この記事では「歓心を買う」について解説する。

端的に言えば歓心を買うの意味は「機嫌を取る」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国語力だけでこれまでの社会人生活を乗り切ってきたライター、ヤザワナオコに、「歓心を買う」の意味や例文、類語などを説明してもらおう。

ライター/ヤザワナオコ

コールセンターの電話応対指導やマナー講師、テレビ番組の字幕製作経験もあるライター、ヤザワナオコ。

実力第一で生きてきたので、上司に媚びるような言動を取るはどうも苦手だとか。「歓心を買う」とはどんなときに使う言葉なのか、反対の意味を表す言葉はあるのかなど解説してもらう。

「歓心を買う」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「歓心を買う」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「歓心を買う」の意味は?

「歓心を買う」には、次のような意味があります。

人の気に入るように努める。人の機嫌をとる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

誰かに気に入られたいと思ったとき、あなたならどうしますか?楽しい話で気を引いたり、褒め言葉を使ったり、何かプレゼントを贈って喜んでもらったりといろいろな方法がありますね。このように何らかの方法で相手に気に入られようと機嫌を取ることを「歓心を買う」といいます。

気に入ってもらいたい相手であれば、対象は職場の上司や先輩から、家族や友人、恋愛相手など誰でも大丈夫。自分で「歓心を買いたくて○○した」と言う使い方もできますし、他人を評して「社長の歓心を買おうとしている」のように使うことも可能です。

「歓心を買う」の語源は?

次に「歓心を買う」の語源を確認しておきましょう。まず「歓心」とは、嬉しく思う気持ち、喜ぶ気持ちのことをいいます。「歓」には喜ぶ気持ちという意味があるので、「喜んで迎えること」を「歓迎」というのですね。この使い方はベートーヴェンの「歓喜の歌」(別名「歓びの歌」)でも有名です。

次に「買う」は金銭の対価としての購入のことではなく、ここでは自分から進んであるものを求めることを指します。「喜ぶ気持ちを進んで求める」から「歓心を買う」なのですね。「歓心」と「買う」、それぞれの使い方の例文も見ておきましょう。

・勉強を頑張ることで母の歓心を得る。

・国内の法令の整備には、あの政治家が一役買ってくれた。

・売られた喧嘩は買うのが男の意地ってもんだ。

\次のページで「「歓心を買う」の使い方・例文」を解説!/

「歓心を買う」の使い方・例文

「歓心を買う」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

・上司の歓心を買いたいなら、精神面よりも仕事の生産性を上げるなど、まず行動に表す必要があるよ。

・彼女の歓心を買おうと化粧品をプレゼントしたが、好みに合わなかったのかあまり喜んでもらえなかった。

このように、上司に取り入って出世につなげたいとか、大事な人にものを贈ることで気持ちを伝えたい場合に使う言葉です。

とはいえあまり露骨な方法を取ってしまうと、「お世辞ばかり」などと批判されかねないので気をつけましょう。

「歓心を買う」の類義語は?違いは?

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相手の気を引こうとするさまを表す言葉はほかにもたくさんありますね。「媚びを売る」や「ごまをする」、「おべっかを使う」などを使うと、職場などで偉い人にとかしずく姿が浮かんできます。

ここでは、そのほかの表現を押さえておきましょう。

「尻尾を振る」

犬が尻尾を振る仕草は、嬉しいときにするものと考えられてきました。そこから、気に入られたい相手の機嫌を取る行為を「尻尾を振る」というようになりました。

ちなみに実際は、犬は楽しいことへの期待や見慣れぬものへの恐怖を感じているときにも尻尾を振るそうです。つまり本来の「尻尾を振る」行動は犬が興奮していることを表すだけで、嬉しいとは限らないようですよ。

力のある者に気に入られるように振る舞う。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

\次のページで「「太鼓持ちをする」」を解説!/

「太鼓持ちをする」

少し前ですが、「太鼓持ち芸人」と名乗るお笑い芸人がいたのを聞いたことがありませんか。

この太鼓持ち、辞書ではこう説明されています。

1.宴席に出て客の遊びに興を添えることを職業とする男性。幇間(ほうかん)。

2.人にへつらって気に入られようとする者。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

もともとは1.にあるように宴会の盛り上げ役のような職業を指す言葉だった「太鼓持ち」。そこから、宴席に限らず場を楽しませる人、さらには特定の相手に気に入られるために媚びへつらう人を指すようになりました。

「あいつは社長の太皷持ちだからな」などと使われますが、決して褒めているニュアンスではなく、「偉い人に取り入ってうまいことやってるな」といった皮肉交じりの表現といえます。

「歓心を買う」の対義語は?

