この記事では「悪女の深情け」について解説する。

端的に言えば悪女の深情けの意味は「器量のよくない女性ほど情が深く迷惑がられる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好きで歴史好き、名古屋出身で6年間のライター経験を持つeastflowerを呼んです。一緒に「悪女の深情け」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/eastflower

今回の記事を担当するのは語学好きで英語、中国語が得意な6年目のライター、eastflower。「悪女の深情け」の言葉の起源やどんな場面で使えるのかをわかりやすく解説していく。

「悪女の深情け」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「悪女の深情け」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「悪女の深情け」の意味は?

まずは、「悪女の深情け」(あくじょのふかなさけ)の辞書の意味を見ていきましょう。また、「悪女の深情け」の中の「悪女」と「深情け」の単独の意味もご紹介したいと思います。

【悪女の深情け】
1. 醜い女のほうが美人に比べて情けが深いということ。また、ありがた迷惑のたとえ。
出典:大辞林 第三版(三省堂)「悪女の深情け」

【悪女】
1. 心のよくない女。毒婦。
2. みにくい女。醜女。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「悪女」

【深情け】
1. 異性に対する情愛の度が過ぎること。また、その情愛。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「深情け」

国語辞典で説明されている通り、「悪女」と言った場合には、「毒婦(どくふ)のような心のよくない女性」と「みにくい女」のふたつの意味がありますが、「悪女の深情け」ということわざが使われる場合には、「悪女」は「醜(みにく)い女性」と意味で使われるのです。

「悪女の深情け」の語源は?

「悪女の深情け」は誰がいつ頃から使い始めたのかはわかりませんが、昔から醜い女性の方が性格的に情愛が深く嫉妬(しっと)深いという人間観察をした結果の統計値、経験値だったのかもしれませんね。


不器量な女性は、自分の容姿にあまり自信が持てず、なかなか異性に話しかけられず、いつしかコミュニケーションの点で不器用になってしまったものの、いったん仲良くなった相手が見つかると必要以上に大きな愛情を注いでしまう気質の人がいたのでしょう。

\次のページで「「悪女の深情け」の使い方・例文」を解説!/

「悪女の深情け」の使い方・例文

「悪女の深情け」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.  彼女、普段の仕事はあっさり系だけど、恋愛になると結構貪欲(どんよく)で、ロックオンした男性には毎日メールを欠かさないそうだよ。ルックスに自信がない分、努力で恋愛をカバーするタイプだね。「悪女の深情け」と言われるとおり、時間が経つと男の方が重く感じて、うっとうしいと言われることもあると彼女、嘆いていたよ。

2.「悪女の深情け」はよく使われる言葉で不美人は嫉妬心が強いというけど、俺は偏見だと思うな。美人の中にも嫉妬心の強い人は多いし、見た目に自信のない女性の方が不器用で控え目で謙虚な性格の人も多いのじゃないかな?

例文では男性にとっては、重苦しくなる「悪女の深情け」の例と、嫉妬心を持つのは「悪女」だけでないことを例にしました。

「悪女の深情け」の類義語は?違いは?

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それでは、「悪女の深情け」の類義語を見ていきましょう。

「ありがた迷惑」

「悪女の深情け」は、「器量の良くない女性の方が情けが深く、ときにうっとうしいし、気持ちが重すぎる」と言う意味ですから、言い換えると「ありがた迷惑」になりますね。「ありがた迷惑」は「好意を示してくれるのはありがたいことだが実際は迷惑であること」、「相手がしてくれた好意をかえって迷惑に感じること」という意味になるのです。

ただ、「悪女の深情け」が器量に自信のない人の行動パターンを示す場合が多いのに対して、「ありがた迷惑」は異性との関係に限らず、誰からしてもらったことでも迷惑に感じる場合のすべてに使える言葉になります。

\次のページで「「悪女の深情け」の対義語は?」を解説!/

「悪女の深情け」の対義語は?

次に「悪女の深情け」の対義語を見ていきましょう。

「美女舌を破る」

ここでは、「悪女の深情け」の反対語として中国から伝わったことわざをご紹介しましょう。「美女舌を破る」(びじょしたをやぶる)です。

「悪女」が「容姿が劣っている女性」であるのに対して、「きれいな女性」は「美人」や「美女」と言われますよね。「悪女」は「美人」と同じことをしても迷惑がられることもありますが、「美人」は逆に「必要以上に相手から興味や愛情を受けやすい」場合も少なくありません。

歴史を見ても国家の君主や王が美しい女性に入れ込んでしまい、それまでは忠臣(ちゅうしん)のアドバイスを聞いて安定的な政治を行ってきた君主が愛した女性の言うことを盲目的に信じてしまい国家が滅んでしまったという逸話もあるのです。
「美女舌を破る」は、「美人に入れ込みすぎて家来の適切なアドバイスを聞き入れなく状態のこと」をいうのですね。

「悪女の深情け」の英訳は?

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「悪女の深情け」は、「醜い女性の方が情けが深いため、かえってありがた迷惑である」という意味でしたのでここでは「ありがた迷惑」を英語訳するとどのような表現になるのかをご紹介しましょう。

「unwelcome favor」

「ありがた迷惑」は、英語では、「unwelcome favor」になりますね。
「unwelcome favor」の「unwelcome」(`ʌnwélkəm)とは「うれしくない」「ありがたくない」と言う意味で「welcome」(wélkəm)の反対語です。「favor」(ˈfāvər)「好意」や「偏愛」と意味ですから、「unwelcome favor」で「ありがた迷惑」と表現できるのですね。

和英辞典で調べてみると「悪女の深情け」は「cloying affections of an ugly woman」と出てきてます。「cloying」(ˈklɔɪɪŋ)は、「鼻につく」という形容詞で「affections」(ʌˈfɛkʃʌnz)は、「愛情」という意味の名詞ですからcloying affections of an ugly woman」で「醜い女性の鼻につく愛情」になるのです。
しかし、「ありがた迷惑」の方が使う機会が多いと思いますので、「unwelcome favor」の方を覚えておいた方がよいのではないでしょうか?

「悪女の深情け」を使いこなそう

この記事では「悪女の深情け」の意味や類義語、反対語、使い方を見てきました。「悪女」という言葉には、「心のよくない女」と「みにくい女」のふたつの意味がありましたが、「悪女の深情け」という場合には「みにくい女」という意味で使わるのでしたね。

容姿のために異性に話しかけられたりする機会が少なかったりする「悪女」ですが、そのために不器用に振舞ってしまう点や相手に尽くしてしまうあたりが人としての可愛らしさを感じるのですが、みなさんはどう思いますか?

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【慣用句】「悪女の深情け」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「悪女の深情け」について解説する。

端的に言えば悪女の深情けの意味は「器量のよくない女性ほど情が深く迷惑がられる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好きで歴史好き、名古屋出身で6年間のライター経験を持つeastflowerを呼んです。一緒に「悪女の深情け」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/eastflower

今回の記事を担当するのは語学好きで英語、中国語が得意な6年目のライター、eastflower。「悪女の深情け」の言葉の起源やどんな場面で使えるのかをわかりやすく解説していく。

「悪女の深情け」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「悪女の深情け」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「悪女の深情け」の意味は?

まずは、「悪女の深情け」(あくじょのふかなさけ)の辞書の意味を見ていきましょう。また、「悪女の深情け」の中の「悪女」と「深情け」の単独の意味もご紹介したいと思います。

【悪女の深情け】
1. 醜い女のほうが美人に比べて情けが深いということ。また、ありがた迷惑のたとえ。
出典:大辞林 第三版(三省堂)「悪女の深情け」

【悪女】
1. 心のよくない女。毒婦。
2. みにくい女。醜女。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「悪女」

【深情け】
1. 異性に対する情愛の度が過ぎること。また、その情愛。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「深情け」

国語辞典で説明されている通り、「悪女」と言った場合には、「毒婦(どくふ)のような心のよくない女性」と「みにくい女」のふたつの意味がありますが、「悪女の深情け」ということわざが使われる場合には、「悪女」は「醜(みにく)い女性」と意味で使われるのです。

「悪女の深情け」の語源は?

「悪女の深情け」は誰がいつ頃から使い始めたのかはわかりませんが、昔から醜い女性の方が性格的に情愛が深く嫉妬(しっと)深いという人間観察をした結果の統計値、経験値だったのかもしれませんね。


不器量な女性は、自分の容姿にあまり自信が持てず、なかなか異性に話しかけられず、いつしかコミュニケーションの点で不器用になってしまったものの、いったん仲良くなった相手が見つかると必要以上に大きな愛情を注いでしまう気質の人がいたのでしょう。

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