
端的に言えばアルファでありオメガであるの意味は「始まりから終わりまで」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「アルファでありオメガである」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル
某国立大で現代日本語学を専攻。小学生の頃は星座に興味があったので、ギリシア神話はあまり知らなかったが、「おおいぬ座のアルファ星はシリウス」くらいは覚えていた。今は星空を見上げることがほぼない。
「アルファでありオメガである」の意味は?
「アルファでありオメガである」には、次のような意味があります。
《新約聖書「ヨハネの黙示録」から》最初にして最後であること。全部。すべて。「アルファでありオメガである」とも。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「アルファにしてオメガ」
「アルファでありオメガである」という形では掲載がありませんでした。しかし、「アルファにしてオメガ」も同じ意味なので、そちらを掲げておきます。
ようするに「最初から最後まで全部」という意味です。アルファベットなら「AからZまで」とすべきものを、ギリシャ文字の最初と最後である「α(アルファ)」と「ω(オメガ)」で表現しています。
「アルファでありオメガである」の語源は?
次に「アルファでありオメガである」の語源を確認しておきましょう。すでに辞書の中でふれられていますが、あらためて簡単に説明します。
「ヨハネの黙示録」は、新約聖書の最後に収められている文書です。世界の終末と再臨したイエス・キリストによる最後の審判、そしてその後の世界について記されています。むしろ映画で見覚えのある人も多いのではないでしょうか。その中で、主の言葉として「わたしはアルファでありオメガである」という文言が3箇所で登場し、うち2回は「最初であり、最後である」という言葉が続いています。
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