この記事では「青筋を立てる」について解説する。

端的に言えば「青筋を立てる」の意味は「激怒する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役学生ライターのタビビトを呼んです。一緒に「青筋を立てる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タビビト

現役の文学部学生ライター。学生生活の中で数多くの芸術関係の執筆を行い、小学生の頃から多種多様な書籍を読破してきた生粋の文科系。読書量に比例する文章力で慣用句を分かりやすく説明していく。

「青筋を立てる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「青筋を立てる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「青筋を立てる」の意味は?

「青筋を立てる」には、次のような意味があります。

顔面に静脈が浮き出るほど、ひどく怒ったり、興奮したりする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「青筋を立てる」

「青筋を立てる」とは「あおすじをたてる」と読み、ひどく怒って興奮したり癇癪を起したりすることを表現する言葉です。「怒る」という感情を表現する言葉は非常に多くの種類がありますが、「青筋を立てる」は静脈が浮き出るほど怒ったり興奮したりする様子を指すということなので、「怒る」という感情の中でも特に気性が激しい様子を表現していることが分かりますね。

しかし「怒る」という表情を想像するとき、大抵の人は血が上って顔が赤くなるということを想像するのではないでしょうか?ここではなぜ「赤」ではなく「青」という色が登場するのか、次の語源の紹介で明らかにしていきましょう。

「青筋を立てる」の語源は?

次に「青筋を立てる」の語源を確認しておきましょう。

自分が激しく怒ったり逆に怒っている人の顔を見たときに、顔がみるみる赤くなっていく様子を体感したり見たことがありますか?肌の色が白い人などは赤みがより分かりやすいですよね。人が激しい運動をしたり怒るなどの興奮した時に顔が赤くなるという仕組みは、自律神経が関係しています。興奮して自律神経が乱れると、心拍数が早くなって血圧が上がりますね。心拍数の上昇によって血のめぐりが良くなって体全体が熱くなり、皮膚の薄い顔は実際に赤くなってしまうということです。一方で血圧が上がるということは限られた血管の太さの中で血液の量が増えるということですから、血液の量が増えすぎると皮膚の中に収まらずに血管が浮き出ます。この現象が怒りマークの発祥だとも言われていますね。浮き出ている血管は全て静脈であることから静脈の色である青をとって「青筋」となったという訳です。

つまり「青筋を立てる」とは怒ったときの心拍数が上がって顔が赤くなる様子ではなく、血圧が上がって青い静脈が浮き出ている時の様子に着目しているということから、「赤」ではなく「青」という色が使われているということが分かりますね。

\次のページで「「青筋を立てる」の使い方・例文」を解説!/

「青筋を立てる」の使い方・例文

「青筋を立てる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.参考書籍の著者に無断で内容を転載して出版してしまったために、著作権の権利者である著者はこめかみに青筋を立てているとの情報が入り、非常に恐れている。                                2.国語の先生は、授業中に辞典で隠して漫画を読んでいる生徒達に対して毎日青筋を立てて怒っているので、元々の高血圧持ちが悪化して大変な状態である。
3.プロの写真家である父親は普段こそ楽天家でめったに怒ることはないが、写真のことになると仕事の癖で額に青筋を立てて怒るので、母親は最近家族旅行中に写真を撮ることを禁止している。

例文を見ていただければわかる様に、「青筋を立てる」とは怒りが最上級に高まって興奮している時に用いるということが分かりますね。

「青筋」つまり静脈が立つ場所は人によって様々なので、状況によって使い分けるとより使いこなすことが出来ます。特にこめかみや額、眉間などの頭に近い部分に対して用いられる場合が多いようですね。

また、2番目の例文のように高血圧の症状と共に用いられる頻度も高いです。もともと血圧が高い人は少しでも血圧が上がるとすぐに静脈が浮き出てしまうからですね。血圧が上がりすぎると血管が破裂して重大な病気に繋がるので、気を付けましょう。

「青筋を立てる」の類義語は?違いは?

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「青筋を立てる」の意味や使い方を見てきました。「青筋を立てる」とは、激しく怒ったり興奮して癇癪を起す人の様子を指す言葉でしたね。このような様子を表す他の言葉にはどのような物があるのでしょうか。

では「青筋を立てる」の類語とその違いを見ていきましょう。

「目くじらを立てる」

「青筋を立てる」の類語は「目くじらを立てる」です。「目くじらを立てる」の意味は以下のようになります。

\次のページで「「青筋を立てる」の対義語は?」を解説!/

目を吊り上げて人のあらさがしをする。他人の欠陥を取り立てて非難する。目角(めかど)を立てる。

デジタル大辞林(小学館)「目くじらを立てる」

「青筋を立てる」のように、「目くじらを立てる」も人が怒った時の表情の特徴を捉えてその様子を表現している言葉です。

「青筋を立てる」も「目くじらを立てる」も怒りを表現していることに変わりはないですが、怒りの度合いが少し異なります。「青筋を立てる」はすでに述べたように興奮して顔が赤くなるほど頭に血が上っている怒りを表現する言葉でした。一方で「目くじらを立てる」は小さなことに対しても嫌な顔をするというように、興奮というよりは怪訝な表情を表現する言葉です。

「目くじら」とは、「目くじり」(目じり)から派生した言葉。機嫌の悪い人やすぐにケチをつけてくる気の小さい人は、常に目じりを吊り上げて怪訝そうな顔をしているイメージが想像できませんか?この様に「目くじらを立てる」とは目じりを吊り上げて人を非難している人を表現するということが分かりますね。

「青筋を立てる」の対義語は?

