・あなたは筋の通った理由を伝えたつもりだろうが、相手は理屈と膏薬はどこにでもつくとしか思ってないよ。こんなやり取りを続けるよりも、さっさと謝ったほうが早く解決するよ。
「盗人にも五分の理」とは?
また、桜木先生のおっしゃった「盗人にも五分の理」も、「~三分の理」の類義語といえるでしょう。
これはアメリカの作家、デール・カーネギーが著書「人を動かす」の中で使った言葉とされています。カーネギーは自己啓発や対人スキルに関するプログラムの開発者。対人関係をよくするための方策として、「どんな人も半分はいいところがあるから認めよう」といった意味で書かれたようですよ。
確かにどんな人にも優れたところはありますし、一見悪いことをしたように見えてもちゃんとした理由が隠されていることもありますね。社員の人材育成などを任される立場になったら、否定から入るのではなく「まずは認める」という姿勢が大切だと教えてくれる教訓なのかもしれません。
「盗人にも三分の理」の英訳は?
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最後に、「盗人にも三分の理」を英語で表すとしたらどうすればいいでしょうか。
そのまま訳して「Even a thief has his reasons.」(泥棒にさえ理屈があるものだ)とか、「Every man has his own reason.」(誰にでもそれなりの理由がある)としてもかまいません。
ここではそれ以外の表現を見ていきましょう。
「The wrongdoer never lacks a pretext. 」
wrongdoerは「犯罪者、不届き者」、lackは「~がない、足りない」、pretextは「口実」という意味なので、「犯罪者は口実に欠けるということが決してない」→「犯罪者はいつでも口実を言う」→「盗人にも三分の理」となって、同じ意味だといえます。
「Give the devil his due.」
devilはご存じ悪魔のこと、dueは「手数料、当然支払われるべきもの」といった意味を持ちます。直訳すれば「悪魔にも当然の報酬は与えよ」となりますが、「悪人も公平に扱い、認めるべきところは認めよ」という意味で使われますよ。対象が女性ならば、「his」を「her」に変えることをお忘れなく。
また、このフレーズを「to give the devil his due,」の形で文頭に置いたり文中に挿入したりすると、「公平な見方をすれば」という意味になります。
・I don’t like the man but give the devil his due,he works hard.
(彼のことは好きじゃない。でも公平に言って、彼は一生懸命働いている)
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