

ライター/ふくろう博士
国立理系大学院で修士(農学)を取得し、現在は民間企業の研究職に従事している典型的な理系人間。「理系好きな学生を一人でも多く増やす」をキーワードにインターネットの世界で活躍中!自身のサイトでは大学生に役立つ情報を日々提供している。
日本人の長寿の歴史を探ろう!

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近年では世界有数の長寿国として知られてている日本。2016年に発表されたWHOの統計によると、日本人の平均寿命は男女平均で84.2歳で世界一位の座に輝いています。世界全体の平均寿命が71歳前後であることを加味すると、世界平均よりも10年以上長生きする日本人は民族的特徴として長生きであるように思えますよね。しかし、この結果を基に『昔から日本人は長生きする民族だった』と結論付けるのは早いです。実際に、1950年代の日本人の平均余命は50代であり、今よりも大きく下回った水準にあります。では、平均寿命が長い理由は何なのでしょうか?早速解説していきましょう!
平均寿命
平均余命
健康寿命
の違いをご存知でしょうか?よく似た概念であるため、これを機会に学びましょう。簡単に説明すると、『寿命』とはある人が生まれてから死ぬまでの時間の総和を意味しており、『余命』はある人が死ぬまでに残された時間を指します。
一般的には平均寿命が延びることは喜ばしいことなのですが、高齢者の寝たきり問題や老々介護といった高齢化社会特有の問題が顕在化している現状…そこで考え出された新しい概念が健康寿命という訳です。健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義づけされており、男性では71歳、女性で74歳とされています。健康寿命と平均寿命の差は男性で9年、女性では12年と大きな開きがあり、現在も拡大傾向にあるのです!
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