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激しく「怒る」の反対の意味は、激しく「笑う」ですよね。そんな激しく笑う時の様子を表現する言葉を紹介します。

では、「青筋を立てる」の対義語を見ていきましょう。

「腹の皮が捩れる」

「腹の皮が捩れる」とは、腹の皮が捩れるほど笑うことを指す言葉です。腹の皮が捩れるとは、おなかを抱えて笑ったり笑いすぎて転げてしまったときなどに、おなかの皮に皴が寄ることを指します。「青筋を立てる」が怒っている人の表情の特徴を捉えて上手に表現しているように、「腹の皮が捩れる」も特徴を的確に表現してその様子をより想像しやすいようにしていますね。

また特徴を想像させることによって激しく笑うという様子を普通に「爆笑する」と表現するよりも、よりその激しさを強調することができます。

「青筋を立てる」を使いこなそう

この記事では「青筋を立てる」の意味・使い方・類語などを説明しました。

人が激しく怒ったり興奮する様子を表現するときに、大抵の人がまず思い浮かべるのは顔を真っ赤にしている表情なのではないでしょうか。「赤」とは全く逆の印象を受ける「青」を、怒った時の様子を表現する際に用いるという発想は斬新ですよね。「青筋を立てる」という言葉を積極的に使っていくと、色から連想する印象の固定概念を崩していくことが出来るかもしれません。

あまり浸透していない言葉なので、この言葉を知らない人に「青筋」は「静脈」のことであるということを教えてあげると、周囲から尊敬を受けることが出来ますよ。

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国語言葉の意味

【慣用句】「青筋を立てる」の意味や使い方は?例文や類語を現役学生ライターがわかりやすく解説!

この記事では「青筋を立てる」について解説する。

端的に言えば「青筋を立てる」の意味は「激怒する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役学生ライターのタビビトを呼んです。一緒に「青筋を立てる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タビビト

現役の文学部学生ライター。学生生活の中で数多くの芸術関係の執筆を行い、小学生の頃から多種多様な書籍を読破してきた生粋の文科系。読書量に比例する文章力で慣用句を分かりやすく説明していく。

「青筋を立てる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「青筋を立てる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「青筋を立てる」の意味は?

「青筋を立てる」には、次のような意味があります。

顔面に静脈が浮き出るほど、ひどく怒ったり、興奮したりする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「青筋を立てる」

「青筋を立てる」とは「あおすじをたてる」と読み、ひどく怒って興奮したり癇癪を起したりすることを表現する言葉です。「怒る」という感情を表現する言葉は非常に多くの種類がありますが、「青筋を立てる」は静脈が浮き出るほど怒ったり興奮したりする様子を指すということなので、「怒る」という感情の中でも特に気性が激しい様子を表現していることが分かりますね。

しかし「怒る」という表情を想像するとき、大抵の人は血が上って顔が赤くなるということを想像するのではないでしょうか?ここではなぜ「赤」ではなく「青」という色が登場するのか、次の語源の紹介で明らかにしていきましょう。

「青筋を立てる」の語源は?

次に「青筋を立てる」の語源を確認しておきましょう。

自分が激しく怒ったり逆に怒っている人の顔を見たときに、顔がみるみる赤くなっていく様子を体感したり見たことがありますか?肌の色が白い人などは赤みがより分かりやすいですよね。人が激しい運動をしたり怒るなどの興奮した時に顔が赤くなるという仕組みは、自律神経が関係しています。興奮して自律神経が乱れると、心拍数が早くなって血圧が上がりますね。心拍数の上昇によって血のめぐりが良くなって体全体が熱くなり、皮膚の薄い顔は実際に赤くなってしまうということです。一方で血圧が上がるということは限られた血管の太さの中で血液の量が増えるということですから、血液の量が増えすぎると皮膚の中に収まらずに血管が浮き出ます。この現象が怒りマークの発祥だとも言われていますね。浮き出ている血管は全て静脈であることから静脈の色である青をとって「青筋」となったという訳です。

つまり「青筋を立てる」とは怒ったときの心拍数が上がって顔が赤くなる様子ではなく、血圧が上がって青い静脈が浮き出ている時の様子に着目しているということから、「赤」ではなく「青」という色が使われているということが分かりますね。

\次のページで「「青筋を立てる」の使い方・例文」を解説!/

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