
「ビッグバン」とはどんな現象?地球科学専攻卒が5分でわかりやすく解説
ビッグバンはRPGで技の名前になっていたり、漫画や映画でもよく登場する単語だから聞いたことがある人も多いんじゃないか?しかし、ビッグバンがどのようなイベントかしっかり理解している人は少ないでしょう。ビッグバンとは簡単に説明すると宇宙が始まるきっかけとなった爆発のことなんです。宇宙空間では地球上の物理学ではとうてい説明できないような壮大で難しい理論が成り立っているからこそ、ビッグバンのような特殊なイベントが発生したわけです。
今回はビッグバンについて、地学に詳しいライターオリビンと一緒に解説していきます。
ライター/オリビン
大学院では地球科学を専攻にしていた地学大好き人間。当時は天体観測サークルに入っており毎日のように望遠鏡で星を観察していた。宇宙のことも地球のこともよく知っている。
ビッグバンとは

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宇宙ができる前、超高密度で超高温状態だったようです。その高温高密の状態が大きく膨張することによってだんだんと低温低密度になり、今の状態になったといいます。このときの爆発的な膨張がビッグバンです。爆発的な膨張と簡単に書きましたが、ビッグバンは私達の知っている爆発よりも遥かに大規模で猛烈だったと言われています。ビッグバンが起こったのは今から約138億年前です。138億年の間、宇宙は絶えず膨張していて人類は未だに宇宙の果にたどり着いていません。このことからも宇宙の膨張がいかに大規模なものなのかが想像できますよね。
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ビッグバン理論とトンネル効果

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さて、宇宙の始まりはビッグバンという膨張現象であるとお話してきましたが、どのようにしてビッグバンが証明されたのでしょうか?
ビッグバンによる膨張現象を遡っていくと、遡れば遡るほど空間は1点へ集中していきます。その1点は体積的にはゼロです。その中に無限大のエネルギーが存在するなんて、物理法則を超えていますよね。その矛盾を解決したのがイギリスの物理学者であるスティーブン・ホーキング博士とウクライナの天文学者・物理学者のヴァレンキンです。ヴァレンキンは宇宙はなにもない無から始まったと仮説を立てました。この無を証明するために考え出されたのがトンネル効果です。
トンネル効果とは

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例えば高い山を越えようと思ったとき、その山を超えるための体力など何かしらのエネルギーが必要になります。絶対登らないといけない山があったとき、自分の体力が尽きていると山を登れません。しかし、ここでトンネル効果を使うと山を登れてしまうのです。登れるというより山を突き抜けて向こう側へ行けるようになります。これをトンネル効果といって、量子などのミクロの世界ではよく起こっている現象です。
ビッグバンから現代までの変遷

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ここではビッグバンが起こってから現在までにどのようなイベントが起こったのか簡単に説明します。
ビッグバンが起こる前の初期宇宙は想像以上の高密度で高温という、高いエネルギー状態にありました。ここでビッグバンが起こり宇宙の膨張が始まるわけです。ビッグバンから10^-35秒後(0.00…0が34個続いてから1)にインフレーションと呼ばれる膨張が引き起こされました。そしてビッグバンから30万年が経過したとき、宇宙の温度は数千度まで低下したのです。このとき初めて原子が誕生し、電子の存在のおかげで光が自由に宇宙空間を進むことができるようになりました。膨張が継続されることで宇宙の密度は下がりますが物質が形成されることで重力が生まれ、だんだんと宇宙は不均質になります。
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