「大目玉を食う」
読み方は「おおめだまをくう」。意味はこっぴどく怒られることです。また、「大目玉を食らう」とも言います。
「大目玉」は、とても怒ったときに目を大きく見開くことからひどく怒っていることを表す熟語として使われており、それを受けると同様の意味を持つ「食う」と組み合わせることで「こっぴどく怒られること」を表しているのです。
「どやされる」
こちらは怒る人の立場を上の人に限定した言葉ではありませんが、怒られることを表す言葉です。怒る意味を持つ「どやす」の受動態的表現な訳ですが、現代では「どやす」という使い方でなく「どやされる」あるいは「どやしつけられる」という使い方がほとんどであるという特殊な動詞。
その他にも、殴る・突き飛ばすといった暴力的なニュアンスがあることからも強く叱られる意味を持つことが窺い知れますね。
「怒り」に関する慣用句
ここまで、「怒られる」ことに関する慣用句を紹介してきました。しかし、「怒られる」ことだけでなく「怒る」ことを表す慣用句も多々存在します。
「怒髪天を衝く」
読み方は「どはつてんをつく」。怒りのあまり髪の毛が逆立ってしまうほどだということから生まれた慣用句です。中国の歴史書が出自ですが、その歴史書には「怒髪冠を衝く」と書いてありました。
現在でもそのように表すこともありますが、冠が衝かれるということは髪の毛が逆立っているということなのでこのような慣用句へと変化したのでしょう。
怒りのあまり自分で自在に動かせない髪すら勝手に逆立ってしまう、ということは相当な怒りを内心に宿しているはずですね。
「堪忍袋の緒が切れる」
読み方は「かんにんぶくろのおがきれる」。こちらも怒りに関する表現ですが、こちらはただとても怒っている訳ではなく、「耐え続けていたがもう我慢ならない」ような怒りを表す表現です。
「堪忍」とは文字通り堪えて忍ぶ心。その心を袋にたとえています。そして、その袋に我慢しなければならないことを詰め込み続けた結果、袋を縛る紐、つまり緒が切れてしまったということなんですね。
そのようなたとえから、堪え切れずに怒ってしまった際に「堪忍袋の緒が切れる」という慣用句が用いられます。
\次のページで「「地震雷火事親父」」を解説!/