この記事では「雷が落ちる」について解説する。

端的に言えば雷が落ちるの意味は「目上の人にとても怒られること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

小説や記事の執筆など、言葉に多く携わっている中低青黄を呼んです。一緒に「雷が落ちる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/中低青黄

大学生ライター。大学生活を送る傍ら、PR会社にて記事の添削・校正などを担当。また、高校生の頃から小説をはじめとした書籍を多数通読。小説の執筆や記事の作成なども行っている。

「雷が落ちる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「雷が落ちる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「雷が落ちる」の意味は?

「雷が落ちる」には、次のような意味があります。

・目上の人に大声でどなられてしかられる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「雷が落ちる」

目上の人にこっぴどく叱られる意味を持つ「雷が落ちる」。2020年現在でもその表現が使われる機会は頻繁ではないにせよ、某国民的アニメで主人公が先生に怒られるシーンでは先生の背景に稲妻が走っているなど、雷と怒りは関連づけて考えられているように思えますね。

雷は落ちる時に物凄い大きな音と被害をもたらします。その凄まじい様子を怒りの強さにたとえているわけですね。

「雷」の語源は?

「雷が落ちる」は人が怒る様子を落雷の激しさになぞらえた慣用句であることを説明しました。では、よりこの表現を理解するために「雷」の語源について紹介させていただきます。

その昔天気や気象、自然災害の多くは原因が不明であったために、神様のせいであるとされていました。雷もそのひとつ。そもそも雷は「神鳴り」が語源となっていると言われています。そのなの通り雷は神様によって引き起こされた現象であり、神様の怒りの表現であるとされていました。

日本の雷を起こした神様

日本において、雷を起こす神様は「雷神(らいじん)」と呼ばれていました。雷神は鬼のような姿をしているとされ、背後にある小さな太鼓を用いて雷を引き起こしていたと言われています。

また、その雷神になぞらえて語られた人物もいるのです。それは、菅原 道真。「学問の神様」と呼ばれた偉人です。彼が死んでからしばらくの間落雷が続き、それが彼の祟りであると考えられたことから彼はそのように呼ばれました。

また、その際に雷が落ちなかった彼の領地の名前が「桑原」出会ったことから神の祟りが静まることを願う際に「くわばら、くわばら」と言われるようになったのです。

「雷が落ちる」の使い方・例文

「雷が落ちる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。…などと文章を始めてください。

1.普段は温厚な塾の先生だったが、宿題を3回連続でまったくやっていかなかったらとうとう雷が落ちた。
2.弟のあまりの放蕩(ほうとう)息子ぶりに父の雷が落ちた。

「雷が落ちる」という慣用句は立場が上の者から下のものに対して怒りが振り下ろされるという構造があると前述しました。雷は空(上)から地上(下)に落ちていくものですから。

こちらの例文でもそのような構造が表れているのです。例文1では塾の生徒という立場が下の者が立場が上の先生に「宿題を3回連続でやらなかった」ことを原因にして怒られています。

例文2でも同様に、放蕩、つまり遊び呆けていたことが原因で弟が立場が上の父に叱られていますね。このように、「雷が落ちた」という表現を使用するには関係の上下と、怒られる原因のふたつの要件が必要であることがわかるでしょう。

「雷が落ちる」の類義語は?違いは?

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「雷が落ちる」は「目上の人から強く怒られること」を意味する表現でした。では、それと同様の意味を表す表現にはどのようなものがあるのでしょうか。

\次のページで「「大目玉を食う」」を解説!/

「大目玉を食う」

読み方は「おおめだまをくう」。意味はこっぴどく怒られることです。また、「大目玉を食らう」とも言います。

「大目玉」は、とても怒ったときに目を大きく見開くことからひどく怒っていることを表す熟語として使われており、それを受けると同様の意味を持つ「食う」と組み合わせることで「こっぴどく怒られること」を表しているのです。

「どやされる」

こちらは怒る人の立場を上の人に限定した言葉ではありませんが、怒られることを表す言葉です。怒る意味を持つ「どやす」の受動態的表現な訳ですが、現代では「どやす」という使い方でなく「どやされる」あるいは「どやしつけられる」という使い方がほとんどであるという特殊な動詞。

その他にも、殴る・突き飛ばすといった暴力的なニュアンスがあることからも強く叱られる意味を持つことが窺い知れますね。

「怒り」に関する慣用句

ここまで、「怒られる」ことに関する慣用句を紹介してきました。しかし、「怒られる」ことだけでなく「怒る」ことを表す慣用句も多々存在します。

「怒髪天を衝く」

読み方は「どはつてんをつく」。怒りのあまり髪の毛が逆立ってしまうほどだということから生まれた慣用句です。中国の歴史書が出自ですが、その歴史書には「怒髪冠を衝く」と書いてありました。

