
3.生命は宇宙からやってきた

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最後に、もう1つの生命の起源として考えられているのが「パンスペルミア説」です。これは生命の起源は宇宙から来たという仮説であり、長く議論がされています。
今わかっている事実として、37億年前の地層にはすでに生命の痕跡があったと話しましたね。採掘された結晶中に存在した管状の微小な構造物が生物由来の化石であるとわかったのです。地球が46億年前に誕生したといわれる中、初期の地球の地層が見つかっただけでも大発見ですが、そこに生命の痕跡があったというのは奇跡に近いでしょう。しかし残念ながらこれ以前の生物の手掛かりは見つかっていません。さらに、地球の長い歴史の中で比較的早い段階で、無機物から有機物、そして生命体へと進化できるものなのか、という疑問が残ります。そこで「他の天体や宇宙空間で発生した微生物の素(微生物そのものやアミノ酸、糖などの有機物)が隕石等によって地球にやってきたのではないか」という説が考えられました。これが生命の起源は宇宙にあるというパンスペルミア説です。
しかし、いずれにしても「宇宙から来たそれらはどうやって生まれた?」「それなら地球以外にももっと生命体の存在する星があってもいいのでは」「そもそも生命体が生まれるのに地球誕生後数年というのは短いのか、十分なのか」などの疑問は残ります。真相が判明するにはまだまだ時間がかかりそうですね。
生命の誕生は奇跡の連続
生命の起源については長年議論されているテーマです。これには大きく分けて3つの説があり、(1)神が想像した、(2)長い年月をかけて進化を重ねた、(3)生命体は宇宙からやってきた、といわれています。広大な宇宙の中、現時点で生命が見つかっている星はまだありません。それにも関わらず、地球上では多種多様な生物が繁栄しています。これは地球が生物にとって住みよい環境であることも理由の1つでしょう。現在は化学進化説が支持されているとはいえ、もしパンスペルミア説が本当であれば、地球と同じように他の星にとっても隕石が生物誕生のきっかけになっているかもしれませんね。今はまだ見つかっていないだけで、地球と同じように生命に満ちた星がどこかにあるかもしれない。そう想像するだけでも楽しいと思いませんか?
画像引用:いらすとや