1.彼女はボランティアとして地震で被害を被った地元に帰った。そこには想像を絶する光景が広がっていた。
2.彼は悪性腫瘍と診断されたが、病気との想像を絶する闘いに打ち勝ち社会復帰した。
「聞きしに勝る」の対義語は?
「聞きしに勝る」は「ものごとの程度が想像を超えている様子」でしたね。反対の意味では「思っていた通りであるさま」が考えられるでしょう。では、近い意味の言葉を紹介しますね。
「案の定」
「案の定(あんのじょう)」とは「予想していたとおりに事が運ぶさま」・「予想が確かなこと」です。「案の定」の「案」とは「計画」「予想」「もくろみ」の意。「定」は「そうと決まったこと」を表しています。この2つの漢字から「思っていた通りであるさま」を示していますよ。
「案の定」というフレーズを聞くとなんだかマイナスなイメージを想像してしまいませんか。例文1のように「悪い結果を予想していたらその通りになってしまった場面」を示すことが多いでしょう。一方、例文2では「予想通り来店した」という「良くも悪くもない状況」を表していますね。このように「良くも悪くもなく思い通りだったという場面」でも使うことができる表現なのです。また、「案の定」を「予想通り」や「想像通り」に置き換えて表現することができますよね。言葉を置き換えて文章を味わう。有意義な学習方法のひとつかもしれませんね。
1彼は、授業中居眠りをしていてノートを書いていなかった。案の定試験に落ちてしまったようだ。
2.もうすぐ閉店時間だったが、常連客が来るかもしれないと思ってお店を開けていた。案の定、常連客の彼が急いでやってきた。
「~ beyond one’s expectations」
「聞きしに勝る」は英語で「~ beyond one’s expectations」と表現できるでしょう。「beyond」は「~を越えて・~以上」を示す前置詞です。「expectation」は「予想・予期・期待」を表す名詞。「予想を超えて・期待以上の」という意味になり「聞きしに勝る」の英訳となるでしょう。
例文1では、「富士山は聞いていたよりも美しいさま」がイメージできるでしょう。また、例文2のように「expectation」の代わりに「想像」という意味の「imagination」を用いて表現してもよいかもしれません。たくさんの単語に触れて、表現の幅を広げてくださいね。
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