現在でもそのように表すこともありますが、冠が衝かれるということは髪の毛が逆立っているということなのでこのような慣用句へと変化したのでしょう。

怒りのあまり自分で自在に動かせない髪すら勝手に逆立ってしまう、ということは相当な怒りを内心に宿しているはずですね。

「堪忍袋の緒が切れる」

読み方は「かんにんぶくろのおがきれる」。こちらも怒りに関する表現ですが、こちらはただとても怒っている訳ではなく、「耐え続けていたがもう我慢ならない」ような怒りを表す表現です。

「堪忍」とは文字通り堪えて忍ぶ心。その心を袋にたとえています。そして、その袋に我慢しなければならないことを詰め込み続けた結果、袋を縛る紐、つまり緒が切れてしまったということなんですね。

そのようなたとえから、堪え切れずに怒ってしまった際に「堪忍袋の緒が切れる」という慣用句が用いられます。

「雷」を用いた慣用句

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また、雷を用いた慣用句もさまざま存在するのです。その中でもふたつを紹介させていただきます。

\次のページで「「地震雷火事親父」」を解説!/

「地震雷火事親父」

読み方は「じしんかみなりかじおやじ」。世の中で恐れられているものを上から順に並べて言った言葉です。

地震に次いで雷が出されるということは、相当恐れられていたのですね。また、昔は亭主関白な過程が多かったために「親父」がランクインしているようですが、現在では「オカン」の方がランクインしそうではあります……。

「付和雷同」

こちらは自分にしっかりした考えがないためにすぐ他人に同調する様子を揶揄した言葉。

読み方は「ふわらいどう」です。「不和」はそのまま自分の意見がないために他人に同調すること、それに雷がすべてのものを震わせることを示す「雷同」を合わせて前述のような意味を表現しているのですね。

「雷が落ちる」を使いこなそう

この記事では「雷が落ちる」の意味・使い方・類語などを説明しました。それ以外にも「怒り」や「雷」に関連する慣用句も紹介しましたので、関連づけて覚えましょう。

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国語言葉の意味

【慣用句】「雷が落ちる」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

「大目玉を食う」

読み方は「おおめだまをくう」。意味はこっぴどく怒られることです。また、「大目玉を食らう」とも言います。

「大目玉」は、とても怒ったときに目を大きく見開くことからひどく怒っていることを表す熟語として使われており、それを受けると同様の意味を持つ「食う」と組み合わせることで「こっぴどく怒られること」を表しているのです。

「どやされる」

こちらは怒る人の立場を上の人に限定した言葉ではありませんが、怒られることを表す言葉です。怒る意味を持つ「どやす」の受動態的表現な訳ですが、現代では「どやす」という使い方でなく「どやされる」あるいは「どやしつけられる」という使い方がほとんどであるという特殊な動詞。

その他にも、殴る・突き飛ばすといった暴力的なニュアンスがあることからも強く叱られる意味を持つことが窺い知れますね。

「怒り」に関する慣用句

ここまで、「怒られる」ことに関する慣用句を紹介してきました。しかし、「怒られる」ことだけでなく「怒る」ことを表す慣用句も多々存在します。

「怒髪天を衝く」

読み方は「どはつてんをつく」。怒りのあまり髪の毛が逆立ってしまうほどだということから生まれた慣用句です。中国の歴史書が出自ですが、その歴史書には「怒髪冠を衝く」と書いてありました。

現在でもそのように表すこともありますが、冠が衝かれるということは髪の毛が逆立っているということなのでこのような慣用句へと変化したのでしょう。

怒りのあまり自分で自在に動かせない髪すら勝手に逆立ってしまう、ということは相当な怒りを内心に宿しているはずですね。

「堪忍袋の緒が切れる」

読み方は「かんにんぶくろのおがきれる」。こちらも怒りに関する表現ですが、こちらはただとても怒っている訳ではなく、「耐え続けていたがもう我慢ならない」ような怒りを表す表現です。

「堪忍」とは文字通り堪えて忍ぶ心。その心を袋にたとえています。そして、その袋に我慢しなければならないことを詰め込み続けた結果、袋を縛る紐、つまり緒が切れてしまったということなんですね。

そのようなたとえから、堪え切れずに怒ってしまった際に「堪忍袋の緒が切れる」という慣用句が用いられます。

「雷」を用いた慣用句

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また、雷を用いた慣用句もさまざま存在するのです。その中でもふたつを紹介させていただきます。

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