この記事では「睨みを利かせる」について解説する。

端的に言えば「睨みを利かせる」の意味は「相手に勝手なことをさせないようにおさえつける」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「睨みを利かせる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「睨みを利かせる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「睨みを利かせる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「睨みを利かせる」の意味は?

「睨みを利かせる」には、次のような意味があります。辞典などで正確な内容を確認しましょう。

1.他の者に勝手なことをさせないように押さえつける。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「睨みを利かせる」

「睨みを利かせる(にらみをきかせる)」とは「自由な行動をさせないように相手を威圧する」の意。あなたが睨まれている場面を想像してみましょう。目は口ほどにものをいうといいますが、鋭い視線を感じると背筋がゾックとして恐怖感を感じますよね。誰かに怒られる・説教をされるよりも威圧感を感じるかもしれませんね。

このように、睨みを利かせるとは「鋭い目つきで相手をおさえつけるさま」を表しています。ポイントは主語。「社長・政治家・先生・上司のような強い立場の人」を主語にして使うことが多いでしょう。また、「先生と生徒・上司と部下・親と子ども」などのよう密接な関係で用いられる慣用句ですね。

「睨みを利かせる」の語源は?

次に「睨みを利かせる」の語源を確認しておきましょう。「睨み」とは、「他人を恐れさせおさえつけること・威圧」の意。「利かせる」は「十分効き目があるようにする・効果を発揮する」のことです。この2つの言葉が組み合わさると「相手に恐怖感を与え、おさえつけるという効果を発揮する」=「睨みを利かせる」を表すでしょう。

睨みを利かせる人は良い意味で「リーダーシップのある・頼りになる存在」なのかもしれませんね。あなたの会社や学校には信頼でき、頼りがいのある素敵なリーダーはいるでしょうか。きっと、リーダーの行動から学ぶことはたくさんあるでしょう。

\次のページで「「睨みを利かせる」の使い方・例文」を解説!/

「睨みを利かせる」の使い方・例文

「睨みを利かせる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この用語は、たとえば以下のように用いられます。

1.野球部では厳しい先生が睨みを利かせているため、部員は練習熱心でマナーも良いことで有名だ。

2.今年の新入社員はとても真面目で社長からの評価も高い。ベテラン社員が睨みを利かせているのだ。

3.彼はいつも仕事が終わるとまっすぐ家に帰る。彼の奥さんが睨みを利かせているのだ。

例文1では、「先生が生徒に対して自分勝手な行動をしたり、ルールを破るようなことはさせないように指導している」というイメージが湧きますでしょうか。普段はやんちゃな部員がいるのかもしれませんが、先生がいると生徒たちはみんな真面目に練習に取り組んでいるのでしょう。例文2は、「上司が部下を束ねている様子」が伺えますね。もしかしたら少し強面な上司なのかもしれません。

例文3は、浮気の経験があるのでしょうか。「奥さんの旦那さんに対する威圧感」が感じられますね。例文1や2のように「先生と生徒・上司と部下」。このように、「上の立場の人が睨みを利かせる場面」で多く使われる慣用句なのです。正しい使い方をマスターしてくださいね。

「睨みを利かせる」の類義語は?

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「睨みを利かせる」の類義語にはどのような表現があるのでしょうか。関連する言葉を一緒にチェックしましょう。

「睥睨」

「睨みを利かせる」の類義語には「睥睨」が考えられるでしょう。読み方は「へいげい」です。「睥睨」とは「にらみつけて威圧すること・横目でじろりと睨む」の意。とても難しい漢字ですよね。なかなか目にする機会が少ない言葉ではないでしょうか。

「睥(へい)」とは「体をかがめて覗き込む・横目で睨む」の意味。「睨(げい)」は「子どものような目つきで下から睨む」ことを指しています。ここから、「睥睨」とは「睨みを利かせる」と同じく「鋭い視線で威圧感を与え相手を心理的におさえつける様子」を示しているのですね。

使い方は例文で確認しましょう。例文1は、「警備員が目を光らせている」という場面をイメージできますね。例文2では、「先生の力で学校が静かになった」という「睨みを利かせると同じ意味」で用いられていますね。難しい言葉ですが、部首は目へん。目に関連が深い漢字だと想像がつくでしょう。部首から言葉の意味を考えてみてもよいかもしれませんね。

\次のページで「「睨みを利かせる」の対義語は?」を解説!/

1.先週デパートに強盗が入ったため、警備員が怪しい人に睥睨をきかせている。

2.生活指導の先生が廊下を歩き睥睨していたので、うるさかった校内はしーんと静まりかえった。

「睨みを利かせる」の対義語は?

