
1.目が利くことで有名な美術品に詳しい知人に倉庫にあった動物の油絵を鑑定してもらった結果、有名な画家の作品だったことが分かりワイドショーが取材に来た。
2.祖母は総務の仕事を担当していて、いま会社に残っている社員はすべて祖母が面接して判断した人を採用したので人を見ることに対して流石目が利く人だなと思った。
3.いくつかのブランドバッグをリサイクルショップで査定してもらったら、店員は曖昧な回答ばかりで査定額も安く期待はずれだったから日を改めて有名な目が利くお店に見てもらうことにした。
例文1は美術品の値打ちを鑑定することに優れている人にしまい込んでいた絵を見てもらった結果、有名な画家の描いた本物だったためにワイドショーが家にまで取材に来たということです。2はその人の祖母は人に対する観察眼に優れていたから優秀な人材を採用することができているという意味になります。そして3ではバッグを売りに出したら期待していた買取価格より安く見積もられてしまい、店員さんもいい加減で感じが悪かったので見切りをつけて、後日別のお店で目利きの人に査定してもらおうと決意したということです。どの例文も目の利く人の並外れた鑑識眼と洞察力が際立っています。
「目が高い」
「目が高い」は良いものを見分ける力が高く、鑑識力に優れていることをいいます。「目が利く」と同じ意味ですね。お客さんにお店の人が「お客様はお目が高い」と言うせりふがよくありますが、「目が利く」よりは丁寧な言い方に感じられ視線の高さではなくて感覚の鋭さを表していて、相手に敬意をあらわしているようなニュアンスがあります。「目が高い」はものに対して使うことが適切で、物事や人に対しても洞察力があることをあらわすには「目が利く」や「目がある」のほうがスマートです。
「目がいい」
視力がいいという意味で「目がいい」という言い方をよくしますが、観察眼やものごとを見る力が優れていることにも使われます。人間は普段いろいろなことにとらわれてしまいがちですが、洞察力や鑑識力に優れている人は見るべきものがきちんと見えているから「目がいい」と言われるのでしょうか。
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