
「風呂敷を広げる」の使い方・例文
「風呂敷を広げる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.周囲の後輩に知識があるところを自慢するために機械の説明書の英語訳を自ら名乗り出るという大風呂敷を広げてしまったが、実際は少しの教養しかないつたない英語力なので信頼を損なわないか今になって心配している。
2.あの人は才能のある科学者だけど生物の解剖は苦手らしく、大風呂敷を広げるだけ広げて解剖の時には逃げてしまうから、あまり尊敬は出来ないよね。
3.まだパソコンを触ったこともないのに、来年の技能コンテストで優勝するというまた現実味の無い目標を掲げてるけど、そんなに大風呂敷を広げていると後で後悔するんじゃない?
例文を見ていただくと、対象を一人称・二人称・三人称の三パターンで使い分けていることがお分かりになったと思います。このように「風呂敷を広げる」は、自分に対しての反省や自虐で用いる一人称と話相手の言動を注意する時に用いる二人称、話相手以外の第三者の言動に対して噂をする三人称の三つの場面で使い分けることが出来るということが分かりますね。
また語源を紹介した際に説明したように、「風呂敷を広げる」だけで使うよりも「大風呂敷を広げる」というように「大」を付けた方が大げさな言葉や大ぼらを吐いている様子などの意味合いを強調することが出来ます。もちろん「風呂敷を広げる」だけで使う場合もありますが、ほとんどの場合「大風呂敷を広げる」というように使うようです。人の口先だけの言動を注意をするときにおいても、相手の言動がどれほど深刻なものなのかを伝えるために「大風呂敷を広げているけど大丈夫?」と強調して使うようにすると、相手も一度思い留まりやすいですよね。
一人称で用いる場合は自虐や反省だけでなく、「わざと用いて好感を上げた」というように自慢として用いる場合があります。面接や重要な仕事の交渉の際、相手に対する自分の印象を良くするためにわざとはったりをかけたり虚勢を張ったことでそのやり取りが上手くいったということはありませんか?そのような場合に「大風呂敷を広げてやった」と自慢のように用いることがありますが、はったりや虚勢を張ることは必ずしも自慢できることではないので、基本的には自虐や反省の意味を含めて用いることが良心的でしょう。
「大言壮語をする」
「大言壮語をする」とは、実力に伴わない大きなことを言って虚勢を張ったり大ぼらを吹くことを意味する言葉。
意味合い的には「風呂敷を広げる」と全く同じですが、「大言壮語」は四字熟語なので「風呂敷を広げる」よりも堅い文章の際に用いることが多いです。なので「大言壮語」は日常の会話というよりも文豪の小説などで見る機会が多いかもしれませんね。
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