「睨みを利かせる」は「相手を威圧しおさえつけること」でしたね。反対の意味では「相手を無理に従わせるのではなく、話を穏やかに進め相手を納得させること」が考えられるでしょう。では、このような語句を解説しますね。

「懐柔」

「睨みを利かせる」の対義語には「懐柔」が考えられるでしょう。読み方は「かいじゅう」です。「懐柔」とは「上手に話をもちかけ相手を手なずけること」の意。「睨みを利かせる」は「相手を威圧する」という意味が含まれてましたね。一方、「懐柔」は「力を使って無理に従わせるのではなく、相手を納得させることでこちらの味方につける」ことを示しています。「相手の同意が含まれている点」で対義語と言えるでしょう。

例文1や2のように「懐柔策」という形で多く使われることがポイントですよ。日常会話で登場することは少ない言葉ですが、これを機会にあなたの辞書に加えて下さいね。

1.彼は以前のように対立するのではなく、懐柔策をとった。 

2.彼女は計画を遂行するため、いろいろな懐柔策を考えている。

「睨みを利かせる」の英訳は?

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「睨みを利かせる」は英語でどのように表現するのでしょうか。キーワードとなる単語を一緒に確認しましょう。

「 have authority over ~」

「睨みを利かせる」は「have authority over ~」を使って英訳できるでしょう。「have」は「持つ」という意味でおなじみですね。「authority」は「権威・権力」の意。「over」は「~の方へ・~に対して」を示しています。直訳すると「~に対して権力を持っている」ですね。ここから「睨みを利かせる」=「相手に対して権力を誇示し思い通りにさせる」と英訳できるでしょう。

例文1は、「over」の後ろに the studentsを置き「生徒に対して睨みを利かせている場面」を表しています。このように,「over」の後ろに「睨みを利かせる相手を置くこと」がポイントですね。英訳する際は、文章の中でどのような順番で英単語を用いるのかを意識してみると良いかもしれませんね。

\次のページで「「睨みを利かせる」を使いこなそう」を解説!/

1.The teacher had authority over the students.
(先生が生徒に睨みを利かせた。)

「睨みを利かせる」を使いこなそう

この記事では「睨みを利かせる」の意味・使い方・類語などを説明しました。「睨みを利かせる」は「キリっとした鋭い目つきで相手を威嚇しおさえつける」という意味でしたね。目は口ほどに物言うというように、目は人間の感情を豊かに表現する重要な役割を果たしているのでしょう。歌舞伎の表現である「にらみ」や「にらみ返し」という古典落語の演目。このように「睨む」という言葉は日本の伝統文化で使われている表現なのです。伝統文化で使われるほど、人々の心に響く大切な表現なのでしょう。

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国語言葉の意味

【慣用句】「睨みを利かせる」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「睨みを利かせる」について解説する。

端的に言えば「睨みを利かせる」の意味は「相手に勝手なことをさせないようにおさえつける」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「睨みを利かせる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「睨みを利かせる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「睨みを利かせる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「睨みを利かせる」の意味は?

「睨みを利かせる」には、次のような意味があります。辞典などで正確な内容を確認しましょう。

1.他の者に勝手なことをさせないように押さえつける。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「睨みを利かせる」

「睨みを利かせる(にらみをきかせる)」とは「自由な行動をさせないように相手を威圧する」の意。あなたが睨まれている場面を想像してみましょう。目は口ほどにものをいうといいますが、鋭い視線を感じると背筋がゾックとして恐怖感を感じますよね。誰かに怒られる・説教をされるよりも威圧感を感じるかもしれませんね。

このように、睨みを利かせるとは「鋭い目つきで相手をおさえつけるさま」を表しています。ポイントは主語。「社長・政治家・先生・上司のような強い立場の人」を主語にして使うことが多いでしょう。また、「先生と生徒・上司と部下・親と子ども」などのよう密接な関係で用いられる慣用句ですね。

「睨みを利かせる」の語源は?

次に「睨みを利かせる」の語源を確認しておきましょう。「睨み」とは、「他人を恐れさせおさえつけること・威圧」の意。「利かせる」は「十分効き目があるようにする・効果を発揮する」のことです。この2つの言葉が組み合わさると「相手に恐怖感を与え、おさえつけるという効果を発揮する」=「睨みを利かせる」を表すでしょう。

睨みを利かせる人は良い意味で「リーダーシップのある・頼りになる存在」なのかもしれませんね。あなたの会社や学校には信頼でき、頼りがいのある素敵なリーダーはいるでしょうか。きっと、リーダーの行動から学ぶことはたくさんあるでしょう。

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