもうそう)といった藻類が有名です。藻類は光合成をするための色素をもっているため、その色が赤潮に反映されるんですね。

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顕微鏡でしか見えないような小さな微生物の存在が、海の色を変えてしまうんだな。ちなみに赤潮は、地域によっては、厄水(やくみず)や苦潮(にがしお)という別名でよばれることもある。いずれの名前にせよ、あまり良いイメージではなさそうだな。赤潮がおきるとよくないことがあるのだろうか?

赤潮の影響

赤潮の発生は、その海域の生物や人間の生活に悪影響を及ぼすことが多いのです。通常よりも数を増やしたプランクトンは、それぞれが酸素を必要とします。その海域の酸素量が急激に消費され、酸素濃度は低下。これにより、他の生物が酸欠状態となるのです。植物プランクトンのような微生物は日光の届く海面近くを好んで生息しますから、ガス交換も生じにくくなります。

また、プランクトンが魚のえらに詰まってしまうことで、物理的に魚が呼吸できず、死んでしまうことも。さらに、大量発生したプランクトンの種類によっては、毒素を放出するものもいます。貝などがこの毒素をため込み、その貝を人間が食べることでおなかを壊してしまうことがあるんです。

image by iStockphoto

魚をはじめとする海洋生物に大きな被害が出れば、漁業で生活をしている人にとっても大打撃です。養殖をしている海域などでの被害はより深刻になります。簡単に場所を動かすことができませんからね。

対策として、赤潮の発生が予想されるときには各地方自治体の研究所などから「赤潮警報」や「赤潮注意報」などの情報が発せられています。予想される赤潮の地点や期間、規模、プランクトンの種類などのデータが発表され、関係各所・水産関係者に注意が呼びかけられるんです。

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