この記事では「夢枕に立つ」について解説する。

端的に言えば「夢枕に立つ」の意味は「死者からのお告げを受ける」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役学生ライターのタビビトを呼んです。一緒に「夢枕に立つ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タビビト

現役の文学部学生ライター。学生生活の中で数多くの芸術関係の執筆を行い、小学生の頃から多種多様な書籍を読破してきた生粋の文科系。読書量に比例する文章力で、慣用句を分かりやすく説明していく。

「夢枕に立つ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「夢枕に立つ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「夢枕に立つ」の意味は?

「夢枕に立つ」には、次のような意味があります。

神仏や故人などが夢の中に現れて、ある物事を告げる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「夢枕に立つ」

「夢枕に立つ」とは、「夢」という言葉が入っていることからも分かる様に現実世界で起きていることではなく、夢の中で既に死んでしまっている人から何かしらのお告げを受けることを意味します。

既に死んでしまっている人というのも、ご先祖さまや生前に関わりがあった人、信仰している神様など様々です。夢の中での出来事なのでそのお告げが本当のことを意味しているのかは分かりませんが、家族や親しみのあった近しい人が亡くなったときや、殺人事件において被害者が殺人犯に自白させるように促したり警察官に真実を話したりするなどの体験談はよく聞く話ですね。

人間の夢は潜在意識から出来上がっています。この理論から考えると実際に亡くなった人が自分の意志でお告げをしているのではなく、生活をしている中で無意識に考えていることや印象的だったことが夢の中で整理されて、自分の意志から生まれた願望や不安が夢で形として表れていると言うことも出来るのです。真実はまだ解明されていないので、何を信じるかは個人の自由ですね。

「夢枕に立つ」の語源は?

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次に「夢枕に立つ」の語源を確認しておきましょう。

まず最初に「夢枕」とは、人が普段眠るときにすぐそばにある枕のことを指します。死者が夢の中でお告げをするときには、この枕に立ってお告げをするということですね。よって「夢枕に立つ」とはお告げをする死者側からの目線ということになるので、お告げを受けた側は「夢枕に立たれる」ということになります。

枕に立って死者がお告げをしている姿をはたから想像すると、少し怖いですよね。

\次のページで「「夢枕に立つ」の使い方・例文」を解説!/

「夢枕に立つ」の使い方・例文

「夢枕に立つ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.若くして冥界へ旅立った祖母が、祖父の再婚を祝福してあげてほしいと親族全員の夢枕に立ってメッセージをくれたので、明日の食事会では親族全員が相手の女性を気持ちよく迎えることが出来そうだ。
2.ある日氏神様が夢枕に立って精神を鍛える修行をして功徳を積むように告げられたので、お坊さんになって人のために尽くすという人情味のある人生を選んだ。
3.あなた自身の前世ですと主張する海軍が毎晩夢枕に立って自分を裏切った友人を地獄に送ってほしいと頼んでくるが、この世の私にとっては大事な知人なので出来る訳もなく、しかし今晩もうなされて眠れないことを考えるといち早く解決しなければならない。

例文を見ていただくと、死者が夢に出てきてお告げをしている様子が想像しやすいのではないでしょうか。その死者のお告げとは、様々ですね。この世に残してきてしまった家族に対する思いやりの言葉や、神的存在からのお告げ、自分の前世からの頼み事など微笑ましいものから本格的に震撼するようなものまで。

自分の前世が出てきたらとても驚きますがどんな人なのか気になりますね。前世の記憶がある人も世の中にはいるようですから、前世が夢枕に立ってお告げをしてきたら自分からの隠れたメッセージかもしれません。

「夢枕に立つ」の類義語は?違いは?

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では、「夢枕に立つ」の類義語とその違いを見ていきましょう。

「天啓を得る」「啓示を得る」

「天啓」も「啓示」も、神などの超越的な存在から人間が知ることの出来ないことを事前に知られることを指します。「天啓を得る」や「啓示を得る」、「天啓を受ける」や「啓示を受ける」というように「もらう」といった意味の言葉が続くことが多いです。

「夢枕に立つ」は生前に関わっていた人や飼っていた犬などの身近な存在のお告げに対しても使いますが、「天啓」や「啓示」は神や仏などのより超越的な存在からのお告げに対してのみ使うというイメージを持っていただけると使い分けしやすいと思います。

\次のページで「「夢枕に立つ」の対義語は?」を解説!/

「夢枕に立つ」の対義語は?

