この記事では「口裏を合わせる」について解説する。

端的に言えば口裏を合わせるの意味は「話の内容を示し合わせておくこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「口裏を合わせる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「口裏を合わせる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「口裏を合わせる(くちうらをあわせる)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「口裏を合わせる」の意味は?

「口裏を合わせる」には、次のような意味があります。

あらかじめ相談して話の内容が食い違わないようにする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「口裏を合わせる」

「口裏を合わせる」とは、事前に相談して話の内容を示し合わせておくこと。複数人での打ち合わせや会議といった場で、表向き矛盾が生じないようにするときに用いられる用語です。端的に「口裏合わせ(くちうらあわせ)」ということもあり、一般的な日常生活でもよく耳にする慣用句でしょう。

一般的には、利害関係が一致する者同士が事前に話を作り上げて根回しをする時に用います。陰でこっそり、というと嫌なイメージがあるかもしれませんが、時には相手のためを思って打ち合わせることもありえるでしょう。

そのため、「口裏を合わせる」という言葉自体には否定的な意味は含まれていません。文脈に応じてニュアンスは変わるので注意が必要です。

「口裏を合わせる」の語源は?

次に「口裏を合わせる」の由来を確認しておきましょう。

まず「口裏(くちうら)」とは、言葉や話し方の裏に隠されたもののこと。その人の心中がわかるような話し方や言葉そのものを指すこともあります。「口裏を合わせる」は、これを察して合わせておくことから生まれた言葉です。この「口裏」という言葉は本来「口占(くちうら)」と書き、人の言葉を聞いて吉凶を占うことを意味します。表向きの言葉から裏にある本心を察するという様子の「口占」。これが“言葉の裏側=口裏”と派生し、「口裏」と書かれるようになったのが、「口裏」の語源です。

なお、鎌倉中期から後期の軍事物語である『源平盛衰記(げんぺいじょうすいき)』には、「源氏追討の宣命(せんみょう)に、源繁昌の口占ありとぞ私語(ささや)きける」という一節で「口占」が用いられています。

\次のページで「「口裏を合わせる」の使い方・例文」を解説!/

「口裏を合わせる」の使い方・例文

「口裏を合わせる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.口裏を合わせる時間を与えるわけにはいかないと、容疑者の取り調べは即座に行われた。
2.あまりにもスムーズな取引の様子に、まるで口裏を合わせたのではないかと疑いを持ってしまった。
3.夜の外出について口裏を合わせていたことがバレて、兄弟ふたりとも大変怒られたそうだ。
4.口ぶりからして何か知っているのは明白なのに、何も知らないと言い続けている。口裏を合わせたに違いない。
5.診断の結果、父ががんだと判明した。正直に告知をすべきか、ただの胃潰瘍だと伝えるか。どちらにせよ家族全員で口裏を合わせる必要があるだろう。
6.彼女の性格を考えると、知らない方が気にせずに済むだろう。そう判断して僕らは口裏を合わせることにした。

「口裏を合わせる」とは、矛盾がないようにあらかじめ相談して内容を打ち合わせておくこと。そのため、会話や会議など複数人でやり取りを行う場で用いられます。例文1や3のように悪いことというイメージで用いることも多いですが、相手を思った結果として例文5や6のようにも使用可能です。

秘密にしておくと言う点でネガティブな印象を与えることもありますが、「口裏を合わせる」こと自体は悪いものという意味はなく、行為を示す言葉でしかありません。文脈や状況に応じて、その言葉のニュアンスは確認しておくといいでしょう。現在では、日常会話としてもビジネスでも多く使われる言葉のひとつです。

「口裏を合わせる」の類義語は?違いは?

