「真に受ける」
もう一つの類義語には、「真に受ける(まにうける)」があります。相手の言葉通りに、本当であると信じて受け止めるという意味です。「真」は嘘や偽りでなく本当のことを表すので、それを受け入れるということから、言葉通りに信じるという意味につながっています。
「真に受ける」は幅広く使うことができる表現であり、「彼の自慢話を真に受けて聞いていたが、あとでかなり盛られた話であることがわかった」などとして使うことができますよ。
「一も二もなく」の対義語は?
次に、「一も二もなく」の対義語についての説明です。提示されたことに何も言わないということの反対の意味を表す慣用句について、一緒に見ていきましょう。
「待ったをかける」
「一も二もなく」の対義語には、「待ったをかける(まったをかける)」があります。意味は、物ごとの進行をとどめることです。もとは、将棋や碁で相手の手を待ってもらうことや相撲の立ち会いにおいて待ってもらうことを表しており、そこから一般的な表現に広がっています。
相手のアクションに対して、そのまま受け入れるのではなくストップをかけるという意味合いがあるので、ちょうど「一も二もなく」の反対の意味になっていますよ。
「切り返す」
もう一つの対義語には、「切り返す(きりかえす)」があります。議論などで、相手に対して素早くやり返すという意味です。もとの意味には、切りつけてきた相手に逆に切ってかかること、格闘技で相手に技をかけられたところに技をかけ返すことなどがあります。
言葉で相手にやり返すという意味では「一も二もなく」とは反対の意味になりますが、状況としては何かを提示されたわけではなく相手に追及などに対する反応という意味では少し違いがありますよ。
「一も二もなく」の英訳は?
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最後に、「一も二もなく」の英訳についての説明です。日本語と言語の違いはありますが、キーワードとなる英単語を使って似た意味を表す英語表現を見ていきましょう。
「without question」
「一も二もなく」の英訳には、「without question」があります。直訳すると「質問なく」ということで、「疑うことなく」という意味です。「question」は「質問」という意味が代表的ですが、「疑問、疑い」といった意味もあります。
その他、「readily」があり「快く、ちゅうちょなく」といった意味合いです。品詞は副詞なので、動詞に係る形で使う表現になっています。
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