
この「元の鞘に収まる」ということわざは、「仲違いした人たちが元の関係に戻る」という意味を持つ。少し「元サヤ」より意味が広いかな。
今回はその「元の鞘に収まる」について、院卒日本語教師の”むかいひろき”に解説してもらうぞ!

ライター/むかいひろき
ロシアの大学で2年間働き、日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。
「元の鞘に収まる」の意味や語源は?

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「元サヤ」という形で広く使われている「元の鞘に収まる」ということわざ。ここではまず、「元の鞘に収まる」の意味や語源について、辞書を参考にしつつ掘り下げていきます。
「元の鞘に収まる」の意味は「仲違いした人たちが元の関係に戻る」
最初に、「元の鞘に収まる」の意味を辞書を参考にしつつ確認していきましょう。「元の鞘に収まる」は次のような意味が国語辞典に掲載されています。
いったん仲たがいした者や離縁した者が再び以前のような関係に戻る。
出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「◆元の鞘(さや)に収(おさ)まる」
「元の鞘に収まる」は「仲違いしたり離縁したりした人たちが元の関係に戻る」という意味のことわざです。「元サヤ」という言葉のもとになった言葉でもあります。「元サヤ」は恋愛関係においてしか使われませんが、「元の鞘に収まる」は恋愛関係以外の人間関係についても使用されますね。
「元の鞘に収まる」の語源は日本刀!
続いて、「元の鞘に収まる」の語源を確認しましょう。「元サヤ」では語源は分かりにくいですが、「元の鞘に収まる」と漢字を使って表現することで気づいた人もいるかもしれません。
そう、「元の鞘に収まる」は「鞘」という字が表す通り、日本刀が語源になっています。「鞘」は日本刀の刃を収納するケースのような部分です。「一旦抜いた刀を、再び元のようにすんなり鞘へ納める様子」から誕生した言葉ではないかと考えられています。
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