
「一役買う」
もう一つの類義語には、「一役買う(ひとやくかう)」があります。自らすすんで一つの役割や役目を引き受けることや助力することという意味です。「買う」とは、すすんで引き受けるという意味で使っています。「喧嘩を買う」という表現も、同じ意味合いで使われていますよ。
「一役買う」は、頼まれて引き受けるのではなく、すすんで引き受ける場合の表現です。「手を貸す」のほうは、どちらの場合でも使う表現になっています。
「手を貸す」の対義語は?
次に、「手を貸す」の対義語についての説明です。労力を提供しないという意味合いの表現について、一緒に見ていきましょう。
「座視する」
「手を貸す」の対義語には、「座視する(ざしする)」があります。意味は、黙って見ているだけで手出しをしないということです。「座」と「視」の意味から、座ったまま見ているだけで手を出したり行動するとこはないということがもとになっています。
「手を貸す」とは行動し労力を提供することなので、動かずに見ているだけという「座視する」はちょうど反対の意味になりますね。
「切り捨てる」
もう一つの対義語には、「切り捨てる(きりすてる)」があります。必要でない部分を切って捨ててしまうという意味です。そこから、ある基準に満たない人やもの、部分などを捨てたり無視をするという意味合いにつながっています。
人に対しては、一定の水準に満たないものに手を差し伸べるのではなく、無視して見捨てるという意味合いです。例えば、「この政策は弱者を切り捨てるようなものだ」などとなります。
「手を貸す」の英訳は?

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最後に、「手を貸す」の英訳についての説明です。日本語と英語では言語の違いはありますが、キーワードとなる英単語を使いながら近い意味を表す英語表現について見ていきましょう。
「help + 人」
「手を貸す」の英訳には、「help + 人」があります。意味は「(人を)助ける、手伝う、助力する」で、後ろに対象となる人を続けて使うのが一般的です。「assist + 人」としても「(人を)手伝う、手助けをする」という意味で使うことができます。
その他、「give + 人 + a hand」としても、同じく「(人に)手を貸す」という意味です。例えば、「Please give me a hand carrying this box.(この箱を運ぶのを手伝ってくれませんか)」といった使い方ができますよ。
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