自分以外の存在から様々なお告げを受ける「夢枕に立つ」。この対義語はどのような言葉で、どのような意味なのでしょうか?

早速見ていきましょう。

「自得」

「自得」とは、自分自身で努力して得たものや体験を通して悟ったことなどを指す言葉です。

「夢枕に立つ」とは自分以外の人から得た知識を使って現実に生かすということも意味しましたね。「自得」とは上記の意味のように人の手を借りずに自分の力で何かを成し得たり知識を広げることを指すので、反対の意味を持つということが分かるのではないでしょうか。

また、「自得」は「自業自得」というように自分のした悪い行いの報いを自分で受けるという、良くないことを表すときにも用いることがあります。良い意味においても悪い意味においても、自分でしたことの見返りを自分で受けるということですね。

「夢枕に立つ」を使いこなそう

この記事では「夢枕に立つ」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「夢枕に立つ」とは、死者が自分の枕に立って様々なお告げをしてくれるということを意味することが分かりましたね。祖父母や両親などのお世話になった人が亡くなる前日に夢枕に立ってくれたら、それは自分の願望や不安ではなく本当に会いに来てくれている可能性が高いと思いますよ。夢枕に立てる存在になってしまう前に、身近な人ほど大切にしましょうね。

また、自分で努力して体得した知識や知恵は何にも代え難いものです。「天啓」や「啓示」を待っているだけでなく自ら行動して自得の精神を養いましょう。

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【慣用句】「夢枕に立つ」の意味や使い方は?例文や類語を現役学生ライターがわかりやすく解説!

この記事では「夢枕に立つ」について解説する。

端的に言えば「夢枕に立つ」の意味は「死者からのお告げを受ける」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役学生ライターのタビビトを呼んです。一緒に「夢枕に立つ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タビビト

現役の文学部学生ライター。学生生活の中で数多くの芸術関係の執筆を行い、小学生の頃から多種多様な書籍を読破してきた生粋の文科系。読書量に比例する文章力で、慣用句を分かりやすく説明していく。

「夢枕に立つ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「夢枕に立つ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「夢枕に立つ」の意味は?

「夢枕に立つ」には、次のような意味があります。

神仏や故人などが夢の中に現れて、ある物事を告げる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「夢枕に立つ」

「夢枕に立つ」とは、「夢」という言葉が入っていることからも分かる様に現実世界で起きていることではなく、夢の中で既に死んでしまっている人から何かしらのお告げを受けることを意味します。

既に死んでしまっている人というのも、ご先祖さまや生前に関わりがあった人、信仰している神様など様々です。夢の中での出来事なのでそのお告げが本当のことを意味しているのかは分かりませんが、家族や親しみのあった近しい人が亡くなったときや、殺人事件において被害者が殺人犯に自白させるように促したり警察官に真実を話したりするなどの体験談はよく聞く話ですね。

人間の夢は潜在意識から出来上がっています。この理論から考えると実際に亡くなった人が自分の意志でお告げをしているのではなく、生活をしている中で無意識に考えていることや印象的だったことが夢の中で整理されて、自分の意志から生まれた願望や不安が夢で形として表れていると言うことも出来るのです。真実はまだ解明されていないので、何を信じるかは個人の自由ですね。

「夢枕に立つ」の語源は?

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次に「夢枕に立つ」の語源を確認しておきましょう。

まず最初に「夢枕」とは、人が普段眠るときにすぐそばにある枕のことを指します。死者が夢の中でお告げをするときには、この枕に立ってお告げをするということですね。よって「夢枕に立つ」とはお告げをする死者側からの目線ということになるので、お告げを受けた側は「夢枕に立たれる」ということになります。

枕に立って死者がお告げをしている姿をはたから想像すると、少し怖いですよね。

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