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ここでは「口裏を合わせる」の類義語について解説していきます。

「根回しをする」

「根回しをする(ねまわしをする)」とは、“交渉や会議などの場でうまく進めるために、事前に手を打っておくこと”です。「根回し(ねまわし)」とは本来木を移植するときの準備のこと。あらかじめ周囲を掘って、一部切り落とした根を発達させておく様子から、転じて交渉の場でも用いるようになりました。

複数人とのやり取りの際、あらかじめ関係者に伝えておくという行為が「口裏を合わせる」と似ており、類義語のひとつです。

「根回しをする」は、比較的交渉において必要なスキルとも言われ肯定的にも使われます。言葉の使い方とニュアンスもおさえておくようにしましょう。

\次のページで「「口を揃える」」を解説!/

「口を揃える」

「口を揃える(くちをそろえる)」とは、“皆が各々同じことを言う”こと。多くの人が同じような意見をあげる場面などで用いられます。

「口裏を合わせる」場合、皆が同じようなことを言うことも多いでしょう。そういった意味では類義語表現のひとつと言えます。

ただし「口裏を合わせる」のように、示し合わせた事実はありません。さらに「口裏を合わせる」ときも、揃って同じことを言うとは限らないものです。あくまで「口裏を合わせ」たところ、結果的に似た状況を指すことがあるのが「口を揃えた」という慣用句。厳密には同じ意味ではないので、使い分ける時には注意してくださいね。

「口裏を合わせる」の英訳は?

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最後に「口裏を合わせる」の英語訳を確認していきましょう。

「coordinate one's story」

「coordinate one's story」とは、“話を合わせておく”こと。「coordinate」“調和する”という意味の単語で、「one's story」“~の話に”という意味になります。

事前に話をすり合わせる、という意味のため「口裏を合わせる」を英語で表現したい時にはこの言い回しでも充分伝わるでしょう。

「口裏を合わせる」を使いこなそう

この記事では「口裏を合わせる」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「口裏を合わせる」は今でも一般的にもビジネスでもよく聞く言葉です。状況に応じて「口裏を合わせる」必要に迫られたことがある人も多いでしょう。

耳にすることが多い、一般的な言葉として、意味や語源は正確に覚えておくのがおすすめです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「口裏を合わせる」の意味や使い方は?例文や類語を元広告会社勤務ライターがわかりやすく解説!

この記事では「口裏を合わせる」について解説する。

端的に言えば口裏を合わせるの意味は「話の内容を示し合わせておくこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んです。一緒に「口裏を合わせる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/Hata

以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。

「口裏を合わせる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「口裏を合わせる(くちうらをあわせる)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「口裏を合わせる」の意味は?

「口裏を合わせる」には、次のような意味があります。

あらかじめ相談して話の内容が食い違わないようにする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「口裏を合わせる」

「口裏を合わせる」とは、事前に相談して話の内容を示し合わせておくこと。複数人での打ち合わせや会議といった場で、表向き矛盾が生じないようにするときに用いられる用語です。端的に「口裏合わせ(くちうらあわせ)」ということもあり、一般的な日常生活でもよく耳にする慣用句でしょう。

一般的には、利害関係が一致する者同士が事前に話を作り上げて根回しをする時に用います。陰でこっそり、というと嫌なイメージがあるかもしれませんが、時には相手のためを思って打ち合わせることもありえるでしょう。

そのため、「口裏を合わせる」という言葉自体には否定的な意味は含まれていません。文脈に応じてニュアンスは変わるので注意が必要です。

「口裏を合わせる」の語源は?

次に「口裏を合わせる」の由来を確認しておきましょう。

まず「口裏(くちうら)」とは、言葉や話し方の裏に隠されたもののこと。その人の心中がわかるような話し方や言葉そのものを指すこともあります。「口裏を合わせる」は、これを察して合わせておくことから生まれた言葉です。この「口裏」という言葉は本来「口占(くちうら)」と書き、人の言葉を聞いて吉凶を占うことを意味します。表向きの言葉から裏にある本心を察するという様子の「口占」。これが“言葉の裏側=口裏”と派生し、「口裏」と書かれるようになったのが、「口裏」の語源です。

なお、鎌倉中期から後期の軍事物語である『源平盛衰記(げんぺいじょうすいき)』には、「源氏追討の宣命(せんみょう)に、源繁昌の口占ありとぞ私語(ささや)きける」という一節で「口占」が用いられています。

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