国語言葉の意味

【慣用句】「月夜に釜を抜かれる」の意味や使い方は?例文や類語を元予備校講師がわかりやすく解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。この記事では「月夜に釜を抜かれる」について解説する。

端的に言えば「月夜に釜を抜かれる」の意味は「ひどく油断すること」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

教師や講師としても教えることに関わってきた「やぎしち」を呼んだ。一緒に「月夜に釜を抜かれる」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/やぎしち

雑学からビジネス文章まで手掛ける現役ライター。国語の中学・高校教諭の資格も持ち、予備校講師の経験も。言葉を大切にした文章を心掛けている。

「月夜に釜を抜かれる」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「月夜に釜を抜かれる(つきよにかまをぬかれる)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「月夜に釜を抜かれる」の意味は?

「月夜に釜を抜かれる」には、次のような意味があります。

明るい月夜に釜を盗まれる。ひどく油断することのたとえ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「月夜に釜を抜かれる」

この言葉は、「ひどく油断すること。そのたとえ」を意味する慣用表現です。他にも「月夜に釜」「月夜に釜を取られる」などの言い方もありますが、同じ意味になります。一緒に押さえておきましょう。

たとえの表現であり、言葉が表す情景を想像してみると意味がよくわかるのではないかと思います。月明かりが煌煌として明るく、「こんなに(昼間のように)明るいのだから、泥棒なんて入らないだろう」と油断してしまったため、盗まれてしまったということですね。本来、暗い夜であれば泥棒に気を付けていたはず。それなのに月が出ていて明るかった為にそれほど油断してしまった、ということをたとえています。ただ油断したよりも、より強いニュアンスが表現できる言葉といえるでしょう。

「月夜に釜を抜かれる」の語源は?

次に「月夜に釜を抜かれる」の語源を確認しておきましょう。この言葉は「いろはかるた」に採用されていたことわざだったと言われています。釜は当時、石などで作られた「竈(かまど。釜戸とも)」の中に入れ込まれていました。昔を描いたドラマやアニメなどで見たことがある人もいるかもしれませんね。釜はそこにすっぽりはまっていたため、ここから取り出す=「抜き出す」として、「釜を抜かれる」という表現が使われたのでしょう。

そしてその釜で炊くのはお米。お米は給料の代わりでもあり、日々の食糧でもありました。釜にしろお米にしろ、それが無ければ生活できなくなってしまいますから、どちらも重要な財産です。そのため、そんな大切なものを盗まれてしまうほど油断していた、と大きなショックが含まれている表現だと理解できるでしょう。当時の生活を想像してみると、言葉の重みが増して感じられますね。

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