「抜き差しならぬ」の使い方・例文
では、「抜き差しならぬ」の使い方を、実際の例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.今日の総会で会社の経営がすでに抜き差しならぬ状態と知り、株主たちは緊迫した表情だった。
2.試合は膠着状態が続いており、抜き差しならぬ雰囲気に、観客は大人も子供も固唾を飲んでいる。
3.あの代議士とあなたの上司は、抜き差しならぬ関係だという噂だ。
「抜き差しならぬ」は、このように「抜き差しならぬ状態」「抜き差しならぬ雰囲気」「抜き差しならぬ関係」などど言葉が続く事が多いです。1、2の例文は、ここまで見てきたように「どうにもならない」と言う意味で使われており、切迫した状況を表現していますね。ところが、例文3のように「抜き差しならぬ関係」や「抜き差しならぬ仲」と人間関係を指して言う場合は意味合いが変わってきますので注意が必要です。この場合の「抜き差しならぬ」は、何かしら後ろ暗い繋がりがある、と言う意味になります。これは、癒着などの不適切な関係を指す言い方ですから、使い方を間違えないようにしてください。
「のっぴきならない」
記事の最初「抜き差しならぬ」の意味を辞書から引用しましたが、「のっぴきならない」と言うことだとありましたね。「のっぴきならない」とは漢字で「退っ引きならない」と書きます。もとは「退き引き」と言う言葉ですが、口語表現で「のっぴき」と言うようになりました。漢字の通り「のっぴきならない」とは、退くことも引くこともできない、つまり、どうにも身動きがとれないと言う意味です。ただし、「抜き差しならぬ」と違う点もあり、どうしてもやらなければならないと言う意味で使われることもあります。
では、「のっぴきならない」の使い方も、実際の例文で確かめてみましょう。
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