この記事では「押しが強い」について解説する。

端的に言えば押しが強いの意味は「強引に押し通す」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本文学科出身で事務職を経て現在はライター業のかたわら校正もしているjasminを呼んです。一緒に「押しが強い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/jasmin

日本文学を専攻し事務職を経て現在は校正者兼ライター。正しく美しい日本語を追求している。買い物に行くとどちらかといえば人気商品に弱く必要のないものをつい買ってしまうらしいが、今回は「押しが強い」について説明していく。

「押しが強い」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「押しが強い」の意味や使い方を見ていきましょう。

「押しが強い」の意味は?

「押しが強い」には、次のような意味があります。

1.自分の意思通りに強引に事を運ぼうとする。転じて、あつかましい。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「押(お)しが強・い」

「押しが強い」という慣用句は普段でもよく使われており、あくまでも自分の主張を通そうと強固な態度を示したりずうずうしいことや厚かましいと行ったことを表現していて、面倒な人のイメージがあります。こんな性格の人をみなさんどこかで見かけたことがあると思いますが、わがままな人は別名「押しの強い」人と言われていますね。

「押しが強い」人は性格的なこともあると思いますが強固たるものを内面に持ち、それに基づいて行動しているのです。単語の「押し」だけでも同様に無理やり自分の意志を通そうとする人やその力という意味を持ち、自分の意志を無理にでも通してしまうような強い意志を持っている人が想像できます。

「押しが強い」の使い方・例文

「押しが強い」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「押しが強い」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.男性商品モニターのアルバイトはホテルの一室を借り切って行われプレゼントもたくさんもらえて報酬もいいから、とにかく登録してくださいと相談に乗ってくれた人の押しの強いアドバイスを受け紹介してもらった仕事だ。
2.押しの強い友人がそばにいてくれたので、優柔不断な私は彼女のおかげでイベント会場での強引な営業トークから逃れることができ安心した。
3.ライフスタイルに関するコラムを執筆しないかと編集プロダクションに進められたが、気乗りしない内容だったので広告の仕事で忙しいふりをして断ろうと思ったが企画担当の押しが強く引き受けてしまった。

例文1は男性モニターのアルバイトを強く推された様子と例文2は気が弱い女性が対照的なキャラクターの友人のおかげで欲しくないものを買わされる危機を脱し例文3はライターが気持ちの乗らない仕事を言い訳をして断ろうと思ったら、プロダクションの担当の人の強引さに負けてしまっていやいや仕事を引き受けてしまったという文章です。

すべての文に通じてですが客観的な立場というよりは「押しが強い」人のペースにまきこまれてしまったという受け身のイメージがありますね。自発的に何かを行動を起こした結果というより「押しが強い」人のとった行動に対してどう思ったかという感じです。

「押しが強い」の類義語は?違いは?

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自分の意志を強引に押し通す「押しが強い」ですが、類義語にはどのような言葉があるでしょうか。

「腰が強い」

「腰が強い」は麺類の歯ごたえがあることをあらわす「コシが強い」が一般的なイメージだと思いますが、「押しが強い」と同じく気が強く人に屈しない、押し通す力が強いという意味もあり「あの人はみんなより腰の強い人だから恋愛でうまくいかなくてもくじけない」という使い方をします。歯ごたえの強さではなく気の強さのことですから間違えないようにしてください。腰を使った慣用句には「腰が重い」や「腰が砕ける」がありますが、「腰」でメンタルをあらわしています。

「我が強い」

人の話を聞こうとせず、自分の気持ちを押し通そうとする気持ちが強いことをいいます。強情ともいわれ、よく「強情な人」といいますが、「我が強い」人と同じ意味です。「あの人は大人しそうに見えて意外と我が強い」のような使い方をします。難しい人のようですがあつかましいとかずうずうしいといった感じがなく、自分というものをしっかり持っている人という印象です。「我」とは「自我」や「自分」といった意味になります。強引さよりも頑固さが強い人なのかもしれません。

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「押しが強い」の対義語は?