では「歓心を買う」と逆の意味を表す表現はどんなものがあるでしょうか。同じ「買う」と使う言葉で、ちょうど反対の意味を表すものがありますよ。

「不興を買う」

この「不興(ふきょう)」とは機嫌が悪くなることをいいます。自分のせいで相手の気分を害してしまった場合に使うのが「不興を買う」という言葉。

目上の人に対して使うことが多く、「顧客の不興を買ってしまった」のように、反省とともに上司に伝える際などに便利です。

・相手は株主から紹介された大事なお客様なのに、営業マンが不必要な指摘をして不興を買ってしまった。

漢字の間違いに注意しよう

桜木先生のご指摘のとおり、読み方が「かんしん」となる熟語はいくつもあるので注意しましょう。簡単に説明しておきますね。

今回登場した「歓心」は、心から喜ぶことを表していました。他方、「感心」は何かに深く心を動かされること、「関心」は興味を持つこと、そしてそんなに見かけることは多くありませんが「寒心」と書くと怖くて肝を冷やすことを表しますよ。

違いをしっかりと覚えて使い分けられるよう、例文も挙げておきますね。

\次のページで「「歓心を買う」の英訳は?」を解説!/

・さすが接客のプロだね、君の敬語の使い方の素晴らしさには感心したよ。

・ビジネスマンなのに株式投資には関心がないなんて変わり者だね。

・映画で恐ろしいシーンを見てしまい、寒心に堪えない。

「歓心を買う」の英訳は?

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最後に、「歓心を買う」を英語で言いたいときはどうしたらいいでしょうか。

「romance someone with」

日本語では名詞として「恋愛、愛着」などの意味のイメージが強いromanceですが、動詞としても使われます。他動詞のromanceは「~に求愛する、~をあがめる」の意味。ですから、romance someone with○○というと「○○で~の歓心を買う」の意味になります。

「pander to」

この言葉は「迎合する、おもねる」とか「つけこむ」という意味を持ちます。

「売春を斡旋する」「情事の仲介をする」という意味で使われることもあるので気をつけましょう。

「歓心を買う」を使いこなそう

この記事では「歓心を買う」の意味・使い方・類語などを説明しました。

相手が偉い人だからと言って必要以上にぺこぺこするのもみっともないものですが、おかしなことを言って不興を買わないように気をつけたいものですね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「歓心を買う」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「歓心を買う」について解説する。

端的に言えば歓心を買うの意味は「機嫌を取る」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国語力だけでこれまでの社会人生活を乗り切ってきたライター、ヤザワナオコに、「歓心を買う」の意味や例文、類語などを説明してもらおう。

ライター/ヤザワナオコ

コールセンターの電話応対指導やマナー講師、テレビ番組の字幕製作経験もあるライター、ヤザワナオコ。

実力第一で生きてきたので、上司に媚びるような言動を取るはどうも苦手だとか。「歓心を買う」とはどんなときに使う言葉なのか、反対の意味を表す言葉はあるのかなど解説してもらう。

「歓心を買う」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「歓心を買う」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「歓心を買う」の意味は?

「歓心を買う」には、次のような意味があります。

人の気に入るように努める。人の機嫌をとる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

誰かに気に入られたいと思ったとき、あなたならどうしますか?楽しい話で気を引いたり、褒め言葉を使ったり、何かプレゼントを贈って喜んでもらったりといろいろな方法がありますね。このように何らかの方法で相手に気に入られようと機嫌を取ることを「歓心を買う」といいます。

気に入ってもらいたい相手であれば、対象は職場の上司や先輩から、家族や友人、恋愛相手など誰でも大丈夫。自分で「歓心を買いたくて○○した」と言う使い方もできますし、他人を評して「社長の歓心を買おうとしている」のように使うことも可能です。

「歓心を買う」の語源は?

次に「歓心を買う」の語源を確認しておきましょう。まず「歓心」とは、嬉しく思う気持ち、喜ぶ気持ちのことをいいます。「歓」には喜ぶ気持ちという意味があるので、「喜んで迎えること」を「歓迎」というのですね。この使い方はベートーヴェンの「歓喜の歌」(別名「歓びの歌」)でも有名です。

次に「買う」は金銭の対価としての購入のことではなく、ここでは自分から進んであるものを求めることを指します。「喜ぶ気持ちを進んで求める」から「歓心を買う」なのですね。「歓心」と「買う」、それぞれの使い方の例文も見ておきましょう。

・勉強を頑張ることで母の歓心を得る。

・国内の法令の整備には、あの政治家が一役買ってくれた。

・売られた喧嘩は買うのが男の意地ってもんだ。

\次のページで「「歓心を買う」の使い方・例文」を解説!/

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