
「精を出す」
もう一つの類義語には、「精を出す(せいをだす)」があります。精一杯働くことや一生懸命に励むことという意味です。「精」は雑念なくひたすら励むということ、「出す」はある事態や結果をもたらすということで目的語に添える意味合いとなります。
「精を出す」は、自らの意志で決めたことか仕方なくやることになったものかは関係なく、とにかくその事に一生懸命取り組んでいるようすを表現していますよ。
「身が入る」の対義語は?
次に、「身が入る」の対義語についての説明です。一生懸命になったり真剣になることの反対の意味を表す言葉について、一緒に見ていきましょう。
「片手間」
「身が入る」の対義語には、「片手間(かたてま)」があります。意味は、本来すべきことの合間にほかのことをするということです。「片」とはわずかや少しということ、「手間」は労力や時間のことを表しており、あわせて少しの労力という意味につながっています。
単純に少ない労力や短い時間でできることについて言う場合もありますが、本来の仕事の合間、本業の余暇などに行う場合に使われることが多くなっていますよ。
「油を売る」
もう一つの対義語には、「油を売る(あぶらをうる)」があります。仕事の途中で怠けたり、むだ話で時間を浪費したりするという意味です。もともと油を計り売りするときは、油を柄杓(ひしゃく)ですくうのですが、粘度が高いと糸を引くようについてきて切れるまでに時間がかかりました。それを待つ間に話をしたりしていたことが由来です。
使い方としては「新入社員のA君はまだ戻っていないのか。どこで油を売っているのか。」といった感じになります。仕事などの最中にサボっているイメージですね。
「be absorbed in …」
「身が入る」の英訳には、「be absorbed in …」があります。意味は「夢中になる、没入する、身が入る」などです。動詞「absorb」には「吸収する、奪う」という意味があり、注意や時間を奪うということから周りのことや時間を忘れて夢中になることにつながっています。
その他、簡単に表現すると、動詞に「hard」を付け加えて一生懸命なようすを表すことができますよ。また、「try as hard as one can」とすると「できるだけ熱心に取り組む」という意味です。
\次のページで「「身が入る」を使いこなそう」を解説!/