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それでは「押しが強い」の反対の意味を持つ対義語は何があるのでしょうか。

「引っ込み思案」

内気な性格で積極的に人前に出たり自発的に行動を起こしたりすることができないことや性格のことです。「押しが強い」人は自分の意見をどんどん主張して通そうとしますが、「引っ込み思案」な人はなかなか自分の意見を他の人に伝えることが難しく強引な性格の「押しが強い人」のペースに巻き込まれてしまいがちになります。「押す」の反対が「引く」なので、自分は一歩引いているというところも対照的ですね。

「控えめ」

思うままに行動したり発言したりせず自分の内にとどめる態度のことで、その性格のことをいうときにも使いますが「押しが強い」人は思ったことを口に出して周囲を思うがままにしようと思いますが、「控えめ」な人は自分の要望を口に出さずにいます。自分の意見だけを通すことなく周りの和を大事にしながら必要なときは思ったことを口に出して主張できる人は人間力が高い人ですね。

「押しが強い」の英訳は?

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「押しが強い」を英語に訳するとどのようになるのでしょうか、見てみましょう。

「aggressive」

「押しが強い」という慣用句としての英訳はありませんでしたが、「攻撃的」の「aggressive」や「でしゃばり」の「pushy」厚かましいの「audacious」が「押しが強い」を意味する英単語です。「aggressive」(アグレッシブ)は英語では褒め言葉ではなく、攻撃的でけんか好きな人扱いになります。対義語的な単語に「defensive」で防御的な、受け身のという意味です。

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「押しが強い」を使いこなそう

この記事では「押しが強い」の意味・使い方・類語などを説明しました。「押しが強い」という慣用句は言い方は違いますが類義語がここに載せられないぐらいたくさんあり「ゴリ押し」も同じような意味で強引に物事を推し進めることです。気になっていた「ゴリ」の意味ですが、川魚のゴリを無理やりむしろの中へ押しこんで捕まえる漁法を「ごり押し」と呼んでいたのを無理やり押し通す意味で使うようになったのが「ゴリ押し」。ゴリゴリ押すことやゴリラが関係あるのかとネットでもありましたが、私たちはふだん使われている言葉の語源や深い意味を知らずに使っていることが多いなと思いました。

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国語言葉の意味

【慣用句】「押しが強い」の意味や使い方は?例文や類語を文学部卒の校正者兼ライターがわかりやすく解説!

この記事では「押しが強い」について解説する。

端的に言えば押しが強いの意味は「強引に押し通す」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本文学科出身で事務職を経て現在はライター業のかたわら校正もしているjasminを呼んです。一緒に「押しが強い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/jasmin

日本文学を専攻し事務職を経て現在は校正者兼ライター。正しく美しい日本語を追求している。買い物に行くとどちらかといえば人気商品に弱く必要のないものをつい買ってしまうらしいが、今回は「押しが強い」について説明していく。

「押しが強い」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「押しが強い」の意味や使い方を見ていきましょう。

「押しが強い」の意味は?

「押しが強い」には、次のような意味があります。

1.自分の意思通りに強引に事を運ぼうとする。転じて、あつかましい。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「押(お)しが強・い」

「押しが強い」という慣用句は普段でもよく使われており、あくまでも自分の主張を通そうと強固な態度を示したりずうずうしいことや厚かましいと行ったことを表現していて、面倒な人のイメージがあります。こんな性格の人をみなさんどこかで見かけたことがあると思いますが、わがままな人は別名「押しの強い」人と言われていますね。

「押しが強い」人は性格的なこともあると思いますが強固たるものを内面に持ち、それに基づいて行動しているのです。単語の「押し」だけでも同様に無理やり自分の意志を通そうとする人やその力という意味を持ち、自分の意志を無理にでも通してしまうような強い意志を持っている人が想像できます。

「押しが強い」の使い方・例文

「押しが強い」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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