この記事では「真に迫る」について解説する。

端的に言えば「真に迫る」の意味は「表現されたものが現実のようすとそっくりに見えるさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「真に迫る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「真に迫る」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「真に迫る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。辞典などで正確な内容をチェックしましょう。

「真に迫る」の意味は?

「真に迫る」には、次のような意味があります。

1.表現されたものが現実のようすとそっくりに見える

出典:デジタル大辞泉(小学館)「真に迫る」

「真に迫る(しんにせまる)」は「表現や行動が本物と同じであるさま・いかにも本物のようだという状況」を示す慣用句。

「真に迫る演技」というフレーズを一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。「舞台・美術作品のような芸術」に対して「本物のようだと高く評価し感動・感激する場面」に使うことがポイントです。

「真に迫る+名詞」や「真に迫った+名詞」の形で多く用いられる表現ですよ。言葉がどのような形で使われているのか観察してみると日本語の奥深さが味わえるかもしれませんね。

「真に迫る」の語源は?

次に「真に迫る」の語源を確認しておきましょう。「真に迫る」の「真」は「まこと・真実・本物・リアリティー」の意。「迫る」は「圧倒するような勢いで近づいてくるさま」を指しています。「迫る」という言葉を聞くと何かがどんどん勢いをつけてやってくる様子が伺えますよね。このように「人間の行動・演技・表情・文章・芸術が本物に近づく様子」から派生して「真に迫る」が誕生したのです。

最近、あなたは「真に迫る芸術」に触れる機会はありましたでしょうか。真に迫る素晴らしい芸術に触れてクールダウンするのも良いかもしれませんね。

\次のページで「「真に迫る」の使い方・例文」を解説!/

「真に迫る」の使い方・例文

「真に迫る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この用語は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼はものまねの達人だ。有名演歌歌手のものまねがとても真に迫っていたので笑わずにはいられなかった。

2.彼女の小説はブックレビューでいつも高評価だ。彼女の真に迫まった文章は普段本を読まない人にもオススメしたい。

3.息子から交通事故に遭い医療費が足りないのでお金を振り込んでほしいと電話があった。真に迫った口ぶりを信じ詐欺にあってしまった。

4.昨日、開発中のアプリに不具合が見つかる夢を見た。あまりにも真に迫る夢だったのでびっくりして飛び起きた。

例文1は「彼の物真似にリアリティーを感じ思わず笑ってしまった様子」を示していますね。例文2では「リアルな人間関係や喜怒哀楽が感じられる素敵な文章」だということが伺えるのではないでしょうか。きっと人の心を揺さぶるいきいきとした文章がヒットの秘訣なのでしょうね。例文1・2のように「真に迫る」は「演技や文章という芸術作品」に対して使うことが多い慣用句です。

一方、例文3は「あまりにも息子に似ているので真実だと思い込んでしまった様子」を示しています。例文4は「現実味を帯びているおり冷や汗をかいたさま」が感じられますよね。例文3・4のように「真に迫る」は「芸術分野以外」も表現することができるのです。芸術以外の状況で使う時は「少しマイナスなニュアンス」が含まれることがポイントですよ。特徴をしっかりおさえておきましょうね。

「真に迫る」の類義語は?

image by iStockphoto

「真に迫る」の類義語についての解説します。関連する表現を一緒に見ていきましょう。

「鬼気迫る」

「真に迫る」の類義語には「鬼気迫る(ききせまる)」が考えられるでしょう。「鬼気迫る(ききせまる)」とは「身の毛もよだつほどの凄まじい気迫が表れているさま」「鬼気」とは「恐ろしく不気味な雰囲気・気配」のことです。「迫る」「すぐに近い所まで寄る、それほど違わなくなる」という意味合い。「真に迫る」の「迫る」と同じ意味ですね。ここから、「恐ろしさを感じるほど真剣な様子」を「鬼気迫る」と言うのです。

「鬼気迫る」と聞くと「鬼」という文字が入っているので、なんだか妙な恐ろしさや不気味な様子がひしひしと伝わってきませんか。「見ている人が怖くなるほど真剣さが伝わってくる場面」で使われる表現ですよ。ぜひ、あなたのボキャブラリーに追加してくださいね。

\次のページで「「真に迫る」の対義語は?」を解説!/

「真に迫る」の対義語は?

