3分で簡単物理吸着!ファンデルワールス力との関係?理系学生ライターがわかりやすく解説!
物理吸着とは、吸着と呼ばれる現象の一つです。吸着とは、ある物質が吸着材と呼ばれる特定の固体にくっつく現象のことです。物理吸着の特性を活かした技術としては、浄水処理や脱臭剤などが挙げられる。これらは、現代の生活を支える重要な技術です。今回は、物理吸着の理論を、具体例を交えてながら解説するつもりです。ぜひこの機会に、物理吸着についての理解を深めてくれ。
化学に詳しいライター通りすがりのペンギン船長と一緒に解説していきます。
ライター/通りすがりのペンギン船長
現役理系大学生。環境工学、エネルギー工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。資源材料学、環境化学工学、バイオマスエネルギーなども勉強中。
1.物理吸着について学ぼう!
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この記事のメインテーマは、物理吸着です。吸着というのは、物体の界面において他の部分よりも濃度が大きくなる現象のことを指します。簡単に言えば、界面に物質が引き寄せられるということです。吸着には様々なメカニズムがあり、それによって分類されます。物理吸着も、吸着の種類の一つです。
今回は、最初に物理吸着のメカニズムについて学びます。その後に、物理吸着と深い関連性をもつ現象について解説しますね。最後には、物理吸着を用いた身近な技術である活性炭による水の浄化と脱臭について述べます。それでは早速、物理吸着のメカニズムを説明していきますね。
見慣れない用語や単語が登場することもあるかと思いますが、その場合は意味をしっかりと確認して、頭に入れるように意識してください。
1-1物理吸着とは?
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物理吸着とは、吸着質が吸着材との間に作用するファンデルワールス力(分子間力)によって、吸着材表面に吸着質が濃縮されて、くっつく現象のことを指します。ここで、吸着質は汚れなどのことを指していますよ。吸着質は気体、液体、固体粒子のいずれでも構いません。一方、吸着材は固体である必要がありますよ。
物理吸着は比較的力の弱いファンデルワールス力によって生じるため、加熱や減圧といった操作によって、簡単に吸着質が吸着材から離れてしまいます。これは、物理吸着のメリットでもあり、デメリットでもありますよ。
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