
「悪女の深情け」の対義語は?
次に「悪女の深情け」の対義語を見ていきましょう。
「美女舌を破る」
ここでは、「悪女の深情け」の反対語として中国から伝わったことわざをご紹介しましょう。「美女舌を破る」(びじょしたをやぶる)です。
「悪女」が「容姿が劣っている女性」であるのに対して、「きれいな女性」は「美人」や「美女」と言われますよね。「悪女」は「美人」と同じことをしても迷惑がられることもありますが、「美人」は逆に「必要以上に相手から興味や愛情を受けやすい」場合も少なくありません。
歴史を見ても国家の君主や王が美しい女性に入れ込んでしまい、それまでは忠臣(ちゅうしん)のアドバイスを聞いて安定的な政治を行ってきた君主が愛した女性の言うことを盲目的に信じてしまい国家が滅んでしまったという逸話もあるのです。
「美女舌を破る」は、「美人に入れ込みすぎて家来の適切なアドバイスを聞き入れなく状態のこと」をいうのですね。
「悪女の深情け」の英訳は?

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「悪女の深情け」は、「醜い女性の方が情けが深いため、かえってありがた迷惑である」という意味でしたのでここでは「ありがた迷惑」を英語訳するとどのような表現になるのかをご紹介しましょう。
「unwelcome favor」
「ありがた迷惑」は、英語では、「unwelcome favor」になりますね。
「unwelcome favor」の「unwelcome」(`ʌnwélkəm)とは「うれしくない」「ありがたくない」と言う意味で「welcome」(wélkəm)の反対語です。「favor」(ˈfāvər)は「好意」や「偏愛」と意味ですから、「unwelcome favor」で「ありがた迷惑」と表現できるのですね。
和英辞典で調べてみると「悪女の深情け」は「cloying affections of an ugly woman」と出てきてます。「cloying」(ˈklɔɪɪŋ)は、「鼻につく」という形容詞で「affections」(ʌˈfɛkʃʌnz)は、「愛情」という意味の名詞ですから「cloying affections of an ugly woman」で「醜い女性の鼻につく愛情」になるのです。
しかし、「ありがた迷惑」の方が使う機会が多いと思いますので、「unwelcome favor」の方を覚えておいた方がよいのではないでしょうか?
「悪女の深情け」を使いこなそう
この記事では「悪女の深情け」の意味や類義語、反対語、使い方を見てきました。「悪女」という言葉には、「心のよくない女」と「みにくい女」のふたつの意味がありましたが、「悪女の深情け」という場合には「みにくい女」という意味で使わるのでしたね。
容姿のために異性に話しかけられたりする機会が少なかったりする「悪女」ですが、そのために不器用に振舞ってしまう点や相手に尽くしてしまうあたりが人としての可愛らしさを感じるのですが、みなさんはどう思いますか?