「真に迫る」は「表現されたものが現実のようすとそっくりに見えるさま」という意味でしたね。反対の意味は「現実味の無いさま」が考えられるでしょう。では、これに近い言葉をご紹介しますね。

「荒唐無稽」

「真に迫る」の対義語には「荒唐無稽(こうとうむけい)」が考えられるでしょう。「荒唐無稽」とは「根拠がなく、現実性のないさま・でたらめ」の意。「荒唐」は「話や考えにより根拠がないさま」を示しています。「無稽」は「無稽」の「稽」は「考える」という意味。ここに「無」を置いて「考えがない」となり「根拠のないでたらめなこと」を指すようになったのです。

例文1では、「現実からかけ離れている発想力が素晴らしい商品を生み出す」という「プラスのニュアンス」が感じられますよね。一方、例文2では「現実性に乏しい企画だという相手を否定するマイナスなニュアンス」が含まれてますね。使い方によって意味が大きく違ってきますね。使う場所や相手を選んで正しく使いましょう。

1.彼は新しい動画再生アプリを開発している。荒唐無稽な発想力が商品開発の役に立っている。

2.彼がプレゼンしたプレミアム商品に関する企画は荒唐無稽だ。社長が承認するわけがない。

「真に迫る」の英訳は?

image by iStockphoto

「真に迫る」は英語でどのように表現するのでしょうか。キーワードとなる単語をチェックしましょう。

「be true to life」

「真に迫る」は「be true to life」を使って英訳しましょう。「be true to」は「~と一致している・本物そっくりである」の意。 ここでの「life」は「実物・本物・真実」の意味です。ここから、「be true to life」=「真実・本物であるさま」という「真に迫る」の英訳になりますね。

例文1は、「彼女の演技は真に迫ったものだったという感動」の意。例文2では、「家族の絵が本物そっくりで素晴らしいさま」が感じられますよね。馴染みのある英単語を使って表現できますね。まずは、優しい英単語で英訳する。これも素敵な学習方法の1つかもしれませんね。

1.His performance was true to life.
(彼の演技は真に迫っていた。)
2.The picture of my family  you draw  was true to life.
(あなたが描いた家族の絵は真に迫っていた。)

\次のページで「「真に迫る」を使いこなそう」を解説!/

「真に迫る」を使いこなそう

この記事では「真に迫る」の意味・使い方・類語などを説明しました。「真に迫る」は日常会話でも広く見受けられる慣用句です。「ものごとがまるで本物のようなだと感動や感銘を受けたとき」に使われることが多い表現でしたね。日ごろから「真に迫る素敵なものごと」に触れてみませんか。きっとあなたのセンスが磨かれるでしょう。はっとするようなアイデアが浮かんでくるかもしませんね。

" /> 【慣用句】「真に迫る」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師がわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「真に迫る」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「真に迫る」について解説する。

端的に言えば「真に迫る」の意味は「表現されたものが現実のようすとそっくりに見えるさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「真に迫る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/くふ

語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。

「真に迫る」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「真に迫る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。辞典などで正確な内容をチェックしましょう。

「真に迫る」の意味は?

「真に迫る」には、次のような意味があります。

1.表現されたものが現実のようすとそっくりに見える

出典:デジタル大辞泉(小学館)「真に迫る」

「真に迫る(しんにせまる)」は「表現や行動が本物と同じであるさま・いかにも本物のようだという状況」を示す慣用句。

「真に迫る演技」というフレーズを一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。「舞台・美術作品のような芸術」に対して「本物のようだと高く評価し感動・感激する場面」に使うことがポイントです。

「真に迫る+名詞」や「真に迫った+名詞」の形で多く用いられる表現ですよ。言葉がどのような形で使われているのか観察してみると日本語の奥深さが味わえるかもしれませんね。

「真に迫る」の語源は?

次に「真に迫る」の語源を確認しておきましょう。「真に迫る」の「真」は「まこと・真実・本物・リアリティー」の意。「迫る」は「圧倒するような勢いで近づいてくるさま」を指しています。「迫る」という言葉を聞くと何かがどんどん勢いをつけてやってくる様子が伺えますよね。このように「人間の行動・演技・表情・文章・芸術が本物に近づく様子」から派生して「真に迫る」が誕生したのです。

最近、あなたは「真に迫る芸術」に触れる機会はありましたでしょうか。真に迫る素晴らしい芸術に触れてクールダウンするのも良いかもしれませんね。

\次のページで「「真に迫る」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: